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目指す方向が違うワークライフバランス バランスというより仕事をしたくないという発想

 会社人間とかいう言葉はもう死語になりつつあります。
 会社のために身を粉にして働くというのが、一昔前の日本の企業戦士のイメージでした。
 これは大企業が社員を競争に駆り立て、企業効率を上げるための戦略として用いてきたものであり、年功序列賃金制度と不可分の関係にあります。会社のために身を粉にして働けば出世が保証され、将来の安定が確保できるという構造です。
 ここでは会社に対し、忠誠を尽くすということに重点が置かれていることが特徴で、単純な能力比較で出世の有無が決まるわけでありません。  そのような中で過労死という悲惨な状況が生まれたり、「サービス残業」という欧米では考えられないようなブラック状態が社会問題になったわけです。
 そのような状況を再考を迫るものがワークライフバランスでした。
 会社人間にならないように、「もっと自分のことを考えて!」というように何とかバランスを意識させようというものです。

 しかし、下記の記事からは、今時の若い人たちのワークライフバランスは全く逆のイメージに読めます。
今年度の新入社員「ほどほど志向」 「社長目指す」は過去最低」(産経新聞2016年7月7日)
「「人並み以上に働きたい」と答えたのは34・2%と前年度比で4・1ポイント低下。働く目的として「楽しい生活をしたい」と回答したのが過去最高の41・7%だったのに対し「自分の能力をためす」は12・4%と過去最低を更新し、ワークライフバランスを念頭に、生活の充実を求める新入社員が目立った。」

 ここではバランスという感覚ではありません。最初から「仕事をしたくない!」 ということで、仕事と生活のバランスをとるではなく、明らかに自分の生活優先です。今の若い人たちにとっては、労働=苦役でしか理解されていないのでしょうか。自分がやりたいことだけをやっていたいというようにしか聞こえません。
 もしかしたら、そういった層は、ポケモンGOに没頭して、周囲の迷惑など全く顧みない層とも重なるのかもしれません。
ポケモンGOと警察の対応の不可解 求められているのは徹底した警告と取り締まり

 どちらに比重を置くのかは、それぞれの人の価値観だという声ばかりも目立ちますが、私は本当にそれでいいのかなという疑問しかありません。
 以前は、色んな人たちがいて、それこそ全体のバランスが取れていたということだと思うのですが(というより仕事をしたくない派は少数だったと思います)、昨今、みながみな「働きたくない」という意味でのワークライフバランスを実践したら、この私たちの社会は誰が支えるというのでしょうか。会社という狭い意味ではなく、広く社会を支えているのが労働ですから、今、自分の目先の生活さえ困んなきゃいいんだ、というのでは社会全体が沈んでいきます。

 昨今、医師や弁護士という専門職の中でも自分中心という意味での「ワークライフバランス」思考が出てきたとも聞いています。
 これら専門職の養成には多額の税金も使われていますが(法科大学院のように莫大な自己負担もありますが)、こういった専門職が単なるビジネス資格となっていくことは、専門職としての社会的使命とは対極です。

 日本社会全体が劣化しているように思えてなりません。
 労働力の不足は何も少子化が原因ではなく、国内の労働力が眠ったままだからです。
バス業界、トラック業界の運転手不足 日本の若者はどこへ? 日本の生産力は下り坂

 労働力の不足を補うと称して外国人労働者による家政婦を解禁しました。
外国人家事代行、3社認定 フィリピン人受け入れ今秋にも開始」(日経新聞2016年7月20日)
「認定されたのはダスキン、パソナ、ポピンズの3社。3社はフィリピン人を計30人程度受け入れ、今秋をめどにサービスの提供を始める計画だ。」

 女性の家事負担を減らすことが目的だなど言っていますが、本当にこれって健全な姿なのですか。私にはそうは思えません。
 何故、国内の労働力が活用されないのでしょうか。日本社会の劣化としかいいようがありません。
政府は外国人技能労働者の導入をやめよ

 拝金主義と格差社会が生み出した最悪の状況です。

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