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【ポケモンGOで脱皮するか任天堂】

ポケモンGO が大ブーム。とりあえず、若者たちとの会話についていくためにも初日にダウンロードしてみました。

確かにモンスターを捕まえると楽しいですが、ポケモン世代でもないので、長続きしない気がします。お金を払ってまでやろうとも思いません。

ポケモンGOのゲームアプリを開発したのは、株式会社ポケモン(任天堂、クリーチャー、ゲームフリークの3社が共同出資したポケモンのプロデュースをする会社)と米ゲーム開発会社Nianticです。

任天堂はしょせん、株式会社ポケモンに出資しているに過ぎず、得られる利益はマイノリティだ、▼クローズドな世界で自ら開発できた家庭用ゲーム機とは違い、スマホ向けのゲームアプリはオープンな世界という任天堂には不慣れな領域のため、任天堂の株主は現実を見よ、と注意喚起しているのがFTの Nintendo has ventured into a scary world(任天堂はこわい世界に足を踏み入れた)という記事です。

サブタイトルは、Investors are going crazy about Pokemon Go but they should calm down and examine the reality (投資家はポケモンGOに熱狂しているが、冷静になって現実を見るべきだ)。ざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


(公式HPより)

熱狂とは本当にすごい。AR=拡張現実の技術を使って任天堂のポケットモンスターを現実の世界とスマホ画面に重ねて表示するゲームアプリのポケモンGOは世界を制覇した。7月6日にアメリカなどで配信が始まって以降、ユーザーは公園に集まったり、レストランに走り込んだりして、ピカチューなどのモンスターを探し求めている。

投資家も熱狂気味だ。任天堂の株価は、ポケモンGOがWii Uなど精彩を欠いた家庭用ゲーム機(ビデオゲーム機)への依存から、成長著しいスマホ上のゲームに一気に移行させて会社の救世主になるのではないかという期待から、急上昇した (on hopes Pokemon Go can rescue the company from dependence on lackluster consoles such as the Wii U, and propel it into a world of growth in casual games on smart devices)。

みんな、落ち着けよ(Calm down, everyone)。

新しい姿に生まれ変われる企業と言えば、任天堂だろう。ゲームセンターにあるゲームのメーカーだった任天堂は、1980年代に家庭用ゲーム機のメーカーに脱皮 した。その10年後、危機に陥ったとき、Wiiを開発 し、SonyのPlayStation 3 やMicrosoftのXbox 360 を打ち負かした。

これを支えたクリエイティブな天才は、宮本茂だ。Donkey Kong やSuper Marioの生みの親であり、「世界中の人たちに笑顔を」とういう任天堂のミッションを全うしてきた。任天堂というのは、世界中の人たちに笑顔をもたらすだけでなく、もたらし続けられる不思議な力を持っている。 ポケモンシリーズはことし、20周年を迎える

浮き沈みの激しいIT業界で生き延びるコツは、ゲームと機械の好循環 であった。人気のビデオゲームの命は短いかもしれないが、消費者がゲーム機を買うことで、ほかのビデオゲームを買いたくなる。クリエーティビティーこそ任天堂の原動力だったのだ。

であれば、世界中のスマホを持った若い人たちがポケモンを捕まえようと走り回るゲームアプリは任天堂にとって素晴らしいことに違いない。おそらく、京都の本社では役員たちはウハウハしていることだろう。

まぁ、ある程度はそうかもしれない。

第一に指摘しなければならないのは、任天堂はポケモンGOを開発したわけでも保有しているわけでもないことだ。 株式会社ポケモンの株式を33%持っていて、株式会社ポケモンが Niantic というGoogle出身のJohn Hankeが設立したAR=拡張現実のゲーム開発会社 に、権利を去年ライセンス供与したのだ。しかし、任天堂がポケモンGOから得られる収入はマイノリティに過ぎない。


(公式HPより)

もちろん爆発的人気の社会現象を生み出した会社にマイノリティであっても、出資している方が出資していないよりも良いに決まっているが、もっと大きな問題が浮き彫りになっている。任天堂は、ゲーム機を自らデザインし、人気ゲームを自ら出しているものの、スマホの世界に入るにあたって、パートナーに頼ってきた。Nianticとは別に、日本のゲーム開発会社 DeNAとも5つのスマホゲームを開発中である。

任天堂はこれまで、自らのゲーム機のためのゲームを作るという"walled garden(壁に囲まれた庭)=クローズドなプラットフォームにこだわってきた。しかし、スマホの世界に踏み込んだことでプラットフォームを自らコントロールができなくなり、 iPhoneやAndroidのスマホ向けのゲームを提供しなくてはならなくなったことで、かつての"壁に囲まれた庭"が弱まる。競争も激しい。これは、独占的に持っていた1つの技術=ゲームセンターのゲームから別の技術=家庭用ゲーム機へのかつての脱とは異なる。

今の新しい技術は、オープンでありスマホ向けである。位置情報、地図情報、バーチャル、AR=拡張現実はいずれもそうだ。これは Nianticのようなシリコンバレーのソフトウェア会社に有利となる。任天堂はパートナーシップから学ぶことができるだろうが、不慣れな領域である。

第二に指摘したいのは、スマホゲームのビジネスモデルが不思議だという点だ。ポケモンGOを例に見てみよう。ユーザーは無料でダウンロードして、モンスターをおびき寄せるための"お香"や捕まえるためのポケボールなどのアイテムを追加で購入する。しかし、多くのユーザーは課金されまで遊ばないことが分かっている。爆発的な人気となった Candy Crushを開発したKing Digitalは、Activision Blizzardに買収される前の2013年に月間ユーザーのうち96%が一銭も課金に応じなかったと公表した。

それでもスマホのアプリは、利益をあげることができる。Activision Blizzardが 59億ドル(約6000億円)を払ってまで King Digitalを買収したのは、安定した売り上げと高い利益率があったからだが、それも危うい。ポケモンGOは、ビデオゲームのように60ドル(約6300円)で販売されるわけではないし、直接、ゲーム機の売り上げに貢献するわけでもない。ヒットは出し続けないといけないし、チャリンチャリンとお金が入ってこないといけない。 


(公式HPより)

任天堂はパラダイムシフトの中で理想的な位置にあると言えるかもしれない。爆発的に人気となるキャラクターを作り出すからだ。Nianticの John Hankeはポケモンを「世界の男性にも女性にも、そしてあらゆる世代にも受け入れてもらえる貴重な知的財産」だと言う。

モフモフしたモンスター探し(cuddy monster hunt) が嫌いだという人なんていないだろう。しかし、任天堂の株主は熱を上げるる前に現実を見るべきだろう

John Hankeについては、こちらもどうぞ。

【ポケモンGOの生みの親】

http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/63508443.html

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