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「インターンシップが若者を救う」論を駁す③ 欧米のエリート・インターンシップは年収600万円!? - 海老原嗣生

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中途採用で社会人と争うために腕を磨く=インターンシップ

今回は、欧米のインターンシップについて書くことにする。何度も引用している7月13日付け日経新聞のインターンシップ検討会には、このような文章が記載されている。

「日本では大学が単位認定するインターンに参加する大学生は全体の2.6%。6割程度といわれる欧米との差が大きい」 確かにこの割合は私の見てきた数値に近い。ただし、その中身がわかっているだろうか。

欧米のインターンシップの位置づけ、そして、その中身を2週にわたって検討する。

欧米では基本、新卒採用は少ない。一部上位学生に向けたトレーニー採用(アメリカならリーダシッププログラム採用)があるが、それ以外は、職務別に人員に空きがあった時に、その仕事がすぐにできる人を募。いわゆる中途採用であり、そこには社会人も応募する。だから学生といえども、社会人相応の腕がないと、職に就くことはできない。

とすると、学生たちは大学時代に「腕を磨いて」おかなければならない。

そのために交互教育(企業実習による職業訓練)というものがある。学生は学業と並行してこれをやっているのだ。インターンシップも交互教育の一つと考えればよい。

交互教育は、大きく3つの種類に分かれる。一つが、教育機関が授業の中で行う企業実習(コオペ)。二つ目が学生個人による企業実習(インターンシップ)。そして、公的機関による企業実習(見習い訓練)。米国の場合は前二者が主であり、欧州の場合はすべてがそろっている国が多い。

一人前になるために4か月×3企業も当たり前

Le Journal du Management
社会人相応に腕を磨くことがその目的となるから、日本のように「長くて1か月」という気楽なものとは全く異なる。基本的に、長期の実習となる。図表③は、フランスの企業に実習期間を問うたものだ。驚くことに一番多いのが「4か月以上」で49%と約半数。続いて3か月が22%でここまでで70%を超える。続いて2か月が17%。2か月以上トータルで89%ともなる。夏休みよりも長いのが、向こうのインターンシップのごく普通な姿なのだ。

さらに驚くのは、こうした長期インターンシップを何回も受けるのがフランスの学生では一般的なことだ。グランゼコール(大学より難しいエリート養成機関)では回数が特に多いが、一般大学の学生でも4回以上が25%、3回が24%、2回が26%と複数回経験者が8割近くにもなる。つまり2か月以上もの企業実習×複数回が当たり前といえるだろう。

なお、こうしたインターンでも習熟が積めなかった学生は、公的な見習い訓練を受けることになる。

仕事を覚えるためには、それくらいハードな実習が必要なのだ。職務別採用の世界で職にありつくためには、こうした下積みが必要となる。日本のように、1週間程度のアトラクションでインターンシップが事足りるのは、その前提に未経験者を採用するという、新卒慣行があるからだ、と気づいてほしい。

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