記事

参院選の勝利で改憲できる議席数を確保、安倍政権と日本会議の駆け引きが始まる

参議院議員選挙の結果が出た。与党の自民党と公明党の勝利だった。民進党を中心とした野党の作戦は実らなかった。争点づくりに失敗したのだろう。

消費税率引き上げの再延について、安倍首相は、国民に信を問うと公言していた。ところが、民進党代表の岡田克也さんは、この先延ばしに賛成してしまった。もうひとつ、自民党が隠しに隠していた憲法改正だ。そもそも民進党は護憲政党ではない。実は、所属議員のほとんどが改憲賛成で、特に9条については改正を考えているのだ。しかし、共産党と共闘するため、「安倍政権下では改正反対」と、あいまいにしてしまった。明確な争点づくりに完全に失敗してしまったわけだ。

今回の選挙で、自民党、公明党、さらに改憲に前向きなおおさか維新の会などを加えた改憲勢力は、衆参両院それぞれで3分の2を超えた。では、今後はどうなるか。

まずは憲法の改正だ。安倍首相は憲法9条や98条の改正ではなく、公明党が賛成しやすい環境権などを持ち出すだろう。結果的に民進党も賛成しやすい形にして、ともかく「憲法改正」を実現するのではないか。憲法改正は、自民党の立党以来の綱領に明記されながら、60年以上タブーであった。その憲法改正を何とか実現したいのだ。

一方、「日本会議」という団体が注目を浴びている。安倍内閣のほとんどの閣僚が参加しており、自民党の強力な支持母体でもある。日本会議が目指すのは、ひとつめは「緊急事態法の制定」、2つめが「家族制度の復権」、3つめが「憲法9条の改正」である。さらに、日本会議は明らかにしていないが、本来の目的は、「明治憲法の復元」、そして「東京裁判の否定」だ。

安倍首相は、まずは憲法第9条を避けて、なんとか憲法改正を実現しようとするだろう。改憲へ踏み出せる議席数が確保された今、日本会議は安倍首相をこの本音にどう引き込むのか。水面下の苛烈な駆け引きが行われるだろう。

あわせて読みたい

「参院選2016」の記事一覧へ

トピックス

議論豊洲市場と築地市場:「食の安全」に関わるリスクが低いのはどちら?

ランキング

  1. 1

    "尖閣問題"嘘教える教科書の意義

    三田次郎

  2. 2

    森友学園 首相は本当に無関係か

    小林よしのり

  3. 3

    兄殺害後に見せた"怖い顔"

    高英起

  4. 4

    パチンコ業界識者の発言に唖然

    木曽崇

  5. 5

    "戦闘機値下げ"総理は注意すべき

    近藤駿介

  6. 6

    メンタル崩壊 清水富美加の才能

    松田健次

  7. 7

    プレミアムフライデーは意味ない

    小林よしのり

  8. 8

    タバコは非合法化し農家に補償を

    メディアゴン

  9. 9

    待機児童 なぜ解決できないのか

    駒崎弘樹

  10. 10

    "普段着でお越し下さい"の正解は

    シェアーズカフェ・オンライン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDまたはYahoo!IDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。