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自分を褒めると無敵になれる ヒト型ロボットベンチャーをグーグルに売った男(加藤崇インタビュー・中編) - honto編集部

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ヒト型ロボットベンチャー『SCHAFT(シャフト)』の元CFOで、日本で初めてGoogleに会社を売った経験を持つ加藤崇さんの著書『無敵の仕事術 君の人生をドラマチックに変える!』に関するインタビュー。vol.1では「特別な人間でなくても、大きな成果はあげられる」というお話をお聞きしました。しかし実際のところ、どうすればそんなに大きな成果をあげることができるのでしょうか?その核心に迫りました。

大きな成果を出したいなら、とにかくダイブする!

―― 大きな成功をおさめるためには、何が一番重要だと思いますか?

加藤崇(以下、加藤) 「怖いと思っても覚悟を決め、ダイブする」ということです。とにかく飛び込んでみることが重要だと思います。

―― 多くの若者にとっては、「ダイブしたくてもできない」というのがおそらく本音のところですよね。

加藤 そうだと思います。「何か大きなことをやってやりたい!」という熱い思いを持つ若者は多くいますが、なかなか一歩踏み出すことができないんですよね。僕も、飛び込もうと決断する時は恐怖で身がすくむんです。だけど、僕はその恐怖を乗り越えることができた。じゃあ、どうして僕はチャレンジングな環境に飛び込むことができたのだろう?と考えてみたんです。

―― 加藤さんがダイブできたのはどうしてだったんですか?

加藤 ひたすら考えて出てきた答えは、僕の場合「ダイブするきっかけ」が必ずあったということです。僕が怖いと思いつつもダイブできた時には、必ず自分以外の誰かに対して「一肌脱いであげたい」という強い感情があったんです。「この人のために何かしてあげたい」みたいな感覚です。僕に火をつけてきたのは理屈ではなくて、他人への強い共感だという結論に達しました。

―― なるほど、ダイブするために必要なのは「この人のために何かしてあげたい」という強い気持ちですね。

加藤 そうですね。書籍でも触れましたが、シャフトを立ち上げた時もヒト型ロボットの技術者の情熱に非常に共感したことがきっかけでした。しかし、他人に対する「何かしてあげたい」という強い気持ちだけでは、成功につながるとは言い切れません。

―― 成功につなげるためには、どのようなことが必要だと思われますか?

加藤 ダイブしたあとには、その仕事に関する知識やノウハウ、ビジネスセンスなどの最低限必要なスキルを、自分で身に付けていく必要があると思います。例えば、僕がコンサルティング会社で初めてのM&Aを経験した時も、知識や経験は圧倒的に不足していました。何しろ初めての経験ですからね。でも、M&Aの交渉は待ってくれませんから、状況を進めながらも自分で知識を蓄えるしかないんです。だからこそ、書籍にも書いたような勉強法で知識を獲得していきました。

―― 飛び込む場所は自分にとってチャレンジングな環境ですから、知識や経験が足りないこともしばしばありますよね。

加藤 誰だって、最初はそうだと思うんです。だからこそ、学ぶことが重要なんですよね。「何かしてあげたい」という強い思いを持ってダイブし、その中でさまざまな知識を身につけることで、最終的に成功を収めることができる。そして、その先にはもうひとつだけ大事なことがあります。成功を収めた時には、「自分はやったぞ!」と手放しで思いっきり自分を認めてあげることです。

「自分はやったぞ!」という無敵感こそが、次のダイブに繋がる

―― 自分を褒めるところまでがひとつのパッケージということですか?

加藤 そうです。成功した自分を認めてあげることで、ダイブした結果が完結するのだと思います。また、第三者に承認されることで自信もつくし、自己肯定感も高まります。そうすることで、次はもっと大きい挑戦ができるんです。自らリスクの中にダイブして成功した後には、自分の全身に血が逆流するような高揚感があって、ランナーズハイみたいな感覚になるんです。自分が無敵になった感じがするんですよ。なかなか言葉で伝えづらいのですが、この感覚を体験するところまで、ダイブした人に感じてほしいと思うんです。

―― 無敵感、ですか。

加藤 はい。僕は、グーグルにシャフトを売却したときも、初めてM&Aをしたときも、この感覚をおぼえました。「この感覚はなんだろう?肩で風を切るなんてものじゃ表現しきれないような、この爽快感はなんなんだろう?」と思っていたのですが、以前『逆転!』という本を読んだ時に、この感覚が何なのか、すごく腑に落ちたんですよ。

―― マルコム・グラッドウェルの『逆転!強敵や逆境に勝てる秘密』という本ですね。

加藤 それです。『逆転』は、「小さなものが大きなものを倒すには」という文脈で探していた時に見つけた本でした。最後のほうに記してあった引用を読んだ時に「これだ!」と感じたんですね。普通は、リスクの中に飛び込んでいくと、たとえ勝ち残ったとしても燃え尽きてボロボロになってしまうように思うじゃないですか。ところが現実はまったく反対で、リスクを乗り越えるたびに、想像できないようなパワーや元気が湧き出てくるのです。ダイブすることに対して、失敗するかもしれないという恐怖を乗り越えて成功する感覚、死ぬと思っていたけど死ななかったというような時の感覚は、ほんとうに想像できないような新たな力を呼び込むのです。ここまでを体験すると、ひとつのパッケージとなって、次にさらなる大きなリスクへダイブしていけるんです。

―― 今回の著書に記されていたシャフトのエピソードにも、日本のファンドに出資を断られ、日本での展開が絶望的になりながらも、最終的にはグーグルに売却して成功をおさめる、という逆転がありましたね。

加藤 あの時、僕は確率に賭けるのではなく、可能性に賭けたんです。確率としては、ベンチャーが経済的に成功をおさめるのは難しいのかもしれない。それでも、可能性に賭けて思い切りダイブしたのです。その結果、グーグルに売却することができました。グーグルに売却したあと、僕はとても気持ちが高揚し、さらなる自信をもつことができました。だから、今はシリコンバレーでさらなる挑戦ができているし、あるいはシャフトの可能性に賭けられたこと自体も、それ以前のM&Aの成功や、ベンチャーでの経験が、熱量をもって支えてくれていたわけです。この感覚は、覚悟を決めてダイブをした人にしか得られない世界だと思います。いま乗り越える局面に直面しているひとに対して、そういう世界があるのだということを、この本を通して伝えたかったんです。

(編集・構成 マツオカミキ)

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