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2か月連続でマイナスを記録した消費者物価をどう見るか?

本日、総務省統計局から4月の消費者物価指数(CPI)が公表されています。ヘッドラインの前年同月比上昇率は▲0.3%の下落を記録し、生鮮食品を除くコアCPIも同じ▲0.3%の下落となっています。まず、日経新聞のサイトから記事を引用すると以下の通りです。

消費者物価、2カ月連続マイナス 4月0.3%下落
総務省が27日発表した4月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数が102.9と、前年同月比0.3%下落した。2カ月連続のマイナス。前年比での原油安などを背景にガソリンや電気代が下がったことが全体の物価を押し下げた。
市場予測の平均は0.4%の下落だった。分野別にみると電気代が9.9%、ガソリンが16.0%それぞれ下落。エネルギー全体は12.6%下がった。このほかルームエアコンが値下がりし、家庭用耐久財も2.4%下落した。
一方、上昇した品目は価格が下がりにくくなっているテレビが13.3%上昇した。外国パック旅行も12.0%上昇した。衣類なども値上がりが続いている。
ガソリン価格は足元でみると上昇に転じている。前月比4.7%上昇と9カ月ぶりに前月を上回った。
総合指数は前年同月比0.3%下落した。マイナスは2カ月連続。「食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合指数」は前年同月から0.7%上昇し、2年7カ月連続で前年水準を上回った。
先行指標となる5月の東京都区部のCPIは、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比0.5%下落した。電気代の下落などが影響し、5カ月連続のマイナス。下落幅は11年3月以来5年2カ月ぶりの大きさだった。

いつもながら、包括的によく取りまとめられた記事だという気がします。次に、いつもの消費者物価上昇率のグラフは上の通りです。折れ線グラフが凡例の色分けに従って生鮮食品を除く全国のコアCPI上昇率と食料とエネルギーを除く全国コアコアCPIと東京都区部のコアCPIのそれぞれの上昇率を示しており、積上げ棒グラフは全国のコアCPI上昇率に対する寄与度となっています。東京都区部の統計だけが5月中旬値です。

いつものお断りですが、いずれも総務省統計局の発表する丸めた小数点以下1位の指数を基に私の方で算出しています。丸めない指数で計算している統計局公表の上昇率や寄与度とはビミョーに異なっている可能性があります。

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昨夜の企業向けサービス価格指数(SPPI)を取り上げたブログでも書きましたが、4月の物価はある意味で節目に当たっており、財政年度が始まり、学校も新学期ですから、価格改定が集中する場合もあるんですが、少なくともここ何年かに渡ってはそのような価格改定の集中は生じず、景気が緩やかに回復する中で人手不足が本格化する中で、それなりに期待しないでもなかったんですが、今年も大きな価格改定の集中はやって来なかった印象です。

これまで、国際商品市況における石油価格の下落から、消費者物価(CPI)でも価格の下落はエネルギーにほぼ集中していたんですが、ここ1-2か月で国内の財に対する波及が見られ始め、相対価格ではなく一般物価に広がりを見せることがほぼ確実になったと私は受け止めています。ただ、エネルギー価格の波及とともに為替の円高進行も合わせ技で進んでおり、その両方のインパクトによるものと考えるべきです。加えて、需要の弱さが物価上昇を阻害していることも明らかです。特に最後の需要の弱さは賃上げの低下とともに、物価上昇に昨年に比べてネガティブな影響を及ぼしているように私は受け止めています。

また、東京都区部のCPIの推移を見ても、この先、全国でも物価の下落幅の拡大が継続する可能性が高く、こういった将来的な物価情勢も視野に入れると、デフレに逆戻りというか、デフレ脱却プロセスの停止すら考えられることから、現政権の財政出動に合わせた、というか、財政政策の発動があると仮定すれば、ということですが、その際には、金融政策のいっそうの緩和がアジェンダに上るんではないかと私は想像しています。

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