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SNS最新機能「ライブ動画」の正しい使い方

By JOANNA STERN

 米ミシガン州にある自宅のソファから、ナサニエルさんは10分でルービックキューブを完成させようとする姿を生中継している。次はテレビ通販チャンネルQVCのスタジオで、ホスト役のオールバニー・アーバインさんが世界平和よりもカメラの売り込みに熱を入れているようだ。次はテキサス州のどこかで、アンバーさんが髪を洗おうとしている。次は米国女子サッカーリーグの試合で、オーランド・プライドとヒューストン・ダッシュはともに無得点のままだ。

 土曜日の夜、私はチャンネルをしきりに変えていた。それも「フェイスブック」のチャンネルだ。そして、私は初めてとなる自作の生中継を終えたばかり。それは、愛犬がごく自然に夕食を食べているという内容だった。

 フェイスブックの「お知らせ」タブに突然出てきた、目障りな「Live Now(ライブ・ナウ)」で気づいた人がいるかもしれないが、交流サイト(SNS)の世界で今月登場した最高の追加機能はライブ(生中継)動画だ。テクノロジーの世界がこれほど沸いたのは、セルフィー(自撮り)以来だ。

 フェイスブックは本格的に投資している。同社のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は数週間前、新たなライブ中継機能を発表。ツイッターは動画中継アプリ「ペリスコープ」の勢いの良さを自慢してきたし、グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」もスマートフォンをベースにした独自のライブ動画を近く発表する見通しだ。

ボタンをタップするだけで、フェイスブックからライブ動画を全世界に配信できる
ボタンをタップするだけで、フェイスブックからライブ動画を全世界に配信できる
Photo: Drew Evans/The Wall Street Journal


 なぜライブ動画なのか。うがった見方をすれば、これはユーザーにより多くの動画を記録、共有、視聴できるようにする最新の仕掛けというものだ。米ネットワーク機器大手シスコシステムズによる野心的な推計によると、2020年までには世界のモバイル端末のトラフィックのうち75%を動画が占めるようになる。SNS大手はあらゆる競争に参加し、収益源となる各社のプラットフォームからユーザーが離れないようにしている。

 一方で楽観的な見方をするなら、これは日常生活を共有し、人々と交流する強力で自然な方法ということになる。動画の流れは一方向だが、相互にテキストでチャットできる機能を思い描いてみよう。シリアに住むリポーターが視聴者の意見を取り入れて少し左側に寄り、状況が良く見えるようになるかもしれない。寝室にいる音楽家が曲のリクエストを受けることもできる。

 それは未来のテレビ中継になる可能性を大いに秘めている。ただ、ライブが常にワクワクさせるものとは限らない。

ライブ動画を視聴しよう

 フェイスブックとペリスコープを見ると、ライブ動画のトレンドに2つの類型があることが分かる。一つ目は主流メディアで、テレビ局や新聞社、雑誌、ウェブサイト製作会社から成っている。この類型に入る動画を見るのはペリスコープよりフェイスブックの方が多いかもしれない。ザッカーバーグ氏はメディア会社やセレブらとタッグを組んだばかりか、スポーツ中継の権利獲得にも動いている。ツイッターも同様の動きをしており、同社は米プロフットボールリーグ(NFL)の木曜日の試合をストリーミング中継する権利を獲得した。

 二つ目は私が「メーンストリート」メディアと呼ぶものだ。これは正真正銘のリアリティ番組で、スポーツインストラクターが毎日の歩行に関する健康アドバイスを送ったり、弁護士が事務所に居ながら相談に乗ったり、サーファーが約3メートルの波乗り体験を提供したりする。もちろん、お昼にブリトーを食べる場面の共有を必要と感じる人もいるだろう。

 ただ、現状ではちょっとした問題が残る。最初の類型に入る動画の質が、二つ目の類型の動画と同じくらい低いのだ。これは特に1人の人物がスマホを持ちながら動き回っている場合に当てはまる。ヒラリー・クリントン前国務長官の質疑応答をライブ中継するなど、コンテンツ自体は素晴らしい。ただ、その前に聴衆の後ろ頭や床、司会のマイクなどが目に入ってしまうのだ。

 フェイスブックの広報担当者は、加工していない「本物」の姿でも何らかの意図が入っているが、それでも製作物の価値は高められるべきだと語る。新たなソフトウエアツールを使えば、マルチカメラ機能の利用やスクリーン上のグラフィック製作などができるだろう。最終的にはテレビ映像のような見栄えに仕上がるかもしれない。米ライブストリーム社が今夏にも投入する広角カメラ「Mevo」はフェイスブックと相性が良く、予算の少ない製作者でも動画を異なるアングルに区切ることができる。

フェイスブックの「ライブマップ」画面には世界中で流されている公開動画が表示される
フェイスブックの「ライブマップ」画面には世界中で流されている公開動画が表示される Photo: Facebook

 近い将来、「iPhone(アイフォーン)」向けとアンドロイド端末向けのフェイスブックのアプリに「ライブ・ビデオ」タブが登場するだろう。ペリスコープと同様、この画面には世界中から配信される人気の高い公開ライブ動画のほか、フォローしている友達などのストリーミング動画が表示される運び。現時点では、「facebook.com/livemap」を訪問すれば現在放映されている公開動画の多くを確認でき、その中で人気の高い動画にはハイライトが付けられている。

 これらコンテンツの大部分が「PG(保護者の承諾が必要)」に該当するのが分かったが、薬物使用やみだらな場面に出くわすこともあった。フェイスブックはコンテンツを監視するグローバルチームを増やし、ユーザーが不適切コンテンツを報告しやすくすると述べた。

何をライブ中継するのか

 では、自分のライブ動画についてはどうか。確かに、あなたの通勤風景やガレージの改造など誰も見たくはない。とはいえ、画像や短い動画を投稿するよりも、生活の一部をストリーミング中継したいと思うことはあるだろう。場所とタイミングさえ間違えなければ、思うほど滑稽にはならないのだ。

 ライブ中継で一番注意すべきことは目的を持つことだ。コンサートの様子や息をのむ光景、電動スクーターからの景色、Wi-Fi(ワイファイ)に接続できる新しいジューサーなど、要するに格好良くて他にはない場面をシェアするのだ。私がセントラルパークで馬車に乗っている場面をライブ中継したところ、50人の視聴者が付いた。ただ、ケールサラダを作っている場面の中継では、視聴者数が1桁台前半まで落ちてしまった。

 iPhoneとアンドロイド端末のフェイスブックアプリでは「New!ライブ動画をシェアしよう」との表示が出てくる、人型の背後に2つのリングのシルエットが描かれたマークをタップすれば近況を更新することができる。(見つからなければ「近況」をタップしてみよう)ライブ動画を撮る前に極めて重要なのは、あなたの中継を視聴できる人を選ぶことだ。

 ライブ動画の視聴は友達か特定の人々、グループだけに限定しよう。私は自分の家族の「ペサハのセーデル(ユダヤ教の過越における重要な晩さん)」を全世界に中継したくない。だから一部の友達と家族を選んで中継した。

 ライブ中継を始めても視聴者に届くまで数分かかる場合がある。ひとまず待とう。視聴者から生のコメントや質問が届けば、一般的な動画とは全く異なる体験を味わえるからだ。覚えておきたいのはライブ動画がデータ通信容量を消費し続けることで、Wi-Fi環境がなければ中継時間に気を配る必要がある。

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