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災害派遣時の自衛官の食事

熊本地震で被害に遭われた皆さまにお見舞いを申し上げるとともに、犠牲となられた方々のご冥福をお祈り致します。
また救助、復旧、支援活動にご尽力されている国や自治体、警察、消防、海保、自衛隊、米軍などのみなさまも、どうぞお体にお気をつけてご安全、ご無事の活動をよろしくお願い申し上げます。

福岡出身の私にも、たくさんの方々よりご心配のお声を頂きました。
お気遣い頂きましてありがとうございます。
私の実家は福岡でも北部に近いので大丈夫なのですが、熊本・大分の親戚や知人からは被災状況の連絡も入っています。

そんな中、ちょっと感じたことを。
(すみません。水を差すようなこと言います)

ネット上では、
「災害派遣中の自衛官は、温かいごはんを被災者に渡し、自分たちは隠れて冷たい缶詰を食べている。素晴らしい」
といった記事や投稿をよく目にします。

その通りだと思います。

でも、このことを素晴らしいと「言い過ぎて」しまうと、自衛隊だけでなく国や自治体、警察、消防、海保、米軍など「支援をする側」のみなさんが、ちゃんとしたごはんを食べにくくなっちゃうんじゃないかなーと少し心配しています。

これら組織のみなさんは、ただでさえ批判を受けやすい現状があります。
批判を受けやすい立場だと、それを防ぐ行動をしがちです。

でも、支援をする側のみなさんも、ちゃんとしたごはんを食べなければなりません。
体を壊してしまったら支援どころではないですから。

以前、自衛隊の海難救助部隊を取材したのですが、隊員のみなさんは「どんな状況でも、自らが生き抜く」ことを重視されていました。

「自らを犠牲にしても、人命を救助する」という精神はとても素晴らしいと思います。
でも、「救助する側」が命を落としてしまっては、「救助」そのものができなくなってしまいます。
だから、隊員のみなさんは「どんな状況でも、自らが生き抜く」ことを重視されていました。

同様に、災害時に支援をする側の方々も、「支援をできる体力」がなければ「支援」そのものができなくなってしまいます。
「自らを犠牲にしても、被災者のために」という精神論だけでは、体が持ちません。
東日本大震災でも、偏った食事による自衛官の体調不良が問題になったことがありました。

でも、被災者のことを思えば、そうはいかないこともあります。
発災直後の物資が行き渡りにくい時期はなおさらです。
だから、災害派遣中の自衛官は「自分たちよりもまず被災者へ」という純粋な気持ちから、「温かいごはんを被災者に渡し、自分たちは隠れて冷たい缶詰を食べている」という行動を取っています。

また、悲しいことですが「人の目の影響」も存在します。

過去の災害派遣では、自衛官が「人の目がある」場所で缶詰を食べていたら、それを「自衛隊はサボっている」とか、「食事が足りてない被災者がいるのにけしからん」と批判する報道がありました。

これは、文化的な面もあるかもしれません。
アメリカの警察官は制服のまま街中でハンバーガーを食べたりしますが、日本の場合、警察官の同様のシーンは見かけません。
(警察官が住民と顔見知りだったりする地域だと見かけたりしますが)

「公的な人の食事」は、災害時でなくても「隠すべきもの」といった文化があるのかもしれません。

でも、支援する公的な人にも「支援をするための、体を壊さないための食事」が必要です。
支援中の多忙さを考えれば、「わざわざ隠れた場所に行く」のではなく、どこでも食事ができた方が支援もよりスムーズに進みます。

自衛官などの公的な人の行動に対して、「あれを言うな」「これを言うな」というつもりはありません。
ただ「被災者のために」「被災地のために」を第一に考えれば、「被災者のために」「被災地のために」ならない風潮は少しでもなくなるといいなーと思っています。

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