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熊本地震でのビッグデータ活用による道路情報

ホンダとトヨタは、熊本地震による被災地域の道路通行実績を表示した地図をインターネット上に公開しています。この道路は通れるか、通れないかなどを教えてくれるんですね。仕組みは、走行車両から集めたビッグデータの活用です。

その先駆け的存在は、ホンダです。ホンダは2003年、実際に走行しているクルマから得た位置や車速をもとにつくられた「プローブ交通情報」を利用したカーナビゲーションを世界で初めて実用化したことで知られます。

ホンダ独自のカーナビゲーションシステム「インターナビ」が、それです。インターナビの会員登録車は、約250万台です。

例えば、いまどこで渋滞が起きているのかをリアルタイムで分析し、利用者にその回避ルートを提供するほか、目的地の気象情報、天候の急変に関する予測情報などを知らせます。東日本大震災の地震発生時には、直後に現地を走行した車両のデータを収集、分析して、震災翌日には、通行可能な道路がわかる地図を作製、公開して話題になりました。

熊本地震を受けて、ホンダは、「インターナビ」による道路通行実績情報を「Googleマップ」と「Yahoo!地図」にて一般公開しました。

トヨタは、テレマティクスサービス「G‐BOOK」搭載車両から収集したプローブ情報をもとに、「通れた道マップ」を公開しました。

走行車両から集めたビッグデータの活用は、震災時の通行状況の提供にとどまりません。ホンダは、「インターナビ」が収集した情報をビッグデータとして解析し、事故の発生確率が高い場所を可視化するセーフティマップを作成しています。

全国を走る「インターナビ」搭載車からは、毎月2億キロメートルの走行データが得られます。そのデータを解析して、5400件の急ブレーキ箇所を特定。例えば、急ブレーキのマークが複数ある箇所は、とくに運転に注意が必要など、事故が起こりやすい現場をクラウド上の地図で示し、クルマが近づくと警報を鳴らすなど、交通事故軽減に貢献しています。

ホンダはなぜ、これほどまでに地図技術に力を入れるのか。背景には、自動運転技術との密接な関係があります。

渋滞や事故などの情報をリアルタイムで取り込む地図情報は、自動運転の要といっても過言ではありません。デジタル地図、位置情報技術をめぐっては、米グーグルとアップルが一歩先をいっています。あとを追う世界の自動車メーカー、大手部品メーカーは自動運転の主導権を握ろうと地図情報の争奪戦を繰り広げているんですね。

地図情報の例をあげるまでもなく、車両ビッグデータは自動車メーカーにとって“宝の山”といえます。トヨタは、クルマから送信される膨大なデータを処理し、新たなサービスを提供するため、「トヨタ・ビッグデータ・センター」を設立しています。ほかにも、車両ビッグデータを使ってできることは、多いですね。

車はいまや、“走るセンサー”です。それが、今回の熊本地震の道路情報につながっているんですね。

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