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若者の車離れは、クルマが嫌いだから? 金銭的に厳しいから?

 日本自動車工業会の調査によると、クルマを保有していない若者の約6割が「クルマを買いたくない」と考えているそうです。若者の車離れを裏付ける結果ですが、クルマが嫌いになったわけではなさそうです。

クルマを買いたくない3つの大きな理由

 この調査は同工業会が2年に1度行っているもので、2015年度の調査ではクルマを保有していない若者向けの調査も実施されました。それによると、クルマを保有していない10~20代の社会人のうち59%が「クルマを買いたくない」あるいは「あまり買いたくない」と回答しました。クルマを買いたくない理由で多かったのは「クルマを買わなくても生活できる」「駐車場代などで今まで以上にお金がかかる」「自分のお金はクルマ以外に使いたい」の3つでした。

 クルマを買わなくても生活できるという理由を除くと、クルマそのものに興味がないのではなく、お金がかかることを危惧しているようです。「環境に悪い」「乗りたい車がない」といった、自動車そのものに対するネガティブな理由はごくわずかですから、やはり金銭的な問題が大きいと考えてよいでしょう。

下がり続ける給与所得者の平均年収

 日本の給与所得者の平均年収はここ20年、多少の上下はあるものの一貫して下がり続けています。消費者の稼ぎそのものが減ったことから、クルマが買いにくくなったと考えられます。これに加えて価格の問題も影響しているでしょう。メーカー側は車種やグレードを入れ替えますから、一概には言えないのですが、平均的な自動車価格は年々上昇しているとみて差し支えありません。

 例えばトヨタ自動車の売上高を販売台数で割った単純平均価格は、ここ20年で1.7倍となりました。総務省の小売物価統計でも、同じような傾向が見られます。収入が減っていることに加え、価格も上昇傾向ということになると、クルマがないと生活できない地域を除けば、積極的な購入意欲がなくなってしまうのも無理はありません。

低い購買力に合わせた車種も必要か

 では自動車メーカーは一方的に価格をつり上げているのかというと必ずしもそうとは言い切れないでしょう。自動車は典型的なグローバル商品であり、基本的に自動車の価格は世界経済に比例して動くことになります。日本では過去20年、経済がゼロ成長で年収も下がりっぱなしでしたが、諸外国は同じ期間でGDP(国内総生産)が1.5倍から2倍に拡大し、それにともなって物価も上昇しています。日本だけクルマを安くするのは現実的ではありません。

 ただ、日本人の購買力が低下している以上、付加価値の高いクルマを売るというやり方は成立しにくくなっています。機能を最小限にし、価格を抑えた車種を用意するなど、購買力が低い事を前提にしたプロダクト戦略も必要となってくるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

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