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焦点:アップル、インド攻勢 新スマホでシェア伸ばすサムスンの脅威に

[ムンバイ/ソウル 6日 ロイター] - 中国に次ぐ世界2位のスマートフォン(スマホ)市場であるインドでは、米アップル<AAPL.O>が再び攻勢を強める構えで、大きなシェアを握る韓国サムスン電子<005930.KS>にとって脅威となる可能性がある。

価格に敏感なインド市場で長く首位を維持してきたサムスン電子は、マイクロマックス<MINF.NS>やラバといった現地企業や中国勢との競争で失速しつつあったが、新たな機能追加など製品の見直しを通じて再びシェアを拡大している。

調査会社カウンターポイントによると、サムスン電子のインド市場シェアは2016年2月時点で30%と、15年第4・四半期の28.6%、14年第1・四半期の27.4%から拡大している。

同社は中低価格製品、特に「ギャラクシーJ」シリーズの新モデルの好調な販売が寄与したと考えている。

サムスンのインド部門のマヌ・シャルマ製品マーケティング担当副社長は「差別化された製品が中低価格セクターのトレンドを主導している」と話す。

例えば、サムスン電子が最近導入した「Sバイク」モードという機能はインドに多い二輪自動車の運転手をターゲットとしており、起動すると電話をかけてきた相手に受信者が現在運転中で、応答できないことを知らせてくれる。

このほか、データをあまり多く使用せず、充電ができない環境で長時間スマホを使用できる機能などを搭載したモデルがインドでは人気だ。

インド市場でサムスン電子が勢いづく中、アップルは高価格スマホのため地位固めに苦戦。15年第4・四半期の市場シェアはわずか2%だった。

そこでアップルが再度試みようとしているのが、インドにおける中古の「iPhone(アイフォーン)」の輸入・販売だ。しかし、この試みは現地の販売業者からの反発に直面している。

実際、アップルが中古端末の販売を認められれば、サムスン電子や他社を脅かす可能性があるとアナリストは指摘する。

<製品の見直し>

サムスン電子は14年半ばから中低価格帯を中心に製品デザインの見直しに着手。古くて人気のないモデルを廃止し、「A」、「E」、「J」シリーズといった新モデルを投入してきた。

新たなモデルには従来ハイエンドのスマホにしかなかったメタルフレームや有機EL(OLED)スクリーンなどの部品や機能が組み込まれている。

これらはスマホに高級感を与えるだけでなく、製品間で共有できる部品を増やし、コスト削減とより積極的な価格設定を可能にするとアナリストは指摘する。

韓国の東部証券のアナリスト、Yoo Eui-hyung氏は、コスト削減の効果は値下げによって相殺される見通しであるものの、こうした取り組みによってモバイル部門の利益率は1─2%ポイント押し上げられる可能性があるとの見方を示した。

「サムスン電子は現在の地位を固守しようとしている」と指摘した。

ただ同社は、国内の景気減速を受け海外攻勢を強めている中国勢からの圧力にも引き続きさらされる見通しだ。

アップルも、インドで中古スマホの販売許可取得を目指すほか、iPhoneの新モデル、4インチ「SE」が新規顧客の獲得につながることを期待している。

アップルとサムスン電子のインドのオンラインストアによると、「SE」の価格は値引きやキャンペーンを除き、最低で3万9000インドルピー(587ドル)、ギャラクシー「J2」は8350ルピー、「J7」は1万4249ルピー。

価格差は大きいが、一部のアナリストによれば、新興国市場を主なターゲットとするアップルの「SE」はサムスン電子に脅威をもたらす恐れがある。特に中古iPhoneの輸入が認められれば、そのリスクは高まるという。

カウンターポイントのアナリスト、ニール・シャー氏は「SE発売によるアップルのポートフォリオ戦略は、300ドル未満の中古端末向けの余地を作ることが主な狙いだ」と指摘。「したがって200─400ドルの価格帯を展開するサムスン電子や他社は警戒すべきだ」と語った。

(Himank Sharma記者、Se Young Lee記者 翻訳:佐藤久仁子 編集:加藤京子)

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