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「必殺技」の商標戦略の考察

バンダイが「必殺技」を商標出願したというニュース(2016/3/15)が報じられました。ゲーム業界に激震が走っているようですが。。。

バンダイさんからは、妖怪ウォッチのメダルの商品名「必殺技」を継続利用するために商標出願したというコメントが出ています。

そこで、今回の「必殺技」の商標戦略を考察してみました。

商標登録の必要性

そもそも、商標登録すべきかどうかの判断は、その名称を使う(使う予定がある)かどうか?が大きな要素になります。商品名などに使う名称なら、コピー品の流出防止などのメリットがあるため、基本的には登録したほうが安心です。

また、商標登録する場合、商標(商品名など)と商品(サービス)をセットで登録します。つまり、その名称をなんでもかんでも独占できるわけではなく、あくまでも指定した商品(サービス)に対してのみ、独占が許されます。

「必殺技」の商標出願内容(以下画像引用)を見ると、指定している商品がおもちゃ系(28類)です。(ゲームソフトやアプリ系(9類、41類)は指定していないんですね)。

なお、他社に使われるのはいやだな~というときに、使用する予定がないとしても、一先ず登録する場合があります。ただ、全く使用しないと将来的に登録を取り消されてしまうため、注意が必要です。

「必殺技」の商標出願内容(J-PlatPat検索画面より)

「必殺技」の使用状況

そこで、今回の商標出願の内容が真っ当かどうかを、「必殺技」の使用状況と照らし合わせて検討してみました。

某ブロガーさんの記事(以下画像引用)によると、たしかに妖怪ウォッチのメダルの商品名(必殺技メダル)として「必殺技」を使っていました

それに、検索エンジンで「必殺技 メダル」と入力すると、このメダルの情報がたくさんヒットします。このことからも、妖怪ウォッチのメダルは「必殺技メダル」としても認知されていることが伺えます。

これらのことから、出願内容として、おもちゃ系(28類)を指定している点も納得です。



「必殺技」の商標登録による影響

多くのユーザーにとって気になるのがこの点でしょう。商標登録のニュースが出ると、その言葉そのものが使えなくなるんじゃないか?と心配なさる方もいるようですが、あわてる必要はありません。

上述したとおり、「必殺技」はおもちゃ系(28類)を指定しているため、「必殺技◯◯◯」というような商品名のおもちゃ(ゲーム機含む)を販売することはできなくなりますが、これは商標登録の効力の基本です。

一方、例えば、「必殺技◯◯◯」とタイトルのゲームソフトやアプリの販売は、「必殺技」の商標登録の範囲外のため(9類、41類を指定していないため)、今のところは問題なさそうです(将来的にバンダイさんが出願するかどうかは不明)。

さらに、そもそも「必殺技」とは、敵と戦う上で持ち合わせている技術、武器、技などのうちで最も有効技(引用:必殺技 – Wikipedia)という意味の一般名称です。

そのため、例えば、ブログで「必殺技は・・・」と記載したり、ゲーム内のセリフや演出(アクション)として「必殺技!」と表示したりするのは問題ないでしょう。

「必殺技」の商標登録の可能性

っていうか、これ登録できるの?というのも話題になっていますが、これについてもちょっとだけ触れたいと思います(基本的には特許庁の審査官の判断次第のため)。

ザックリいうと、商標登録は、①商品(サービス)との関係において普通っぽい名称でないこと、②似たような商標が似たような商品(サービス)について登録されていないこと、という条件をクリアできれば登録されます。

その点を考えると、①については、指定している商品がおもちゃ系(28類)です。「必殺技」という名称がおもちゃ名として普通っぽいかどうか?を考えると、普通っぽくはないといえそうです(これは、「けん玉」という名称は、おもちゃ名(けん玉)として普通っぽい、という考え方に基づいています)。

また、②については、登録されていない限りクリアです。ちなみに、バンダイさんは「必殺」という商標登録を既に持っています。

というわけで、商標登録が成立する可能性はなくはない(それなりにある)んじゃないかな~と個人的には思います。

「必殺」の商標登録内容(J-PlatPat検索画面より)

≪まとめ≫

以上、「必殺技」の商標戦略をまとめると、メダル名「必殺技」の使用状況も踏まえると、商標登録の必要性は十分あり、その出願内容も妥当です(将来的に使用を見越した先取り登録も現時点ではなさそうです)。

一方、「必殺技」の商標登録が成立したとしても、おもちゃ業界と無縁なユーザーにまで影響が及ぶことはなく、普通に「必殺技」という言葉を使う分には問題ないでしょう。

商標登録の可能性については、個人的にはなくはないと感じていますが、最終的には特許庁の審査判断になりますので、その点はご了承ください。

総じて、「必殺技」の商標戦略(ブランドの保護、悪用防止、悪意の商標出願の阻止等)は真っ当な考え方に基づいていると思います。

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