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在宅だけで稼げる? クラウドワーカーは「ブラック」か「福音」か

 クラウドソーシング企業に登録しているクラウドワーカーのうち、月収20万円以上を稼いでいる人が111人しかいなかったという話がネットで話題となっています。

 ギリギリ生活できる水準を稼げる人が出てきたのだからよいではないかという意見がある一方、これでは安価な労働力にしかなっていないという批判の声もあります。この数字はどう解釈すればよいのでしょうか。

月収20万円超の111人は、全体からみるとほぼゼロの水準

 クラウドソーシングとは、仕事を発注したい企業と、仕事を請け負いたい個人などをネット上で仲介するサービスです。クラウドソーシングを活用すれば、自由で新しい働き方ができるとして注目を集めています。また発注側から見れば、必要なときに必要な人材を気軽にネットで探せるため、柔軟な使い方ができるというメリットがあります。

 クラウドワークスは大手2社のうちの1社で、2014年、マザーズに上場しました。現在、同社に登録しているクラウドワーカーは約80万人となっており、15年10~12月期に発注された仕事の総額は約10億円となっています。このうち、月収が20万円を超えたクラウドワーカーの数は111人となっており、全体からすればほぼゼロに近い水準でした。ちなみに彼らの平均月収は約34万円だったそうです。

 ネットで議論になったのはこの数字の是非です。登録している人が80万人もいて、ギリギリ生活できる水準の月収を得られる人がほぼゼロでは意味がないとの声があちこちから上がりました。たしかにその通りなのですが、見方を変えれば違った解釈も可能となります。クラウドソーシングには、家庭の主婦や副業をする人など、これまでの形態では仕事に就けなかった人にも就労機会を提供するという役割があります。月2万円程度の収入でも、従来はゼロであったことを考えると、大きな成果と見ることもできるでしょう。  

安値合戦の懸念もあるが、社会的なメリットもある?

 もっともクラウドワークスとしても、生計を立てられる人を育成したいと考えているようで、仕事の質が高いことを認定し、仕事を受注しやすくする「プロクラウドワーカー制度」というものを開始しています。

 クラウドソーシングに代表されるような、ネットを使った仲介サービスというのは、本質的に労働コストの低下を引き起こす存在です。多くの人が労働市場に参入するようになれば、当然、競争原理が働き、値段は下がってしまうからです。

 一方で社会的なメリットもあります。サービスの普及期には、安値合戦になって疲弊したり、逆に発注側の企業で高賃金の社員を削減する動きが出るなどの混乱が生じるかもしれません。しかし、こうしたサービスが本格的に普及してくれば、どこかでバランスが取れるはずです。また社会全体として労働力が豊富になることで、新しいサービス市場の創出につながってくる面もあります。クラウドソーシングというビジネスには、こうした両方の面があるということを理解しておく必要があるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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