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【グーグル・エクスプレス】、生鮮品宅配を開始!スロッティングフィーの慣習が薄れる?

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■グーグルの即日宅配のグーグル・エクスプレス(Google Express)が17日、サービス対象商品を生鮮品を含む食料品まで拡大したことを発表した。グーグル・エクスプレスはバーンズ&ノーブルやトイザラス、アルタなどの提携店から書籍や玩具、美容品、日用品まであらゆるものを宅配可能となっている。精肉や卵などの生鮮品を即日宅配される対象地域はサンフランシスコとロサンゼルス。サンフランシスコはコストコやホールフーズ、スマート&ファイナルにノビヒル・フーズの生鮮品等を宅配する。ロサンゼルスではコストコとホールフーズ、スマート&ファイナルにアップスケールスーパーマーケットのヴィンセントフーズからの宅配だ。グーグル・エクスプレスの年間会員費は95ドル。宅配品の中に1品でも生鮮品が入っていれば最小注文額は通常の15ドルから35ドルに引き上げられる。また、1回の注文につき手数料は3ドルとなっている。非会員は手数料は5ドルとなっている。

 生鮮品宅配は高コストで利益率が低く、なかなかビジネスになりにくい領域でもある。すでにアマゾンフレッシュやインスタカート、ウーバーラッシュ、フレッシュ・ダイレクト、シプツなど様々な企業が競争を行っている市場だ。後発となるグーグル・エクスプレスは、豊富な資金力を持っているものの難しい市場でどこまで食い込めるのか注目されている。

トップ画像:ホールフーズのロサンゼルス新旗艦店(地下1階の駐車場エントランス付近)で宅配準備しているインスタカートのスタッフ。いつ行ってもインスタカートのスタッフが宅配準備をしている光景を目にすることから、かなりの需要があることがうかがえる。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。アメリカのスーパーマーケットを視察してもらうとき、注視してもらうのがインスタカートなどのオンデマンド買物代行・宅配サービスです。スーパーマーケットに対する考え方は20代~30代のミレニアム世代で大きく異なります。スーパーの平均店舗面積は1,300坪あります。駐車場に車を停めてスーパーの入り口までどんなに近くても10メートルはあります。10メートル以上歩いた後、1,300坪の中を歩き回って買い物をし、レジで待たされ、さらに駐車場に停めた車のところまで歩き買い物袋をトランクに詰めなければなりません。家やアパートのガレージから台所まで、指が引きちぎれるような思いをしながら買い物袋を運ぶのも大きな仕事です。アマゾンの買い物に慣れ親しんだ若い世代にとってはスーパーマーケットにいって家族分の買い物をするのは苦痛なんですね。これに遊び盛りの小さな子供でもいて、他のお店にも寄って買い回りもすれば、できれば避けたい大仕事です。

⇒したがって若いお母さん世代を中心にスーパーマーケットなど生鮮品の宅配需要が大きくなりつつあるのです。で、物のない時代に育ち質素倹約に励む世代では、この宅配需要を理解できないことになります。「わしらの世代じゃ、手数料を払って人様に頼んで、マークアップまでされている商品を買い物してもらうなんて考えられん!」となるからです。しかし今の20代は今後の消費の中核になる世代です。「わしら」と「彼ら」と分けて考えると何もできません。で、怖いのは宅配サービスを行っているインスタカートやアマゾンフレッシュなどテクノロジー企業。彼らが顧客情報をがっつり保有することができるということです。どのお客が何をいつ買うかがわかるわけです。しかも宅配を依頼するお客は棚を見て買いません。スーパー内では視界に入りやすく手に取りやすい、商品棚の床上75~135cmのスペースを「ゴールデンライン(ゴールデンゾーン)」と呼ばれています。 同じ商品でも置く場所によって売上は伸びるのです。

⇒で、宅配が増えてくると一等地であるゴンドラエンドやゴールデンラインの価値が下がるということ。陳列を工夫して見栄えを良くしてお客に手に取ってもらえるようにしたり、アメリカのようにスロッティングフィー(Slotting Fees:スーパーマーケットに商品を扱ってもらうことで支払う費用でゴンドラエンドやゴールデンラインなど商品棚の一等地に置くことでもメーカーがお店に払う裏費用)の意味が薄まっていくのです。しかも詳細な顧客データ情報は宅配を進めるテクノロジー企業に持っていかれると。これまでスーパーマーケットが豆腐メーカーに言っていた「おいっ豆腐屋!ウチで商品置かせてやるから安くしろ」とは言えなくなってくるのです。スーパーのバイヤーに気に入られるより、ネットで消費者に気に入られればスーパーと豆腐屋の立場が逆転することもあるのですね(笑)。いずれにしてもスーパーマーケットから宅配が増えることでこれまでと異なった見方になるのは明らかなのです。まさに下剋上。

 私たちは常に5年~10年先を読んでいかなければならないのです。

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