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東日本大震災から5年 南相馬市長が17日に会見(質疑応答2)

福島県南相馬市の桜井勝延市長が17日、東京の外国特派員協会で会見し、東日本大震災から5年を迎える南相馬市の現状について語った。同市では今、若い世代の流出が大きな課題になっており、その背景に国の放射線教育の不備があると指摘。政府が進める原発の再稼働については、「被災地の住民として怒りを持っている」と批判した。

東日本大震災から5年 南相馬市長が17日に会見



南相馬市の人たちは除染員をどう思っているか?

司会:(英語)

通訳:あと2つほど。

桜井:はい。

AP通信:AP通信のヤマグチと申します。除染の問題について先ほど少しおっしゃったのでお聞きしたいんですけれども、南相馬に今、8000人の除染作業員の人がいらっしゃるということですが、除染はやはり押し進めなければいけない大事な作業で、ところが交通事故が増えるとか、犯罪になるんじゃないかという地元の方の懸念もあるということで、具体的に実際、まちの皆さんは作業員の方をどういう人だと思っているんでしょうか。例えば、やはり少しよそ者、よそから来た人でよく分からない、あるいは地元の人もいるのか。そして、除染がこれからも続く必要な作業であるとすれば、新しいまちづくりの中にこの作業員の人たちが含まれるのかどうかということ、それから貧困の問題とかそういう非正規の作業、労働問題とも関係があると思うので、その辺りの社会問題になっていく、そのまちとして引き受けなければいけない問題かどうかということをちょっとお尋ねしたいです。

通訳:(英語)
 お願いします。

桜井:基本的には8000人のうちの6000人ぐらいが除染作業員ですけれども、あとの残りは海岸を復旧したりする土木作業員も含めて8000人なんですけれども、全国から来てます。沖縄から北海道まで。来てない地域はほぼないというぐらい全国から来ています。とりわけ関西方面から来る人が、関西弁でコンビニ等でまくし立てられて、その店員さんが恐怖心で辞めたとか、ましてや寝屋川事件で犯した作業員が南相馬市で働いていたとか、こういうことが報道されるたびに皆さん不安になるわけですね。

 全体的には全ての人間に対してそういうふうに見られることは失礼だとは思いますけれども、ただ、節度ある生活をしてもらわなきゃいけませんし、そのために残念ながら犯罪履歴ある人たちも含めて来ているわけですから、保護司さんたちなんかが非常に多くの仕事を抱えるようになっています。保護観察の人たちも来ている実態もありますから。こういうことのように、市民の不安はやっぱりこれだけ多くの人が来れば増長してますし、交通事故は確実に多くなっていますし、震災直後はゼロだった死亡事故が去年3件も起きてますし、このような形で住民からすると協力はもらわなきゃいけないけれども、残念ながら迷惑なことはやらないでほしいというのは当たり前の話なので、ここは警察とわれわれが、またその事業者、責任ある立場の人たちを抱えて協議会なんかもつくっていますけれども、安全に作業を進めていただく。また、安心できるまちづくりに協力してもらうっていうことについては当然のことだと思いますので、われわれ定期的にこういう協議会を開きながら、作業員の皆さんにも協力していただけるような取り組みをしています。

あの震災が共有されていない

司会:(英語)

通訳:これで最後の質問になります。

AFP通信社:AFP通信社のイトウと申します。先週、南相馬で取材をさせていただいたんですけれども、やはり東京と温度差が、人の感覚の温度差が違うなと。で、市長おっしゃられたように再稼働、あるいは記憶の風化、他方、南海トラフ、あるいはどこで何が起きてもおかしくないという日本列島の中で教訓が学べてないのではないかなという気がします。これは、例えばいろんな要素があると思うんですれども、政治であるとか行政であるとか、あるいは日本人のそういう、日本人気質であるとか、市長はその背景には何があると思われますでしょうか。

通訳:(英語)

桜井:結論的に申し上げれば、あの震災が共有されていないんだと思います。それは、津波で636人が犠牲になってまだ111人が見つかっていない。加えて原発事故によって485人もの方々が、この避難によって亡くなられたと認定されています。いま、現実に南相馬市で起こっていることを本当に、南海トラフや再稼働する地域の首長さんたちが知っていたならば、市民に対する責任として命の重さを考えるはずなんですけれども、残念ながらエコノミー、エコノミー、エコノミーと叫ぶ首相に象徴されるように、命が先なのか暮らしが先なのかということを勘違いしているような人たちが政治の中にもいるんじゃないかと思います。われわれ現場で政治をあずかる者にとって一番大切なのは、市民の命なんですよ。命があってこそ暮らしが成り立つわけですから、命を危うくするような政策は押し進めるべきではないというのが私の考え方で、この考え、こういう現場での教訓が残念ながら生かされていない現実が再稼働に結び付いているんだろうと思います。
(完)

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