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東日本大震災から5年 南相馬市長が17日に会見(質疑応答1)

 福島県南相馬市の桜井勝延市長が17日、東京の外国特派員協会で記者会見を開いた。

 今年は東日本大震災から5年を迎えるが、南相馬市は福島第一原発事故の影響で、現在、帰還困難・居住制限・避難指示解除準備の3種類の避難指示区域に指定されている。同市は居住制限、避難指示解除準備について今年4月の解除をめざしている。

南相馬でいま暮らしても、がんの心配はまったくない

司会:(英語)

記者:(英語)

通訳:ということを発言されたんですけれども、それはいまでも事故の当時はいろいろとレベルが違ったということ、もしくはいまでもレベルが違うところがたくさんということでしょうか。お願いします。

桜井:私は医療の専門家でありませんけれども、震災直後から東大の医科学研究所の先生方を中心としてあらゆる専門家が南相馬市に入っていただきました。ホールボディカウンターの話もしましたけれども、これも専門家の助言があっていち早く取り組んだ取り組みでした。結果としてたぶん、福島県内で一番最初にホールボディカウンターでの検査をしたのが南相馬市だと思います。

 当時は若干内部被曝もありました。けれども、いま現在、先ほどもたぶん申し上げたと思いますけれども、内部被曝検査をして出てくるのはほとんどないというのが実態ですし、チェルノブイリともまったく違う状況については、われわれは水も食料も徹底した検査をしていて、検査をしたものではなければ、子どもたちにも学校給食にも使わないと。また、食後、学校給食を食したあとの検査まで徹底をしています。

 こういうことで、先生方からの識見としては、南相馬でいま、暮らす上で、がんの心配をする必要はまったくないというふうに言われていますし、それ以上に問題なのは仮設住宅等で運動することが少なくなった年配の皆さんが成人病を患うことによって、逆に言うと成人病による、また糖尿病等によるがん患者の発生のほうが危険性としては非常にあると。リスクが高いという話を伺っています。

 20キロ圏内の放射線量のレベルは本当に地域によって違いますし、例えば南相馬市の小高区であっても、海岸線は本当に0.06とかいうレベルまで下がっていて、通常の空間線量とほぼ変わりません。その一方で山側の、とくに浪江山なんかと接するような山側の地域では、まだ除染をしたといっても1マイクロ程度があるところもありますので、線量はさまざまといえばさまざまなんですけれども、当時から比べると、発災当時から比べると、おおよそ8分1ないし10分の1まで下がってきているんではないかと思います。

 南相馬の避難指示区域内に、特に小高区に戻りたくない理由の中には上位に占めるのが福島第一原発から近いということが理由の1つに挙げる人がまだまだおります。つまり収束に対する不安というのもあるのも実態でございます。

司会:Thank you.

3000レベル以下の除染土壌などの再利用について

Voice of America:(英語)

通訳:あるんですけれども、その土壌になるのにどういうふうにするべきなのか。

桜井:放射線、放射性物質に汚染された土壌は、放射線のレベルによって汚染のレベルも違います。これは当然のことなんですけれども。ただ、レベルが違っていてもトランスバッグに入れられてしまうとまったく同じ状況に見えてしまいます。私は、津波直後から災害がれきを使った森の防潮堤プロジェクトであるとか、除染土壌も含めた、除染されて出てきた廃棄物も含めて再利用することをずっと国、とくに環境省に提案してきました。いま、ようやく環境省が3000レベル以下であれば再利用の道を開くような取り組みをし始めています。

 これは、いままで仮置場に3年、中間貯蔵施設に30年、そして最後に最終処分場ということを言ってきたわけですけれども、まったく見通しが立たない現実にあると。そういう中で、私が平成23年の5月から環境省に対してこういうことを提案してきたんですけれども、一部はコンクリート廃材であるとか、アスファルト廃材は3000ベクレル以下で再利用されています。一方で除染をした廃棄物は2000ベクレル以下であってもトランスバッグに入れられるというような現状ですから、使えるものは使うべきだし、高汚染度のものについては新たな対策として放射性物質を隔離するような技術開発が必要なんだろうということをずっと申し上げてきて、ようやくそういう方向に国が踏み出しつつあるのかなというふうに思いますし、それは中間貯蔵がなかなかうまくいっていないという現実もあってのことなんじゃないかと思います。

市民に解除の時期について説明をしていきたい

司会:(英語)

記者:(英語)

通訳:応えるための、十分な対策は市のほうでできてると思われますか、それとも国の責任でまだできていないこともあると思いますか。リソースも、資源も含めてということです。

桜井:仮設住宅で暮らされている多くの人は高齢者が多くなっています。自宅再建して仮設住宅から出ている人も増えていますし、同時に市が設置した災害公営住宅については、積極的に入っていただいています。残念ながら自宅再建できない人とか自宅に戻りたい人が、仮設にまだまだおられるわけで、そのためにはどうしてもインフラをしっかり回復した上で、20キロ圏内の生活再建ができるように今年度っていうか28年度、もう早い時期に避難指示区域内の解除をして、自宅に戻って生活ができるような対応をいまわれわれが務めているところでありますし、これから市に戻ったときも市民に対して解除の時期について説明をしていきたいというふうに考えています。

いま置かれている現実を伝えることが私の仕事

記者:(英語)

通訳:政治の、政界にはたぶん戻らないと思いますが、それについてコメントお願いします。

桜井:私が原発に頼らないまちづくりをしなきゃいけないというのは、現実的に震災後、原発事故が起きて、いまだに3万人弱が南相馬市民として避難を余儀なくされてる現状があります。従って、国が、総理大臣が言っているような復興を福島でできているかっていうと、できておりません。

 だから原発事故はもう二度と起こしてはならないんだという思いから、脱原発の都市宣言もしてきましたし、多くの自治体の首長さん、とりわけ東海村の村上村長さんとか、湖西市の三上市長と共に、脱原発を目指す首長会議を組織して、いま現在、現役もリタイアした首長も含めると100人以上の首長が組織して、それぞれの地域での取り組みを支援するというか、また国に対しても一定の意見を申し上げる活動も行っています。

 われわれとして、現地から、被災の現地からこの状況を報告しつつ、皆さんにできるだけ分かってほしいと、この現実を。そうすれば、いまなぜわれわれが原発に頼らないまちづくりをしなければいけないのかということを理解してもらえると思います。今後ともいま置かれてる現実を、しっかり皆さんにお知らせするのが私の仕事であって、それぞれの地域で考えるのはそれぞれの住民ではあるけれども、ただ現実として厳しい現実がもう5年間以上も続いていくんだということを皆さんにお知らせをするのが、その考え方として転換してもらえるようなきっかけになるんじゃないかというふうに思います。

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