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「最後の審判の日」予言外れる

 21日午後6時、外を見ると美しい青空が広がっている。カリフォルニア州の伝道師の「審判の日」予言は当たらなかった。キリストの再臨を信じ、家族を離れ伝道してきた人々の落胆は大きい。一方、無神論者たちは信者たちが天に昇った後、「残していった物を略奪しよう」という不謹慎なイベントや「審判の日パーテイ」を企画するなど、祭り気分は盛り上がったようである。
 
 カルフォルニア州で福音派ラジオ局「ファミリー・ラジオ」を運営するハロルド・キャンピング氏は、聖書を研究・分析し、5月21日を「審判の日」と予言した。午後6時から、世界各地で大地震が起こりキリストは再臨。聖徒の霊は墓場から蘇り、真のキリスト教徒のみが天に昇る、ラプチャー(携挙)が起こると言われていた。
 
 この予言を真剣に信じてきた人々は多い。動物には魂がなく天には昇れないとされているため、残されたペットが可哀想と、安楽死を実行しようとした人もいる。カリフォルニア州ボイズ・ホットスプリングに住むビル・テインカーさんだ。安楽死用の薬を獣医に求めたという話しを聞いた動物管理局員が、テインカーさん宅を訪れ強制的にペットの猫と鳥を保護したという。
 NYタイムズによると、キャンピング氏に面識があるというデイブ・ネダーフッド牧師は「キャンピング氏のウソにつきあってきた信者は、仕事をやめ教会や家族を離れ、ただキリストの再臨を待ってきた。彼らが今後どうするのか心配だ」と話している。
 
 その信者の一人、ロバート・フィッツパトリックさんは、「審判の日」を広める義務があると、退職金をはたいてニューヨーク市の地下鉄やバスに広告を出していた。「なぜ何も起こらなかったのか、わからない」とフィッツパトリックさんの途方にくれた様子を、NYデイリー・ニュースは伝えている。フィッツパトリックさんほど真剣でなくとも、天国は地上よりいい場所にちがいないと、審判の日を待ち望んでいた人も多いという。
 
 一方、これらの信者の苦悩と落胆をよそに、無神論者たちはこの機会にビジネスを伸ばし、気晴らしを楽しんだようだ。ニュー・ハンプシャー州に住むバート・センター氏の「ペット救済」ビジネスは、昨年「審判の日」予言がされてから、27%契約者が増えた。飼い主が行ってしまった後、ペットを確かな場所に送り届けるのが仕事という。
 
 遊びとしてフェイスブックでは「ラプチャー後の略奪」ページがいくつか作られた。「みんなが行ってしまい、神も見ていないから、残していった物をとっちゃおう」。あるページでは80万人以上が、略奪に参加すると名を連ねている。「ラプチャー後の写真」といったページも作られた。人々の魂が天に昇ったという想定で、もぬけの殻のようになった服や靴がそのまま残っている写真が載せられている。

 さらに「ラプチャー後、我々はまだここにいる」と地上にいることを祝うパーテイが、ワシントン、フロリダ、カリフォルニア州でも行われた模様だ。
 この1週間世界から注目されたファミリー・ラジオ局は、20日から宗教音楽を流しているが、当のキャンピング氏は沈黙したまま。ウエブサイトは更新なく、時間が止まったかのようだ。
 
関連記事:5月21日は最後の審判の日

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