転職サイト「DODA」が1月11日に発表した2015年12月の転職求人倍率レポートによると、2015年12月の求人倍率は前月比0.04ポイント増加して1.21倍になった。転職希望者数が前月とほぼ同数で推移する一方、求人数が前月比で3.8%増加したことから転職求人倍率は増加した。また、求人数は13カ月連続で調査を開始した2008年1月以降の最高値を更新しており、転職希望者にとって優位な状況が続いている。
同社によると、来年度の組織に必要となる人員を4月までに確保したいと考える企業が多く、1月以降も求人数は増加し続けると分析している。一方、転職希望者は1月から本格的に転職活動を始める傾向があるため、人気の高い求人には特に応募が殺到する。早めに応募をした人に内定が出て募集がすぐに終了することもあるため、転職希望者は早めに活動したほうがいいとコメントしている。
ただ、転職には関連した支出が必要になり、想像以上にお金がかかるようだ。エン・ジャパン株式会社が運営するサイト「エン転職」のユーザー3,998名を対象に、2015年12月25日から28日にかけて実施したアンケートによると、転職経験者の60%が転職時に関連する支出を経験。転職のために使った金額は当初用意していた予算と比べてどの程度だったか聞いたところ、55%が「多い」と回答した。「予定どおり」は39%で、「少ない」は6%。
支出に関する具体的な用途を複数回答で聞いたところ、支出した割合が多い順に「衣類の買い替え」(69%)、「ビジネスグッズの購入」(42%)、「資格取得や勉強、習い事」(38%)、「引っ越し」(14%)となった。また、具体的に支出した金額の平均は「衣類の買い替え」が3万5,226円、「ビジネスグッズの購入」が3万4,869円、「資格取得や勉強、習い事」が13万3,949円、「引っ越し」が24万2,347円だった。
転職マーケットは好調で転職者に有利な状況が続いている。しかし、転職活動においては、金銭的な準備もしっかりしておく必要がありそうだ。