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それでも、ベッキーさんへの過剰な批判が危険な理由。 - 後藤和也

不倫疑惑騒動でバッシングを受けているタレントのベッキーさんについて、所属事務所が芸能活動休止を発表した。報道によれば、ベッキーさんは眠れない、食事をとれないといった緊迫した状態であるといい、報道が真実であるとすれば、産業カウンセラーとして、心身の健康が非常に気がかりである。

■前回記事の反響

筆者は前回記事にて、ベッキーさんへの過剰なバッシングについて、特にファンでもアンチでもない多くの人々による、リンチの体をなしている現状についての危険性を論じた。前回記事はヤフーニュース等へも掲載され、相当数のコメントをいただいた。手前味噌だが、良くも悪くも、多くの人の琴線に触れたようである。

「持ち上げておいてこけ落とすという、現在の風潮は恐ろしい」といった共感を示すコメントもある一方、記事(筆者)に対する批判的なコメントも散見された。以下ではいくつかの批判的なコメントについて取り上げつつ、改めて筆者の見解を示したい。

■コメントについての見解

コメント1「お前は不倫を肯定するのか」

前回記事でも述べているが、筆者は不倫という行為を決して肯定していない。言うまでもなく、理性的・倫理的な行為ではないというのが実感だ。一方で不倫は突き詰めれば当事者及び関係者の問題であって、無関係の第三者がよってたかって何か物申す性質のものだとは考えていない。仮に長年のファンが失望感を覚えたとしても、「芸能界から消えてしまえ!」と執拗に罵詈雑言を浴びせるのは行き過ぎのように感じている。

コメント2「不倫をしたベッキーさんを擁護するのか」

全文をよく読まれてからコメントいただきたいが、筆者はベッキーさんを擁護しているわけではない。不倫「疑惑」という段階で(本件はLINEのやりとりを盗み見た第3者からのタレこみが情報源となっており、現時点で本人たちも不倫をしたとは明言していない。よって、まだ「疑惑」の段階であり不倫があったとはだれも断定できていないはずである)不特定多数の人間が、疑惑の段階で、徹底的な人格攻撃を行うことについての危険性を論じているだけである。自分の主張と切り口が違う記事について、条件反射的に「反論だ!擁護だ!」と捉えることに、筆者は危険性を感じるのである。

コメント3「被害者は男性の妻ではないか。妻の心身の健康はどうなってもよいのか」

第一の被害者は男性の妻であることは前回記事中に明記している。併せて、スポンサー等の関係者もまた広義の被害者であることも付記している。前回記事においてはベッキーさんの心身の健康について、また過剰な非難が人を死に追いやることの危険性を中心に論じているが、当然に男性の妻の被害者性を否定するものではなく、法的にも心理的にも適切なフォローが必要であることは言うまでもないだろう。上述の議論と重複するが「ベッキーさんをかばっている→男性の妻はどうなってもいいと言っている」というような反射的な思考こそが、大変危険な気がしてならない。

その他、「お前は不倫当事者の気持ちがわかっていない」「お前の妻が不倫しても、不倫相手のメンタルを心配するのだな」等、様々なコメントが寄せられているが、その数も膨大であり、かつ逐一の議論を要するほどでないものも多数あるため、すべてについて見解を示すことは差し控えたい。

■あなたの怒りはどこへ向かうのか

今回のコメントを拝見すると、ベッキーさんへ向かう怒りの何割かが筆者に向かったと思われるものが多かった。面喰っている、というのが正直な感想だ。

それにしても、ベッキーさんや不倫相手とされる男性歌手に対する怒りのエネルギーはすさまじいものだ。中には「お前なんか死んでしまえ」と言わんばかりの内容すらある。目を覆いたくなるような記述も目立つ。

確かに、不倫という事実があったとすれば、社会的な制裁や批判を免れるものではないだろう。特にイメージで売っている芸能人であれば、なおさらだ。ただし、一義的に批判をすべき関係者とは、裏切られた配偶者や金銭的な損害を被るスポンサーなど、限られたメンバーになろう。いかに芸能人相手とはいえ、不特定多数の無関係者が石を投げ、鞭で打ち、健康を害するような状態まで追いやるようなことは、許されるものではないはずだ。

あなたが怒っていることは、十分伝わった。そしてまた、あなたの望み通り、ベッキーさんは当面の間かもしれないが芸能界から姿を消すことになった。ただ、これであなたは満足されるのだろうか。もしかすると、既に次の「怒りの対象」を探しているのではないか。

多くの怒りの対象とされ、バッシングされる側も生きた心地がせず不健全だが、常に何かに怒っているあなたの状態も、また不健全であるとは言えないだろうか。社会に様々な悪が存在するとはいえ、必要以上にそれらに対して怒りのエネルギーを費やしているならば、そのエネルギーの何%でも何かしらの活動に充てることができれば、世の中はもっと住みやすくなると思うのだが。

【参考記事】
■それでも、不倫疑惑タレントを「抹殺」してはいけない。(後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/47561520-20160119.html
■「年も明けたし、何か資格を取ろう!」と思ったあなたに伝えたいこと (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/47304400-20151223.html
■「未達成感」が育児ストレスを増大させるのでは。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/47075444-20151202.html
■元猿岩石芸人から学ぶべきスキルとは (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/46884848-20151113.html
■「俺、メンタル的にヤバいかも・・・」と思ったら。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
http://sharescafe.net/46714386-20151027.html

後藤和也 産業カウンセラー キャリアコンサルタント

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