記事
  • LM-7

綺麗にカテゴライズされる日本のオタク市場

矢野経済研究所は「オタク」市場に関する調査結果 2015を公開した。本調査における「オタク」市場とは、一定数のコアユーザーを有するとみられ、「オタクの聖地」である秋葉原等で扱われることが比較的多いコンテンツや物販、サービス等を指すようだ。

オタク市場概況


オタク市場概況をTreeMapにしたものが次の図である。面積が市場規模、色は前年比成長率を表わす。市場規模の大きさで言えば、アイドル、同人誌、AV(アダルトビデオ)が三強となる。アイドル市場が前年比37.4%、トイガン・サバイバルゲームが前年比10.8%の成長率となっている一方、アダルトゲーム、恋愛ゲームの市場縮小が目立つ。

オタク市場概況

オタク一人あたりの年間消費金額と一世帯当たりの平均年収額を散布図にすると、オタク市場はいくつかのグループに分類できる事が分かる。なお、円の大きさは消費金額、色は年収に対する負担率を表わす。

オタク一人あたり年間消費額

I.鉄道模型市場

最も世帯収入が高いのが鉄道模型だ。平均年収額はおよそ700万円に達し、全国平均と比べてもかなり高い。公開された調査結果には含まれていないが、おそらく平均年齢も高いのだろう。それなりの年収をもつ大人が嗜む趣味、鉄道模型はそうしたポジションにあるのだろう。

II.アイドル市場

最も消費金額も世帯収入に対する負担率も高いのがアイドル市場だ。グッズの購入に加えて、ライブ参加などのサービス費用が含まれることが消費金額を押し上げているのだろう。鉄道模型と比べると年収は8割にも拘らず、支出は1.5倍、負担率は2倍弱だ。それだけ無理しているといえるだろう。

ただしトップのアイドル市場でも年間平均消費金額は74,225円、月額にすると6,000円強に過ぎない。今回公表されているのは平均値だが、中央値や最頻値を取るとまた違うのだろうか。昔からある車やカメラ、オーディオといった趣味に比べて、オタクの趣味は総じてお金がかからないのではないだろうか。

III.コスプレ衣装市場

低い年収にも拘らず鉄道模型と変わらない支出を行っているのがコスプレ衣装市場だ。コスプレ衣装にかかる費用に加え、イベント参加の遠征費等がかかる事が消費金額の多さにつながっているのだろう。

IV.トイガン・フィギュア・プラモデル・ドール等

これらに共通するのは購入対象がハードウェアである点だ。次のソフトウェアに比べて若干年収も支出も多くなっている。中でドールだけが若干年収が高く支出が低いところに位置している。年収が高いことから年齢層が若干高めであると考えられる。

V.同人誌・アニメ・漫画・アダルトゲーム・恋愛ゲーム・AV・BL等

これらに共通するのは購入対象がソフトウェアである点だ。消費金額も年収も最も低い。ソフトウェアは形が無いのでハードウェアが絡む趣味に比べて低コストで楽しめるというメリットがあるのだろう。またこのカテゴリには低年齢層が相当数含まれている事が推測される。それにしてはアダルトゲームやAV等性的な娯楽がこのカテゴリに集中しているのも気になるところだ。

このカテゴリに属する趣味は互いに密接な関連性を有しており、特に一人で複数嗜むことが多いと考えられる。3つもこのカテゴリの趣味を持てば、最も支出が多いアイドル趣味と並ぶ支出となる。もっとも他のカテゴリに属する趣味も複数掛け持ちということは充分あるだろうし、オタク一人あたりの実質消費額は実質数倍になるのではないか。

現在のオタクのカタチ


オタクという言葉からはネガティブなイメージは薄れつつあり、オタクはもはやマイナーな存在ではなくなっている。町おこしの担い手としてアニメが脚光を浴びるなど、経済に与える影響も徐々に大きくなってきている。

本調査に関連した消費者アンケートによれば、「オタク」を自認する、もしくは第三者から「オタク」と認知されている層は全体の21.1%(既婚者が37.9%、未婚者が62.2%)。今や5人に1人がオタクであり、一つの趣味につき年間数万円を支出する。総じて慎ましく金遣いが荒いわけではない。そうした現代のオタク像が見えてくるようだ。

あわせて読みたい

「オタク」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    働く人を追い込む10の有害な環境

    フォーブス ジャパン

  2. 2

    流行語大賞"神ってる"の謎を解明

    永江一石

  3. 3

    GPIF2.4兆円黒字 民進党の対応は

    吊られた男

  4. 4

    男の"かっこ良さ"が終わるとき

    ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)

  5. 5

    小池知事、記者の質問に"失礼"

    THE PAGE

  6. 6

    優先席"譲るべき"という人が減少

    キャリコネニュース

  7. 7

    推進派でも戸惑うカジノ法案審議

    木曽崇

  8. 8

    通勤ラッシュが増えている理由

    山本直人

  9. 9

    退職のきっかけ 年代別の1位は

    キャリコネニュース

  10. 10

    やってはいけない自己PR5選

    フォーブス ジャパン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDまたはYahoo!IDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。