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内田樹さんとの対談本「『意地悪』化する日本」ご紹介

内田樹さんとの対談本「『意地悪』化する日本」のご紹介
是非、お読み下さい!

内田 日本経済を長期的に考えたら、正規雇用の拡大と健全な中産階級の育成が必須であることは誰だってわかるんですけれど、そんな悠長なことをする気は全然ない。安倍さんは株価が改憲まで持てばそれでいいんです。その後は株価なんてどうなろうと知ったことではない。この国は今、ある種の独裁政権を目指しているわけですから。アメリカの信頼も、財界からの支持も、あるいはナショナリストのネトウヨからの支持であっても、とにかく改憲まで何とかだましてつなぐ。あと二年ぐらい政権が持てば、自分の望みはすべて叶う、その後はもう日本経済がどうなろうと、日米関係がどうなろうともう知ったことじゃない。安倍さんはそう考えている。
 改憲して、戦争が始まって、自衛隊に死傷者が出てしまえば、もう政府の政策に反対することは物理的に不可能になります。国民はメディアに煽られて戦争に熱狂して、戦時内閣に対する批判は「非国民」として暴力的に弾圧される。そこまで持ってゆけば、安倍さんにとっては「安全圏」なんです。次の「敗戦」までは、この国を独裁的に支配できる。
 だから、改憲まで行かせないことが何よりも重要なんです。安倍内閣の支持基盤は実際にはきわめて脆弱です。国内の支持者のほとんどは「気分」的に安倍さんを支持しているだけです。

福島 今年九月の自民党総裁選で続投が決まったので、安倍総理はさらに三年間の任期を持ちました。来年の参議院選挙後、憲法改正の発議をすると言っているわけですから、このプログラムをどうやってぶち壊すかが大切です。

福島 ナチス・ドイツの学校用教科書は、例外なく貧弱な語彙と平易な構文によって作られていたと『永遠のファシズム』に書いてあります。だから私たちは、ファシストが貧弱な語彙と平板な言葉を使っているのを真似てはいけません。紋切り型ではない、罵倒型ではない、豊かで詩的な、チャーミングな言葉を使わなくちゃいけないんです。SEALDsの学生さんたちの言葉はまさにそうだと思います。
 敵が狭量だと、敵と戦っているうちについついこちらも狭量になったりする。いずれにしても、ニュースピークとの戦いが、これからのファシズムとの戦いかもしれない。
内田 「正直・親切・愉快」に、というのは中村天風先生の言葉ですけれど、これが大切なんじゃないかな。 正直に、親切に、愉快に、あたたかい声で、情理を尽くして、何とかして相手を説得するという構えをとること。それが結果的には一番効率的じゃないかと思います。
福島 過剰で大げさなこけおどしの言葉ではなく、誠実な言葉を使わなければいけないんですよね。

福島 SEALDs やママの会が登場する前は、確かに「意地悪」化する社会だったかもしれません。ですが、私は今、戦争法が強行されてすごく残念ではありますが、希望を感じています。国会の内と外がつながって、野党議員は決して孤立しているわけではないと実感できています。
内田 そうです。希望があります。
福島 これからどんなことが起こるのか、楽しみですね 。
内田 社会の激動期を生きるのは、楽しいことですよ 。
福島 とにかく戦争はさせない。人を死なせない。「正直・親切・愉快」に、真実と事実に基づいて、
希望を持って生きてゆきたいです。

*岩波書店から、全国の書店で販売中です(1600円・税別)

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