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Netflixの破竹の勢いは国境を超えて続くのか

定額動画ストリーミングで世界最大の契約者数を誇り、快進撃を続けるNetflixが、年初の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、ずいぶん派手に世界戦略をぶちあげたようです。はたして、思惑通りに世界制覇が進むのでしょうか。案外見えない高い壁が存在しているように感じます。
ネットフリックスがCESで発表した世界制覇戦略:日本経済新聞[有料会員限定記事]

こういった映画やドラマのコンテンツのストリーミング・サービスのグローバル展開を行うためには、映画やドラマなどのテロップや吹き替えでそれぞれの地域の言語化を行う必要があるだけでなく、やはり地元のコンテンツ、日本なら邦画や日本の放送局の人気ドラマのラインアップも必要になってきます。

実際、一般社団法人日本映像ソフト協会が消費者を対象に行った、ビデオソフトの視聴ジャンルの調査でも、洋画と邦画が拮抗しており、また日本のアニメ、海外のドラマ、日本のドラマはいずれも欠かせません。
ビデオソフトの購入、レンタル、有料動画配信サービス利用者の視聴ジャンル(複数回答)
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映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査2014

Netflixは、現在は17カ国の言語に対応していますが、それが、英語だけのサービスに限定して、一気にトルコやロシア、ポーランドなど130カ国に進出するというのです。しかし、英語だけでどれだけ契約がとれるのでしょうか。かなり疑問です。

しかし英語に限っているのは、おそらく現地化のコストがかなり高く、また現地のコンテンツを集めるためのコストも馬鹿にできないからではないかと思います。

実際、Netflixは新規契約数も売上も順調に伸ばしているのですが、同社が発表した2015年7-9月期決算結果と10-12月期の予想では、事業セグメント別の収支を見ることができ、海外事業は赤字状態だということがわかります。

同社の2015年通期予測では米国売上が41.8億ドルで、13.7億ドルの利益ですが、海外事業は売上が19.5億ドルで、3.4億ドルの赤字です。

海外に成長の機会を見出すのは自然な流れだとしても、ひとつはコスト高になるという問題と、もっと重要なことは結構手強いライバルがあらわれてきているという問題が新たに起こってきています。

日本で言えば、まだ市場が黎明期に過ぎないにもかかわらず、dTVやHULUがあり、アマゾンが参入し、その他の有料や無料サービスも含めて群雄割拠の状態です。「われわれは(大作主義で)ハリウッドと戦うつもりはない」とNetflixはしていますが、同じ土俵での競争がすでに起こっているのです。

Netflixは、リコメンデーション機能が武器だということですが、実際に使ってみると、どうも今一つで、他のサービスよりも優れているという感じがありません。それよりは、dTVがタイミングよく、年末年始に、スターウォーズの1作目から6作目を契約者には無料で提供していたり、日本のテレビ番組ではラインアップが優れているように思います。しかも料金では、dTVやアマゾンのほうが安いので結構日本では苦戦を強いられるのはないでしょうか。

他の国の状況はわかりませんが、アメリカでの破竹の勢いがすんなり海外でも続けることができるかといえば、かなり疑問に感じてしまいます。

ただ各サービスともに、動画ストリーミング配信のコンテンツのラインアップも厚くなり、また競争も始まったので、認知も広がり、今後は契約者数も伸びてくるとは思います。テレビそのもののスイッチをほとんどいれなくなった若い世代をどう惹きつけ、有償のサービスに契約してもらうのかの課題はまだ残っています。モバイルが鍵になってくるのでしょうが、どうなっていくのかが楽しみです。

動画のストリーミングで気をつけたいことといえば、延々と続く米国のドラマなどを見始めると、レンタル店にまた借りに行く手間がないために、ついつい先が気になり、ストリーミング漬けになってしまいかねないことです。これは実感です。

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