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ドローンが変える米空軍の文化、下士官も操縦士に

 ここ数年、米空軍ではドローン(無人機)需要の高まりを受け、「パイロット文化」が変化を余儀なくされている。航空機のコックピットではなく、砂漠に配備されたハイテクトレーラーの中から遠隔操作でドローンを操縦するパイロットが増えている。彼らの白いスカーフは家に置かれたままだ――。

 中東の過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭をはじめとする様々な脅威を背景に、ドローンとそのISR(情報、監視、偵察)活動への必要性が一貫して増すなかで、米空軍はさらなる文化的変革に乗り出した。一部のドローンを対象に、将校(士官)だけでなく、下士官にも操縦を初めて認めることにしたのだ。

 米空軍はこれまで、ドローンのパイロットにも将校の階級を義務づけてきた。だが今月、米空軍のデボラ・リー・ジェームズ長官は 攻撃能力を持つ主力の「MQ-1プレデター」と、その性能を向上させた改良機「MQ-9リーパー」などのドローン操縦員を対象に、規定の一部を緩和する方針を明らかにした。

 下士官にもドローンの操縦を認めることになるこの動きは、以前から予想されていたものだった。ジェームズ長官はほんの小さな第1歩を踏みだし、来年までに下士官による偵察機「RQ-4グローバルホーク」の操縦が可能になると発表した。全長50フィート(約15メートル)の同偵察機は1機が1億3000万ドル(約156億5000万円)だ。

 これはドローン操縦で下士官がこれまでより大きな役割を担う道を開く動きだと政府関係者は言う。

 ジェームズ長官は最近のインタビューで「私が知る限り、下士官は適切な訓練を受けさえすれば、あらゆることができる」と述べた。

 限られた数のドローンパイロット(全員が士官)がより多くの作戦に駆り出されるようになり、米空軍は能力の保持やモラル面、訓練面での課題に直面することになった。また、今回の動きは防衛費の削減と人員カットに米軍が取り組む中で発表された。 

 一方で、下士官へのパイロット職開放の動きには抵抗もあるようだ。志願者を引きつけることにすでに苦労している空軍で、下士官がドローンを操縦するようなことになれば、職務に対する人々の敬意がさらに薄れかねないと指摘する声が関係者の中から出ている。

 士官たちの多くはF-15 やF-16、もしくはより新しい戦闘機の操縦を夢に描いて空軍に入隊する。だが、イラクやアフガニスタンの戦争に加え、北アフリカやさらに遠くの東南アジアでの作戦により、ドローン操縦員の需要が大幅に高まった。こうした土地への地上部隊の派遣があったとしても非常に少なくなるなか、ドローンの必要性は高まるばかりだった。今や軍の司令官のほぼ全員が、ドローンの能力向上が不可欠だと口をそろえる。

 米空軍は近年、F-16戦闘機など従来機の操縦資格を持っているパイロットたちをラスベガスから約80キロ離れたクリーチ空軍基地などにある暗い建物に押し込め、イラクやアフガンの上空に遠隔操作でドローンを飛行させてきた。

 米空軍の航空戦闘司令部(ACC)で報道官を務めるショルティス大佐は「需要が減退せず、一方で軍の規模を抑える圧力を受け続けるのであれば、別の方法を検討しなければならない」と話す。「(偵察機の)グローバルホークの操縦を下士官のパイロットに認めるというこの一歩がそれだ」

 現在、MQ-1とMQ-9のドローンパイロットは約970人、RQ-4は約200人いる。

 米空軍は向こう半年の間に給与体系などを整えていく見通しだ。空軍の報道官は電子メールの中で、「持続可能な職務の領域を維持するため、適切な報酬について検討を続ける」方針を明らかにした。

 デービッド・デプチュラ元空軍中将は適切な訓練を受ける限り、下士官にドローン操縦の職務を開放することに賛成だと話す。2010年に退任するまで、デプチュラ氏はISR(情報、監視、偵察)の活動本部を率いていた。在任中は高中高度ドローンの操縦員の需要が650%増えたと指摘する。

 デプチュラ氏はまた、下士官に門戸を開くことは空軍将校が有人機の操縦に戻るひとつの方法であり、戦闘機パイロットのイメージとそれに伴う全ての魅力を回復することだと言う。「自尊心のあるパイロットは誰も白い絹のスカーフを巻いたりしない」と冗談を飛ばした。

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