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米国でコンピューター科学が小学校の科目に?

米国の教育制度に関わる超党派の法案が10日、オバマ米大統領による署名を経て法律として成立した。これはテクノロジー業界にとって朗報だ。コンピューターサイエンスが算数・数学や英語(国語)と同じくらい重要な科目として位置づけられたためだ。法律を踏まえて、コンピューターサイエンスを科目として教える学校が全米各地で増える可能性が出てきた。

 初等および中等の教育制度を扱うこの新たな「Every Student Succeeds Act(児童生徒が全員成功する教育法)」が定める包括的な科目構成の定義にコンピューターサイエンスが含まれた。州や地域の行政当局にしてみれば、他の科目と同様に連邦予算が振り分けられる対象になったということだ。

 ハイテク分野の起業家で、教育関連の非営利団体「コード・ドット・オーグ(Code.org)」を設立したハディ・パルトビ氏は電子メールに、「今週は米国の学校のコンピューターサイエンスにとって重要な分岐点となった」と記した。「わずか2年の間に、この分野はすべての大都市の100近くの学区で受け入れられた。連邦政府がついにこの分野を基礎学習科目として認識したことは素晴らしい」

 同法は恒常的に人材不足に直面しているテクノロジー企業に恩恵をもたらす可能性がある。アルファベット傘下のグーグルやマイクロソフトなどは、コンピューターサイエンスを学校の授業に組み込むようロビー活動を行ってきたコード・ドット・オーグを支援してきた。

 教育カリキュラムや指導者向けの支援に関する条文の中に、コンピューターサイエンスは特別に言及されている。例えば、科学や数学の教員と同様に、コンピューターサイエンスの教員に対しても、専門的能力の開発機会が平等に与えられることになる。

 パルトビ氏は、この新たな認識が浸透効果をもたらす可能性は高いと話す。「資金調達や専門的能力の開発に与える影響だけでなく、連邦レベルが考える包括的教育の基準を設定することになる」。州は必ずしも連邦の基準に従う必要はないものの、多くの州が連邦法の一字一句をコピーしたと言う。

 この法律は13年間運用されてきた「落ちこぼれ防止法(NCLB)」に取って代わるものであり、全米各地の学校でコンピューターサイエンスが科目として採用され、ひいてはこの領域に明るい卒業生がより多く輩出されることが期待されている。コード・ドット・オーグによると、コンピューターサイエンスを教えている学校は4校に1校の割合しかなく、全50州のうち27州では数学もしくは科学の履修要件にコンピューターサイエンスを当てることができない。

 労働市場では技術をもったプログラマーの需要が増えている一方、供給が追いついていないのが現状だ。コード・ドット・オーグによると、全米でコンピューター関連の求人は60万件超ある。だが、コンピューターサイエンスの学位を持って就職した人は昨年、わずか3万8175人だった。

By YOREE KOH

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