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「ホームレス」メディアが次のトレンド!?

<The Rise of ‘Homeless’ Media>という見出しにあった「Homeless」に興味を惹かれてMediaShiftの記事を読んでみました。別にホームレスの方が作るメディアということではありませんでした。

自社のホームページに読者を呼び込んで勝負するより、ソーシャルメディアのプラットフォームに記事を丸々提供して、広告収入に繋がる、たくさんのPageViewを稼ごうという動きです。これは、先月、田中善一郎さんのブログ「メディアパブ」で言及されていた「分散型メディア」と同じことでした。

田中さんは、分散型メディアについて「爆発的普及の兆し」と見出しに取り、その内容について詳しく述べられていますので、なるべく重複は避けて、MediaShiftの記事から、ホームレスメディアが次のトレンドになるという筆者の主張をかいつまんで記録しておきます。

田中さんも紹介されていますが、ホームレスメディアの典型例はNow Thisでしょう。ホームページは一応ありますが、そこには<Homepage.><Even the word sounds old.><Today the news lives where you live.>という3行(メディアパブの表現を借用すると「「古い感じのするホームページに来てもらうのではなくて、ユーザーがよく居る場所にニュースを置いておきます」)と、ニュースの置き場所を示すFacebook、Twitter、Snapchatなど8つのソーシャルメディアのロゴの上に<Like & follow NowThis everywhere>とあるだけです。

ちなみに、私もFacebookでNow Thisの配信を受けているのですが、その配信を受けている人数は216万人、Twitterのフォロワーは37万人、Instagramのフォロワーも22万人という具合です。これだけの人が毎日、定期的に何本も見て、シェアして、さらに拡散してくれれば、その影響力は甚大になります。自前ホームページより強力なのは明らかです。

こうして、Buzzfeed、Vice、Voxなどの新興デジタルメディアもあちこちのソーシャルメディアへの露出を拡大しているわけですが、既存メディアもソーシャルメディアへの進出を強化していて、ワシントンポストなども1日1200本に及ぶ全記事をInstant articleを介してFacebookに提供すると9月に発表しましたし、ミレニアルズ世代に大人気のSnapchatのニュースセクションDiscoveryにコンテンツを提供するCNNなどには、そのためだけの専門家チームがあるとのことです。

このように自前サイトで勝負するよりサードパーティのプラットフォームにコンテンツを提供する動きが高まってきたのはなぜか。MediaShiftの記事の筆者は「モバイルとアプリが増大しているからだ」と指摘します。

comScoreのレポートによると、デジタルメディアの消費時間の62%がモバイル機器によるもので、とりわけモバイルアプリでのソーシャルメディアへの接触時間が多いということから、「ユーザーは自分の時間をモバイルでソーシャルネットワークに費やしているのが明らかになっている」という見立てです。

その一方で、ソーシャルメディアでもニュースメディアに対して、簡単にコンテンツを配信しやすい環境や技術支援をする動きもあり、コンテンツがソーシャルメディアのサーバーに格納されていれば、記事の読み込み時間が短縮されてユーザーに歓迎されるという効果も生まれています。また、ニュースメディアにしてみれば、ソーシャルメディアのプラットフォームに参加すれば、膨大なユーザーに出会えるのも魅力です。

かくて、「ホームレスは次のトレンド」という主張なのですが、最後に「もしあなたが、既存メディアの記者なり幹部なら」として、こんな注意喚起が記されていました。

・ホームレスメディアの増大は、転換点はすぐそこで、メディア企業はいかにアプローチすべきかを、経営と編集の両面で理解する必要があることを示唆している。これらの配信チャンネルにどれだけの量、どのようなコンテンツを送るべきか、収入の見通しはどうなるか?

・(自前サイトに)すでに多くの支持者を持っていたとしても、これからは(いいね、シェア、コメントの)Engagementが大事になる。コンテンツの分け方とあらたなユーザーを魅きつけるユニークなプログラムが必要となる。

・ユーザーへのリーチを増大し、自前のコンテンツにイノベーションを注入出来るような特徴のあるより小さくニッチなメディアを獲得するか提携すべきだ。

・外部のプラットフォームとの関係を開発し、そのプラットフォームの番組のひとつに組み込まれるために戦略的提携を考えるマネージャーを採用すべきだ。

ーーーデジタル時代のメディア企業、「いいコンテンツを考えれば道は開ける」、なんてことだけではとても間に合わない、大変な時代です。

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