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テロに覆われる世界

フランスでISによると見られる同時多発テロが発生し、100名以上が死亡する事態に陥っている。フランスは全土に非常事態を宣言、国境を封鎖した。厳戒の中トルコで開幕したG20は、テロを非難し団結して立ち向かうことを宣言する特別声明を採択する見通しだ。

安全な日本にいると気づきにくいが、近年テロは恐ろしいほどの勢いで急速に増加している。本エントリではテロの現状を把握するための基礎データを提供したい。1968年から2008~9年までのテロ事件をまとめたRAND Database of Worldwide Terrorism Incidentsに基づき、世界のテロ事件の様子を可視化したのが次のマップである。赤が死者、青が負傷者を表わす。近年、欧州、イラクを初めとする中東、アフガニスタン、インド、米国、コロンビアあたりが赤に染まっている事が一目瞭然だ。世界はテロの渦に巻き込まれつつある。




日本では1995年にひときわ大きい青い円が見える。文字通り世界を震撼させた地下鉄サリン事件だ。それ以外には幸いにして日本はテロ渦からは逃れている。少なくとも今のところは。

米国で9.11が発生した2001年には欧州、中東でテロが多発していたことが分かる。当時の世界状況を考えれば、米国本土への攻撃は時間の問題だったと言えるだろう。まさに今の状況と瓜二つだ。今回のテロはフランスにとっての9.11なのだ。


次のVizは国、年毎にテロ事件の一覧を取得できるようにしたものである。一番上の地図から国を選択すれば、その国のテロ事件における被害者数の推移、事件一覧を見ることができる。さらに中段のグラフから年を選択すれば、その年だけに絞って見ることができる。気になる国や年を確認してほしい。なお、2009年の被害者数が著しく少なく見えるが、これは2009年のデータセットが不完全である理由によるもので、急に世界が安全になったわけではない。


日本を選択すると、1969年から2005年までの日本におけるテロの死者数は19人、負傷者数は5,107人であることが分かる。内、地下鉄サリン事件の死者数が12人、負傷者数が5,000人という事を考えれば、地下鉄サリン事件を唯一の例外として、日本ではほとんどテロによる被害者が出ていない事になる。世界的に見ても幸運な例外であると言える。

RAND Database of Worldwide Terrorism Incidentsには2009年以降のデータが無いので、米国務省のテロ年次報告書に基づき、近年のテロ事件発生数、被害者数の推移を見てみよう。カウント方法が異なるため、先のデータとは直接比較出来ないことに注意してほしい。


テロ事件発生数は2012年に一旦底を打った後、ISなど過激派の台頭により2年連続して増加している。2014年のテロによる死者数は前年と比較して8割増の32,727人、人質の数は3倍増の9,428人に上った。2014年には95カ国で13,463件のテロ事件が発生したが、死者数の75%はシリア、イラク、ナイジェリア、パキスタン、アフガニスタンの5カ国で占められていた。

2014年時点でISによるテロの死者数6,286人で前年の1,752人を大きく上回っていたが、今年に入ってその矛先がいよいよ本格的に世界に向いてきた。先日のロシア航空機の墜落はISによる爆弾テロである可能性が濃厚だし、今回のパリの同時多発テロでもISが犯行声明を出している。

まさに今世界はテロに覆われようとしている。日本がいつまでもテロと無縁でいられると期待するのは楽観的すぎるだろう。

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