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マイナンバーを人に教えると、プライバシーはどこまでバレる?

文=ジャーナリスト 村上 敬 答えていただいた人=弁護士 水町雅子 図版作成=大橋昭一

マイナンバーを他人に知られるのは危険?

マイナンバーは新しい制度ゆえ誤解も多いようだ。たとえば「マイナンバーを他人に知られるとプライバシーが筒抜けになる」というのも、よくある誤解の1つだ。

マイナンバーは行政機関などに散らばる個人情報の名寄せに使われるが、あらゆる個人情報と紐づけられるわけではない。水町雅子弁護士は解説する。

「マイナンバーと紐づけていいのは、社会保障・税・災害対策分野のうち、法令に明記された事務で取り扱う個人情報だけ。たとえば、借金額や詐欺被害歴などの情報と紐づけることは法律上許されていません」

マイナンバーと紐づけられる情報には制限がある

社会保障や税関連の情報と紐づくので、マイナンバーから所得額や生活保護受給歴などをたどられるおそれはある。ただ、過剰な警戒は不要だ。マイナンバーに紐づく情報を入手しようと思えば、行政や民間企業のシステムをハッキングしたり、システムにアクセスする権限を持つ者から個人情報を不正取得する必要がある。逆にいえばハッキングや従業者による不正リスクは残ることになるが、以前から行政や民間企業はさまざまな個人情報を管理しており、同様のリスクは存在していた。マイナンバー導入でリスクが従来より高まるわけではない。

もちろんリスクが変わらないからといって、気軽に人に教えていいものでもない。

「マイナンバーからプライバシーが洩れて被害に遭うリスクが高いわけではないですが、自衛するに越したことはない。そもそも自分のマイナンバーを教える必要があるのは自分の勤務先と公的機関くらい。それ以外は教えないほうがいい」

「副業が会社にバレる」は本当か

最近よく聞く「マイナンバーが始まれば副業が会社にバレる」という話も、鵜呑みにしないほうがいい。副業が会社にバレるのは、マイナンバーのせいではなく、本業と副業の給与から算出された住民税額が、自治体から勤務先に通知されるからだ。一般的に副業社員の住民税額は、同じ給料を支払っている他の社員より高くなる。それで勤務先は社員の副業に気づくわけだ。

以前は、それを回避する方法もあった。住民税を会社で天引きする「特別徴収」ではなく、自分で確定申告して「普通徴収」で納めれば、勤務先に内緒にできた。ところが近年、自治体によっては、給与収入については普通徴収を認めない方向にあるのだ。しかし、この流れは、マイナンバーと関係がない。きちんと納税している人にとって、マイナンバーがあってもなくてもリスクは同じなのだ。

もっとも、副業の収入を脱税していた人がマイナンバーによって税務署に捕捉され、その結果として住民税額を通じて会社にバレることはありうる。これは会社にバレる以前の問題で、そもそも脱税していたことが悪い。マイナンバーのせいにせず、適切に納税することが大切だ。

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