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マイナンバーは一生変えられないの?

こういう言説はあちこちで見かけるのだが、マイナンバーに特に詳しいわけではない私でも疑問を禁じ得ない。

「サイバーセキュリティに詳しい会津大学特任教授」だという山崎文明という方が、以下のように書いている。

マイナンバーが怖いのは“一生変えられない”個人番号であること。本来なら漏洩事件が起きた際に、すぐ番号を変更できるルール作りをしなければいけないのに、政府は『マイナンバーの情報漏洩は起こらない』の一点張りでまともに議論していない。

マイナンバー制度を狙う中国…一生番号を変えられない点に問題もより

そうなんですか?

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に聞いてみよう。

マイナンバー法7条2項には以下のような規定がある。

市町村長は、当該市町村(特別区を含む。以下同じ。)が備える住民基本台帳に記録されている者の個人番号が漏えいして不正に用いられるおそれがあると認められるときは、政令で定めるところにより、その者の請求又は職権により、その者の従前の個人番号に代えて、次条第二項の規定により機構から通知された個人番号とすべき番号をその者の個人番号として指定し、速やかに、その者に対し、当該個人番号を通知カードにより通知しなければならない。

これを見ると、どうやら個人番号=マイナンバーがその本人を特定する情報とともに漏洩したとしても、「不正に用いられるおそれがあると認められる」ことを要件として、新しい個人番号に変えてもらえるようなのだ。

政令には、請求により番号を変えてもらうには「その者の個人番号及び当該個人番号が漏えいして不正に用いられるおそれがあると認められる理由その他総務省令で定める事項を記載した請求書」が必要とされており、一応漏えいした場合の不正利用対策として、制度的に番号の変更が予定されている。

しかし、他方でマイナンバーは一生変わらない番号だということがあちこちで言われていて、上記のような変更の可能性というのは広報されていない。
内閣府のマイナンバー関係サイトには、「マイナンバー社会保障・税番号制度概要資料.pdf」というのが「制度全般の資料です。制度内容について詳しく記載されています」との触れ込みで掲載されているが、上記のような変更可能性は目立っていない。ただし、最初の方に「盗用、漏洩等 の被害を受けた場合等に限り変更可(第7条第2項)。」と書かれているので、これを見れば一応分かるようになっている。
ただし、漏えい懸念に対する具体的な説明の部分には、制度面による保護措置でもシステム面での保護措置でも、上記の変更可能性は書かれていない。

かえって広報資料のサマリー版.pdfにはマイナンバーは一生使うものですと大書してある。

かくして情報セキュリティーに詳しい会津大学の先生でも誤解するに至ったということなのかもしれない。

それでも「政府は『マイナンバーの情報漏洩は起こらない』の一点張りでまともに議論していない」というのは記事としてもコメントとしてもどうなのか、疑問は禁じ得ない。

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