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デルがEMCを670億ドルで買収 過去最大のテクノロジーM&A

非公開企業のデルがデータ・ストレージ大手、EMC(ティッカーシンボル:EMC)を670億ドルで買収すると発表しました。これはテクノロジーのM&Aとしては過去最大です。

EMC株主は24.05ドルのキャッシュと、VMウェア(ティッカーシンボル:VMW)のトラッキング・ストックを受け取ります。

デルは既に大きなサーバの部門を持っており、EMCのVMウェアのビジネスとのシナジーは大きいです。両社が合併することによる売り上げ面でのシナジーは少なく見積もっても10億ドルと言われています。またコスト削減の面でのシナジーも大きいと予想されます。

今回の買収に際してデルは新たに450億ドルもの新規の負債を抱え込みます。銀行のシ団は、すでにつなぎ融資のコミットメントをしています。ゆくゆくこの融資は投資適格の社債を発行することで借り換えされる見込みです。



デルとそのパートナーであるプライベート・エクイティ・ファンドのシルバーレイクは35億ドルにのぼるエクイティを供出します。この投資グループにはシンガポールのテマセクも含まれています。

デルのアドバイザーはJPモルガン、EMCのアドバイザーはモルガンスタンレーです。

さて、ここからは僕の考えですが、今回のディールで特に目を引くのは450億ドルという新しい借り入れがなされる点です。融資するJPモルガンをはじめとする銀行団は、ウハウハだと思います。

普通、テクノロジーのセクターは技術の流行り廃りが激しいので、長期の借入には向かない産業だと言われています。しかしシルバーレイク・パートナーズは技術評価する能力がとりわけ高く、長期に渡って、或る技術の価値が、どのようなカーヴを描いて減価してゆくか? ということを予測できます。そのノウハウがあって初めてテクノロジー・セクターでのレバレッジド・ディールが可能になるというわけです。

さて、連邦準備制度理事会(FRB)の立場からすると、彼らが観察しているのは、今回のようなディールの発表です。なぜなら大胆な借入は、信用サイクルのピークで行われやすいからです。

過去の信用サイクルでは、不況の後、企業はキャッシュを温存する傾向がありますが、経済が癒えるとともに自社株の買戻しや借金によるM&Aが増えることが知られています。そして借入による設備投資が景気拡大サイクルの頂上近くで増加するのです。

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今回のサイクルでは借入による設備投資は未だ少ないです。これを(まだ好況はずっと続く)と解釈するか(ネット経済の進行やクラウドの普及などにより設備投資の在り方自体が変化した)と解釈するかによって評価は分かれてきます。

しかしいずれにせよ信用サイクルのこの局面でFRBがゼロ金利を続けているのは、メリットよりもデメリットの方が大きくなり始めているのかも知れません。

その意味で今日のデル→EMCのディールは、ひとつの分水嶺になったと思います。

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