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「施設養護VS家庭養護」コスト比較して見えてくるもの

2日連続のノーベル賞受賞報道は、どれほど日本国民にとって励みになったことでしょうか?
ことに医学生理学賞を受賞した北里大学大村智特別栄誉教授「とにかく人にためになることばかりを考えていた」というシンプルな言葉は世界中の人々の胸をうったことと思います。熱帯地方の風土病の治療に貢献し年3億人の失明の危機を救ったその地道な熱意の根底には、東京都立(!)墨田工業高校定時制の教員時代に遭遇した仕事を終えた油まみれの手で勉学に励むひたむきな生徒達の姿があったとのことです。

大村教授の
「とにかく科学者は人のためにならなきゃだめだ」

これは転じて
「とにかく政治家は人のためにならなきゃだめだ」

されに
「とにかく役所は人のためにならなきゃだめだ」

そーです!お姐の持論「人の役に立つからお役所です!」

というわけで、地域住民のお役に立つ役所かどうか、しっかりチェックし行政事業をあるべき方向に振り向けてまいることが役に立つ議員ですので、大村教授の原動力となった疫病に苦しむアフリカの子ども達、定時制高校の生徒達のような…「すべての子ども」の幸いを希求・実現すべく児童福祉政策にお姐も取り組んでおります。

 その一環として長期的に取り組んできましたのが、虐待・児童相談所問題、いわゆる要保護児童・社会的養護政策であります。なぜ、施設よりも家庭養護が子どもにとって幸いなのかといえば

「常に同一の養育者と一対一の関係性が結べ安定した心身の生活ができる」

ということなのです。
 もちろん複雑な事情や状況があって、止む終えない場合に一定数の施設は必要です。
しかし、普通に考えて平たく言えば

「子どもにとっては、施設にずっといるよりも、安心して過ごせる家庭や家族がいいに決まってる」
ということでございます、ハイ。(子どもの権利条約20条

この件については、上田の過去の一般質問・過去Blog児童養護施設のノウハウを保育・母子支援ニーズに活かして東京都推進「家庭“的”養護」に要注意。急ぎPT発足!! をご参考にしていただければスッキリ理解できると思います。

 しかし、なかなか、どちらが良いのかの質とかサービスの議論となれば、それこそ理論武装はお得意なお役所は「国は、里親及びファミリーホームを家庭養護、グループホームを家庭的養護としていますが、都は、区別を設けることなく、養育家庭等、ファミリーホーム、グループホームを家庭的養護としている(=東京都は小規模施設養護も家庭的養護にカウントします!)」とシレっと答えてくるわけで、住民代表の議員とは水掛け論、平行線をたどるばかりであります。

 そこで、冷静かつ科学的に判断する手立てはないか…と鑑み、コスト比較をしてみることとしました。

【施設種別 児童一人あたりの予算額】(注)

◆民間(=社福)児童養護施設◆
(社会的養護の必要な児童を養育する施設)
予算額※ 111億313万円
予算規模 2,803人
児童一人当たりの予算額 396万1千円
(※民間グループホームの一部経費を含む。予算規模には、民間グループホームを含む。)

◆民間(=社福)グループホーム◆
(地域の中で家庭的な雰囲気の下、6人程度の児童を養育する小規模施設)
予算額※ 22億4千338万3千円
予算規模  852人
児童一人当たりの予算額 263万3千円
(※民間児童養護施設に含まれるものは除く。)

◆乳児院◆
(社会的養護の必要な乳幼児を養育する施設)
予算額 34億5千609万7千円
予算規模 507人
児童一人当たりの予算額 681万7千円

◆ファミリーホーム◆
(養育者の自宅で5~6人の児童を養育する事業)
予算額 3億5千53万1千円
予算規模 123人
児童一人当たりの予算額 285万円

◆養育家庭等◆
(所謂里親・児童を養育する家庭)
予算額 7億6千3百万9千円
予算規模 419人
児童一人当たりの予算額 182万1千円

注:施設等の種別ごとの児童一人当たりの年間予算については、グループホームの経費や養育家庭を支援する職員を配置する経費を児童養護施設の予算に計上しているため、算出することは困難。仮に、児童福祉法による児童入所施設措置費等の平成27年度予算額を単純に予算規模で除算した額を児童一人当たりの予算額とした。(東京都福祉保健局)

*******

これはすばらしく貴重な資料ですね。いったい誰が取り寄せたのでしょう?!
(お姐による都議会史上過去最多?!103Pにわたる第二回定例会文書質問趣意書からの抜粋です♪)

以下、さらにわかりやすく切り出してみました。

「施設養護」
児童養護施設 約400万円
グループホーム 約260万円
乳児院 約680万円

「家庭養護」
ファミリーホーム 約280万円
養育家庭等 約180万円

この数字が意味するものは…もうおわかりですね。

 施設職員はシフト制ですし交代も退職もあり、個々には愛情をもって接してくださっているのは十分理解するところですが、物理的に常に一定の養育者とはなりえず、ことに乳児院などは夜泣きする赤ちゃんを抱っこする人員確保も難しい状況のなか、里親による養育は乳児院の半分以下の税金の投入にて、特定の保護者が一年365日家庭で養育する…子どもにとっては心身の安心安定が得られ、愛着障害を防ぐ環境を用意できるといえます。

 さらに、新生児から養子縁組をすれば、乳児院680万円がかからなくなるどころか長じて、児童養護施設に行き退所するまでのコストも不要となるということです。もしもここで予算が削減できれば、孤立無援のなか18歳で社会にでなければなならぬ過酷な人生を生きる児童養護施設退所後の若者たちのサポート支援を拡充する方に回せるではありませんか!?

 数字は決して冷たいものではありません。
ここから何が必要なのか、不要なのか、ぜひ皆様で考えていただくきっかけになれば幸いです。
(あわせて読みたい 音喜多駿都議会議員Blog厚労省の大失態!「家庭養護」と「家庭的養護」をごっちゃにしたツケが爆発中

【文書質問通告完了!】
優秀な政調スタッフの奮迅と議会局の協力のお陰様で無事昨日正午〆切の文書質問通告終わりました!
項目は以下の通りです
一 犯罪に関わった被害者・捜査協力者等への対応について
  →乳幼児・子どもを抱えた母親の事案を受けて
二 不自然死等の死体検案について
  →監察医務院の薬物中毒死調査結果をうけて
三 都立学校におけるアスベスト対策について
  →都立高校での工事延期事案を受けて
四 学校保健における精神科医の活用について
  →児童生徒への薬物治療等早期介入の現状をうけて
五 社会福祉法人田無の会に対する行政処分の現状と今後について
  →虐待・事故が繰り返され理事長も交代した障がい者施設定点観測
六 精神疾患患者の特定医療機関への斡旋事案について
  →7月の報道事件を受けて
七 職員のメンタルヘルス対策について
  →都庁幹部職員自殺事案をうけて
八 都の自殺対策について
九 生産緑地ついて
  →のど元過ぎたら草ボーボー!懲りない江戸川区生産緑地事案を受けて
十 調布飛行場について
以上
相も変わらずお姐は、粛々としたお約束の定点観測、勃発する疑義案件には斬り込み、都庁伏魔殿の闇に光を当てております!

【おまけ】
2015-10-04-23-51-00

江戸川でワーキングマザーの仲間入り2015in小岩が、満員御礼で去る10月4日に無事終わりました。今年待機児童は300人を超え、受け皿が増えても追いつかない状況のなか真剣で意識の高いママたちが集まりました。三ヶ所開催にしてからは、こじんまりと個別相談に乗ることができお役に立てたかな、と考えてます。
何より先輩ママのコアな保育園情報提供&共有は大事!
まだ講習会は葛西、船堀と続きます。

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