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日本に住む外国人の国籍別の変化を見てみる

日本に住む外国人の数と中味の変化を見てみる」では、主に「在留資格別」の変化を見てみました。外国人が日本で暮らすには在留資格が必要で、在留資格が日本で暮らす目的や理由に当たるからです。前の記事では、在留資格が「特別永住者」「永住者」「定住者」「日本人の配偶者」「永住者の配偶者」の合計を「永住者等」と呼ぶことにし、それ以外の「長期在留者」を「永住者等以外の長期在留者」と呼ぶことにしました。

そこで今度は、日本で暮らす目的や理由ではなく、「国籍」すなわちどこの国から来ているかについて見てみることにします。2014年12月末現在の「永住者等」と「永住者等以外の長期在留者」の国籍別構成は次のようになっていました。

国籍別在留者数2014 S.jpg
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「韓国・朝鮮」には漸次日本国籍への「帰化」が進んでいる「特別永住者」が含まれているので、近年の国籍別の人の移動を見るために、「韓国・朝鮮」を「特別定住者」というみなし国籍と「韓国」に分けることにしました。厳密にいえば、「特別定住者」には「韓国・朝鮮」以外に「中国」「台湾」「米国」などの国籍を持つ人たちも含まれていますが、きわめて少数(1%未満:数百人)なのでそれは便宜上無視することにします。

また、法務省の統計では、年によって「中国」に「台湾」を含んだり含んでいなかったり一貫性がないので、「台湾」の動きが見られないのは残念ですが、データの連続性を確保するために「中国」と「台湾」が区分されている年はその合計を「中国」とすることとしました。以上の整理を行った上で、2006年から2014年までの国籍別「長期在留者」数の推移をグラフにしてみました。したがって、2014年12月末の数値は上のグラフとは若干異なっています。

国籍別長期在留者数推移2006-2014 S.jpg
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「長期在留者」総数の過去ピークは2008年12月末の2,177千人でした。その後、リーマンショック不況や東日本大震災の影響などで減少し、ボトムの2012年12月末には2,034千人まで減少しました。そこから2014年12月末には2,122千人まで回復しましたが、まだ過去ピークまでには回復していません。

そこで、過去ピーク(2008年末)からボトム(2012年末)までの増減数と、ボトム(2012年末)から近時(2014年末)までの増減数に分けて、国籍別の増減数をグラフにしてみました。

国別増減2008-2012-2014 S.jpg
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2008年末から2014年末までの累計増加数の多い順に上から下に並べてあります。そして、6年間通算でも減少している米国以下にはピンクの背景をつけてあります。総数は、減少期4年間に▲143千人減少し、回復に転じた2年間に88千人増加しましたが、まだ過去ピークに比べ▲55千人少ない状況にあります。

減少の多かった、「ブラジル」「特別定住者(ほぼ韓国・朝鮮)」「韓国」「ペルー」は、いずれも総数ボトムの2012年末の以前も以降も一貫して減少が続いています。この4つの合計で、2008年から2012年の4年間に▲184千人、2012年から2014年の2年間に▲45千人、6年間合計で▲229千人も減少しました。このうち「特別定住者」は、主として日本国籍への「帰化」や死亡によって減少していると考えられるので日本から「出国」して減っているわけではありませんが、「ブラジル」「韓国」「ペルー」は、出国者数が入国者数を大きく上回って僅かではありますが日本の人口減少を加速していることになります。

この背景には、バブル経済期の労働力不足を補うための外国人労働力確保対策として、①日系人(日本人移民の子孫)に特別な在留資格(現在の「定住者」資格)を付与したり、②(結果的には主として中国の貧しい農村部からの)外国人技能実習生に在留資格を付与する、などの政策が行われたことがあります。これらによって、外国人労働者数は1992年(平成4年)までに一気に50万人程度も増加しました。しかし、リーマンショック不況以降は日本国内の製造業の雇用機会が減り、他方でブラジルでは急速な経済成長があったので、2008年末をピークに減少に転じ、2014年末ではピーク時の半数程度にまで減少しています。日系ブラジル人労働者の多くは雇用機会の多い地方の工業都市にコミュニティを形成している場合が多いので、それ以外の土地では増加や減少はあまり実感されない傾向があります。

他方、増加数の多かった、「ベトナム」「中国」「ネパール」「フィリピン」は、総数ボトムの2012年末の以前も以降も一貫して増加が続いています。2008年から2012年の4年間に52千人、2012年から2014年の2年間に100千人、6年間合計で152千人も増加しました。とくに、「ベトナム」60千人と「ネパール」30千人の急増は大きな変化として目を惹きます。

ベトナム」は、人口が1億人に迫る大国で、一人当たりGDPは2,073米ドル(約25万円)という経済発展「離陸中」の状態にあり、日本企業の進出も増えています。他方、「ネパール」は、人口26百万人で、一人当たりGDPが703米ドル(約8万円)という国連の後発開発途上国リストに挙げられる最貧国のひとつで、日本企業の進出もほとんどありません。こういう人たちが、日本社会の発展に貢献し日本社会にうまく溶け込んでいけるように支援するプログラムを整備していくことはとても重要なことではないかと思われます。

<参考>中国の一人当たりGDPは7,589米ドル(約91万円)

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