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安保関連法を日本の平和と人類の普遍的な価値守る礎に

安全保障関連法案が18日、成立する見通しだ。民主、維新、共産、社民、生活の野党5党は成立阻止のため徹底抗戦している。安保法案は、これまで「国際法上保有するが、憲法上行使できない」と解釈してきた集団的自衛権の限定的行使を認めるのが柱だ。

集団的自衛権の行使を認めていないのは世界広しといえどコスタリカと日本(英紙フィナンシャル・タイムズ)だけらしい。しかし日本の防衛は米国による集団的自衛権の行使を前提としているだけに、米国の「核の傘」に守られた「非核3原則」と同じで、集団的自衛権の憲法解釈は上手くできた「だまし絵」だった。

日本の防衛は日米安全保障条約に基づく日米同盟なしでは成り立たない。日本は個別的自衛権だけしか行使できませんというのでは、米国の議会が条約を承認するわけがない。だから「集団的自衛権がまったく行使できません」という方便は、55年体制下の万年野党・社会党対策に過ぎなかった。

中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年の軍事パレードで、移動式の対艦中距離弾道ミサイルDF-26(東風26、射程3000~4000キロ)、「空母キラー」と呼ばれる短距離弾道ミサイルDF-21D(東風21D)が披露された。

沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ第1列島線、小笠原諸島からグアムへとつながる第2列島線で米海軍のシー・コントロール(海上支配)はすでに崩れているという中国側の脅しである。南シナ海では人工島の埋め立てと滑走路の建設が急ピッチで進められている。「海洋国土」として中国の特別な権益を主張するためだ。

尖閣諸島のある東シナ海でも軍事力の均衡が崩れた場合、いつ中国の「海洋国土」化が始まってもおかしくない。米国と中国のパワー・ゲームは過熱している。日本に傍観は許されない。米国としっかりスクラムを組むのが賢明だ。それ以外に選択肢はない。安保関連法の整備はその第一歩である。

民主党の岡田克也代表は鳩山由紀夫首相が等距離の日米中トライアングルを唱えて、領土問題で中国やロシアに揺さぶられたのを忘れてしまったのか。それとも万年野党だった社会党と同じで、政権交代はもう目指さないということか。

岡田代表は外相時代、日本は米国の核抑止力に依存しているにもかかわらず、「米国に核兵器の先制不使用を求める」考えを表明した。そんなことをして喜ぶのは中国と北朝鮮だけだ。安保関連法案の審議では共産党とまで共闘してみせた。中国はさぞ大喜びだったろう。

日米のスクラムが強固になればなるほど、中国はおとなしくなる。逆にスキを見せれば、民主党政権下と同じでどんどん前に出てくる。靖国参拝は論外だが、日米同盟を強化する安倍晋三首相の外交・安全保障政策は間違っていない。

中国が唱える「平和的台頭」は米国とは戦争をしないというだけで、武力を行使しないという意味ではないからだ。

北朝鮮は寧辺(ニョンビョン)に2つ目のウラン濃縮施設を完成させ、稼働させたとみられている。ウラン型だけでも年間3.2 個の核兵器を製造できる能力を獲得した可能性があるということだ。どう考えても日米同盟は強化しなければならない。ミサイル防衛でも水も漏らさぬ日米の結束が必要だからだ。

必要最小限の自衛権を行使できるよう法律を整備する。行使できる能力を保有する。どんな場合に、どのように自衛権を行使するかを判断して、実行するのは最後の段階だ。戦闘はその中でも最後の最後の手段である。武力を行使せずに済むよう、抑止力を高めるのが防衛だ。

日米関係を舞台裏で支え続けた椎名素夫氏(1930~2007年)は父・悦三郎氏の跡を継いで自民党衆院議員になった。生前の椎名氏からこんなエピソードをおうかがいしたことがある。椎名氏は81年、衆院安全保障調査議員団の一員として米アナポリスの米海軍兵学校を見学した。

メモリアルホールに戦死した卒業生800人の名前が刻まれていた。送別の夕食会で、社会党議員(故人)が「わが国が侵略されるようなことがあれば、国民の生命と財産を守るため、私も銃をとって前線に駆けつけます」と切り出した。当時、社会党は自衛隊を「違憲」として認知すらしていなかった。

「まだ、十分お分かりになっていないようですね」と椎名氏は返した。メモリアルホールには「建国の理想を守るために戦死した卒業生に捧ぐ」と刻まれていたからだ。日本にあって中国にないもの、それは自由と民主主義、法の支配である。安保関連法が、そうした人類の普遍的な価値を守る礎となることを願っている。

(おわり)

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