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主張/戦争法案の危険性/沖縄の事故で米追随浮き彫り

 沖縄県での米軍ヘリ墜落、通告なしのパラシュート降下訓練、神奈川県の米軍基地での爆発火災…。相次ぐ在日米軍の重大事故に地元自治体や住民らの不安、怒りが高まっています。ところが、日本政府は、米軍への抗議も、事故原因の独自究明もしようとせず、米国追随の姿勢があらわです。戦争法案をめぐり、政府は、米国から集団的自衛権行使の要請があっても、主体的に判断すると繰り返していますが、それが全く信用できないことを浮き彫りにする、象徴的な態度でもあります。

県民の不安、怒りを無視

 日本共産党の井上哲士議員が参院安保法制特別委員会(25日)で明らかにしたように、沖縄で12日発生した米陸軍特殊作戦ヘリの墜落事故では、漁業者から、墜落現場は米軍ホワイト・ビーチ地区(うるま市)の訓練水域の外だったという怒りの声が上がっています。これに対し、日本政府は「ホワイト・ビーチ水域内だ」(中谷元・防衛相)としつつ、墜落現場の正確な位置さえ明らかにしようとしません。

 今回の事故で米陸軍トップのオディエルノ参謀総長は「一つの事故で大騒ぎをするつもりはない」「残念だが事故は時々起こる」(12日の記者会見)と述べ、沖縄県民の怒りを広げました。多くの自治体が、事故原因と再発防止策が明らかにされるまで事故機と同機種の飛行停止を強く求めていたのに、18日には飛行が再開されました。

 日本政府は今回の事故を「あってはならない」(菅義偉官房長官)とは言うものの、オディエルノ参謀総長の発言にも、飛行再開にも一切抗議をしていません。およそ沖縄県民の不安と怒りを理解しているとは思えない態度です。

 沖縄では、墜落事故に続き、米空軍特殊作戦機が20日に津堅島訓練場(うるま市)水域で6年ぶりのパラシュート降下訓練を無通告で行いました。漁業者の安全確保などのため、7日前までの事前通告を定めた日米合同委員会合意(1972年)に違反した訓練です。

 しかも、沖縄県などは、96年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意で米軍のパラシュート降下訓練が伊江島に集約されることになったのを受け、津堅島訓練場水域では実施しないよう求めてきました。

 ホワイト・ビーチ地区の訓練水域と津堅島訓練場はすぐ近くです。墜落事故が起きたばかりなのに、沖縄県などが中止を求めてきた訓練を6年ぶりに強行し、しかも、事前通告のルールも無視するという横暴勝手ぶりです。

 政府は、無通告での実施は「遺憾」としつつ、「(同水域での)パラシュート降下訓練は禁止をされていない」(中谷防衛相)とし、訓練そのものは容認しています。政府が沖縄県民の側ではなく米軍の側に立っていることは明白です。

日米特殊部隊の一体化

 ヘリ墜落事故に関する井上議員の追及により、新ガイドライン(日米軍事協力の指針)と戦争法案を先取りし、国際法と他国の主権を侵害する、海外での秘密作戦を任務にした米軍特殊作戦部隊と、自衛隊特殊作戦部隊との共同訓練が常態化していることも明らかになりました。

 沖縄県民を危険にさらし、日米特殊作戦部隊の一体化を進める訓練の中止とともに、自衛隊を米軍と肩を並べて戦争する軍隊にする戦争法案の廃案が必要です。

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