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英政府、アサンジ氏の警備費用に音を上げる

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政治亡命を求めてロンドンのエクアドル大使館に駆け込んで3年経った、あのウィキリークス創立者のジュリアン・アサンジ(Julian Assange)氏の現在と5年前の写真です。この間の苦労がしのばれます。

彼が、講演先のスウェーデンでレイプと性的虐待など4件の容疑をかけられたのが2010年8月のこと。この直後のスウェーデン警察と検察の目もあてられない迷走ぶりは同年9月のブログ記事で紹介しました。

それから5年。4件の容疑のうち2件の告発は先日、もう一件も明日18日に失効します。スウェーデンの法律では、容疑者本人への尋問をしないと起訴出来ないからだそうで、その期限が性的虐待などは5年で、大使館に籠るアサンジ氏への尋問が出来ないままに時間が経ったからです。

しかし、残る1件のレイプ容疑の場合はその期限が10年なので、失効までにまだ5年もあります。依然、アサンジ氏の籠の鳥生活が続きます。こうした事態に音を上げたのは、なんと英国政府でした。


govwaste.co.uk

これは、以前にも紹介しましたが、Wikileaksの作ったgovwaste.co.uk.というサイトです。ロンドン警視庁は、アサンジ氏が逃げ出さないように、また出てきたら即、逮捕できるようにエクアドル大使館の周りを24時間、非常線を張っているのですが、その警備の費用が時々刻々、こんなに膨らんでるよ、という表示です。

その表示は1,200万ポンドを超えました。約24億円です。そんな無駄なことをしなければ貧困者向けの食事が1千万食以上、子供向けのあらゆる予防注射6万人分・・・・などとも表示して、当局の「無駄遣い」をアピールしています。

とはいえ、英国に渡ってきたアサンジ氏に対し、2012年5月に最高裁で「アサンジ氏をスウェーデンに送還すべし」との決定が出て(それで、アサンジ氏は6月にエクアドル大使館に駆け込み、亡命申請、8月に認められた)、それを実行しなければならない英国政府としては、警備をやめるわけにはいきません。

こうした事態を背景に、英国政府は先週の13日に、エクアドルの首都リマ駐在の大使を介してエクアドル政府に公式の抗議を行ったとBBCニュースが報じています。

外務閣外相名の公式抗議のプレスリリースにはこうあります。「アサンジ氏を3年以上前から匿っているエクアドル政府の決定は、司法のあるべき姿を妨害している。英国の納税者は、この外交関係の悪用による支出は全く受け入れ難い」

そして、「英国には送還しなければならない義務がある。終わりにすることに失敗が続くと、お国の評判に汚点が広がりますよ」と、泣きなのか脅しなのか・・・

すかさず、エクアドル政府の代理外務相がきっぱりと英国政府の非難を拒絶しタンカを切りました。「事態の進展のないことの責任をエクアドルの押し付けるのは受け入れられない。もし外交関係が損なわれるというなら、それはそのようにした英国だけに責任があるのだ」「在外公館には治外法権があるという国際的取り決め、国際法で認められている政治亡命制度に脅しをかけるなんてとんでもない。国家の主権は平等なのだ」

なんだか英国の抗議は逆効果だったみたいです。しかし、スウェーデンに送還されれば、米国に引き渡され、米国で機密文書暴露で裁かれる可能性の高いためにエクアドル大使館に篭っているアサンジ氏の状況に好転の兆しは依然、見えません。

BBCの記事によると、アサンジ氏の弁護士の一人はこう述べたそうです。「彼は、大使館の狭い部屋の中に置かれ、新鮮な空気に触れることもエクササイズも出来ない幽閉状態で、告発によってスウェーデンの監獄で過ごしかも知れない以上の時間を過ごしている」

そして母親のChristineさんは「私は独りで長い間、たくさんの涙を流してきた。すべてが恐ろしい不正義」と。

Christineさんの言う不正義の疑いについては、2010年12月にGuardianが、アサンジ氏がハニートラップに嵌ったという陰謀論を強く示唆する記事を掲載しており、当ブログでも紹介しましたので、ご興味があればどうぞ。

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