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グーグル自動運転車の事故件数、多い?少ない?

 グーグルが開発を進める自動運転車の事故が話題となっています。開発がスタートして以来、6年間で14回の小さな事故を起こしていることが明らかになったのですが、果たして、これは多いのでしょうか、少ないのでしょうか。

 同社は2009年から自動運転車の開発をスタートし、2014年からは公道を使った実験も行っていますが、今月には、実験中の自動車が信号待ちをしている時に後続車から追突され、社員3人がケガを負うという事故を起こしてしまいました。同社では、これまでに自動運転車について14件の事故が発生しているものの、すべて軽微な事故で、自動運転車側に過失はないとしていますが、詳細は明らかではありません。

 ITを使った自動運転技術は、ほぼ実用レベルに達しているといわれていますが、一方で、機械が運転することに対する心理的抵抗もあり、今回の事故をきっかけに、本当にコンピュータに運転を任せてよいのか懐疑的な意見も出てきているようです。

 確かに14件の事故と聞くとかなり多い数字にも思えますが、これは、自動運転車がどのくらいの距離を走行してきたのかによって状況は大きく変わってきます。

 グーグルの自動運転車がこれまで実験で走ってきた累積走行距離は約180万マイル(約290万キロ)といわれています。290万キロで14件ですから、約21万キロの走行で1件の事故が発生している計算になります。

 米国における自動車事故の発生確率は、50万キロに1件程度といわれています。日本もほぼ同様で、損害保険会社の保険金支払い状況や自動車の平均走行距離などからおおよその数字を計算すると50万キロに1件程度の割合で事故が発生しています。グーグルの自動運転車は21万キロで1件ですから、事故を起こす確率は、一般的な自動車の2倍以上ということになるわけです。

 この数字をどう見るかは人によってそれぞれでしょう。21万キロに1件という数字は、技術が未熟だった時から、現在までの累積ですから、直近の数字を取れば、その確率は大幅に下がっている可能性があります。自動運転というかなり難易度の高い新技術であることを考えれば、優秀な結果であると評価することも可能でしょう。また、全体の統計値にはあまり影響を与えないかもしれませんが、泥酔したり薬物を乱用して大事故を起こすというケースは自動運転ではあり得ませんから、それだけでも意味があると考える人もいるはずです。

 一方、重大事故は起こしていないとはいえ、自動車には人の命がかかっていますから、事故の確率は限りなくゼロでなければいけないという考え方もあるかもしれません。

 自動運転という新しい技術の登場によって、私たちは事故の確率というものをどう解釈すればよいのか、あらためて問われる状況となっています。技術がもたらすベネフィットとそのリスクについて、しっかりと議論をすることが大切でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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