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【全文】安藤忠雄氏「なぜ2520億か、私も聞きたい」 新国立問題で会見

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 建設費の高額化が批判されている新国立競技場問題について、デザイン選考の審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏が16日、都内で会見した。2520億円まで膨らんだ総工費への批判が高まる中、問題化して以降、初めて公の場で発言した安藤氏の説明に注目が集まった。

 以下はその会見全文。

新国立問題で安藤忠雄氏が会見「1人の人間としてはザハ案を残してほしい」

《安藤忠雄さん会見全文》

デザインの選定までが我々の仕事だったと説明する安藤忠雄氏(左端)

司会:それでは会見を始めさせていただきます。まず初めに河野理事長からお願いします。

河野:今日はお忙しいところありがとうございます。ご案内のように先般、7月7日に有識者会議を開かさせていただきましたけども、ご都合が悪い日を設定してしまったもんですから、安藤先生にご指摘いただかなかったので、安藤先生のほうから今日、お話しいただけるということでこの場を設定させていただきましたので、よろしくお願いいたします。

司会:じゃあ、安藤先生。

安藤:こんにちは。安藤忠雄と言いますが、有識者会議に出なかったから、なんか全て安藤さんの責任やというのはちょっと私は分からないなと思っておりましたのは、有識者会議ってご存じのように何十人もいるんですね。で、私は実はその日、同じ時間に講演会が大阪でありましたので、大阪でやってくれと言うたら、有識者会議は東京しかいかんと、私、大阪でも良かったんじゃないかと思いましたけども、出れませんので欠席いたしましたところ、だいたい皆さん方の問題は、意見はだいたい分かりますので、1回なんか、もしお聞きしたいことがあったら、言うていただいたほうが、先に聞いたほうがいいんじゃないですか。どうですか。こんだけ写真撮らんと、まず聞いてくださいよ。どう? 何か聞きたいことがあったら手上げて、大きな声でね。オッケー。どうぞ。

私たちが頼まれたのは「デザイン案」の選定まで

ニコニコ動画:すいません。ニコニコ動画の七尾と申します。よろしくお願いします。何点かあるんですが、まずですね。

安藤:早く言うてくださいね。時間ないから。

ニコニコ動画:分かりました。今後、計画の縮小案というのが、アーチをやめたほうがいいとか、あるいはもうコンペ自体を見直したほうがいいという意見も出ておりますが、審査委員長としてそれはどう感じていますか。

安藤:はい、分かりました。

ニコニコ動画:そこをどう進めるか。

安藤:はい。もう1つありませんかね。

ニコニコ動画:あとですね。

司会:お1人1問でお願いいたします。

安藤:いいですか。はい、どうぞ。お嬢さん。

テレビ東京:テレビ東京の森本と申します。今、先日辺りから政府が見直しを検討しているというようなニュースも出てるんですけども、もしそうなった場合、安藤さんが一番いいと思う案というのはどういうふうに進めていくのが一番ベストというふうに今お考えなのかというのをお聞かせください。

安藤:これからの案ですね。はい、分かりました。はい、どうぞ。大きな声で言うてくださいよ。

大阪毎日放送:大阪毎日放送の……。

安藤:大阪が来たらほっとするわ、俺。

大阪毎日放送:よろしくお願いします。

安藤:はい、どうぞ。

大阪毎日放送:安藤さん、ここまでの一連の報道をどのようにご覧になっていたのかというのをお聞かせいただきたいと思います。あと、安藤さんの地元・大阪、関西もいまやもう最大の関心事となっております。関西の皆さんに何かメッセージがあれば一言お願いしたいと思います。

安藤:関西いうような場合違うやろ、今は。

大阪毎日放送:すいません。ありがとうございます。

安藤:はい、ほかないですか。はい、どうぞ。

光文社:光文社のハヤシと申します。先日、弊社からザハ・ハディドの事務所に連絡をしたところ、東京での工事の企業、それからスケジュールの変動は受け入れる予定ですという回答が、弊社にはもたらしております。それと同時に今日、安藤さんのほうから配られたこの紙には、さらなる説明が求められていると思いますというふうにお書きになっているんですけども、どちらのアプローチが遅れているのか。どちら、安藤さんのほうからの質問が遅れているのか、それともザハのほうがこちらに回答が遅れているのか、その辺を教えてください。そして、今後どのように進めていくのかのも教えていただければと思います。

安藤:はい、どうぞ。はい、分かりました。最後にしましょうか。はい、どうぞ。

日本テレビ:『真相報道バンキシャ!』のカキハラと申します。日本テレビのカキハラと申します。コンペの際に応募作品、1,300億円っていう規定があったと思うんですけれども、専門家の目から見たら、ザハ案は1,300億円で収まらないというのは、どの専門家が見ても明らかだというのは皆さんおっしゃってるんですが、あの時点でそれは把握していらっしゃったのかっていうのをちょっと伺いたいなと思います。

安藤:まずここまでで、まず言うて、またあと時間あればやるのでいいですか。いいですか。

日本テレビ:はい。

安藤:まず私が有識者会議欠席したのが申し訳ないと思ってますが、私も大阪にいるというのがありました。で、体調も良くなかったと。で、去年も大手術しまして、膵臓と脾臓を全部取りまして、全摘で安藤さんそんな移動できるのと。膵臓全部取るとだいたい死ぬんですね。で、今、よう生きてるなと思ってますけどね。で、そういうことがあったりして、なかなか東京に来れなかったということはあります。で、同時にその日は同時に講演会があったということがあって、出れなかったんですが、これは申し訳ないと思っています。同時に今、コンペの今後の前にちょっとあれ持ってきてくれますかね、パネルを。

 どうもどっかで誤解が生じています。私たちが頼まれたのはデザイン審査会というのは、デザイン案の選定まで。ここまでなんですね。ここまで。これで終わりなんですね。で、ここで基本設計の段階でザハさん、梓さん、日本設計、日建設計、で、外国のアラップという事務所が基本設計をします。で、われわれには、これから選定委員会の先生方にはもし必要ならばアドバイスを、こっからいただくということになっておりました。

 われわれはここで終わりなんですね。ここで終わりですよと、くれぐれも終わりですよ、言われてたわけですよ。だけど、こっから来る、いわゆるアイデアに対するこんな問題あるけどどうだろうと、調整できないけどどうだろうということについてはお答えすることになっておりましたけども、一切質問はありませんでした。

 そこで問題はここで、ご存じのように、まずここから戻りますと、1,300億円で今、誰かありましたよね。1,300億円でいけんのかどうかという話がありましたが、全部の設計者に値段も出してもらっています。これはアイデアですから、こんな形をするでと、こういう形の中での1,300億なんですね。で、私が今、例えば、3,000万の家を造るとすると、基本設計できてたらだいたいそういう段階で、いや、安藤さん3,700万かかるなというときにこの間に調整します。3,700万を戻してきて、3,200万にならんかな。で、ここに家建てた方もいらると思うんですが、そういうふうに調整しながらできるだけ自分たちの予算に持っていきます。これが普通なんですね。で、10億ぐらいの建物造って、だいたい11億、12億になりよるんですよ。で、それを調整していきながら10億に近づけるんです。

 で、ここで1,300億が出たんですが、これから相当時間がたっていますから、と思ってたんですが、われわれのところに1,625億と、これがあんまりメディアに出ないですね。1,625億というのが聞こえてきました。聞こえてきたというわけであって、われわれに教えてもらったわけではないんです。なぜならば、われわれここまでですから。で、今ここまでの人間がこれの値段が高いって、ここ安藤さん、責任、なすりつけたらええんじゃないかと思ってますが、われわれ選んだ責任はあります。飛んできとるんです。こっち、これ飛んでこっち来とるわけですね。

 それで今、1,625億でいこうかと思って、これで先ほどの話でいくと、物価の上昇等もあったら1,700億、1,800億になるんじゃないかと思っておりました。全然、2,520億になって、その間、皆さん方も一緒で私も一緒なんですよね。2,520億、私も聞きたい。ほんで、私ももっと下がらないか聞きたい。どっか下がるとこないのと。もっとあるでしょうと、私も聞きたいわけですよ。それで私、聞いてもなんも言うてくれないからね。それぐらい掛かります。ほんで、私のところに2,520億、安藤さんが決めたみたいな、私総理大臣じゃないですからね。どっか狂っとるぞと思われません? どうですか? 思いません? 私は2,520億、下がるんじゃないかなというのは私は国民として、1人の国民としてやっぱりなんとかならんかなと思いました。で、そこで、今、この段階でどうするかというのがありますが、その次の段階としてザハさんを選び、ザハさんの人間を選んでるわけですから、国際協約としてはこれは、この方を外すわけにはいきません。

 で、もう1つ、2016年のオリンピックの、いわゆるプランもわれわれ、ちょっと参加しておりました。負けました。ご存じのように負けました。だから、できれば2020年、勝ってほしいなという気持ちがありましたので、皆さん方のところに行ってるんではないかと思いますが、ザハさんの案に、もう非常にダイナミックです。流線型で斬新なデザインでした。何よりもシンボリックでした。勝ってほしいなという気持ちの一部が、あの案を選んだのかも分かりませんが、それで2020年のオリンピックのときに、いわゆるブラジルでみんなが持って行かれたときに、かなりインパクトがあったのではないかなということを考えますと、スポーツ振興センターの方々もいますけども、みんながやっぱり、あの案を選び、国が選び、そして持って行かれんじゃないかということを含めていいますと、ザハさんの案をこれからどういうふうに。先ほど、これからどうするんだという話がありましたけども、私の言えることはここまでなんですけれども、1人の人間として言えることは、できたらザハさんのアイデア、残しといてほしいなと。

 だけど、値段が全然合いませんから、どうするのかということは、やっぱり日建設計、日本設計、アラップ、梓、立派な設計事務所がありますから、徹底的に討論をして、どういうふうな形で決着するかは分かりませんけれども、徹底的にそれを公に公開しながらやらないかんのではないかと私は思うんです。こんだけたくさんの情報の方がいるわけですから、その方たちと共に情報を共有しながら、一つずつしゃべるとややこしいでしょうけども、やっていかないかんのではないかというふうなことを考えておりまして。

 まず、その1,300億というのは初めはもちろん条件でありましたから、だいたい条件を合わそうとしてみな、値段が入ってますが、私も1,300億円、どうかなと思っておりましたけど、私はこんな大きなもん造ったことありませんからね。へえ。いるんだな、ぐらいにしか思ってなかった。っていうか、すごいなと思いましたけども、それが1,625億ならばというふうなことを考えました。片っ方で世界中の人たちが見る、芸術性豊かなもんです。芸術というものであるというところと、スポーツいうものがうまく重なって、この難しい建築工事を日本ならできると私は思いました。たぶん世界中であれだけの建築ができるところはないんじゃないかというふうな気がしますが、できるんじゃないかと。スケジュールが要りますね。品質が要ります。一番重要なコストが要ります。それを併せて、4社の設計事務でやっていただけるんではないかという期待をしておりました。この間、私たちにはなんの連絡もありませんから、どうしようもありません。

 で、もう1つ。8万人、多いと言う人おりません? 8万人、多いいう人。8万人多いいう人おりません? 8万人、多いでしょ? 8万人はもう、オリンピックで決まっとるんですよ。だからもう、どうしようもない。そしてもう1つ。あの千駄ヶ谷の場所でいいのか。これも決まっとるんです。あそこしかない。ほんで、あそこなら交通も行ける。全体的にも行けるという判断の下にあそこの場所で8万人ということが決まってたんですけども、われわれ審査委員は相当たくさんいます。もう、非常にみんなで、何十人もいるわけですけども、その審査委員の人たちも、私もそうなんですけれども、引き受けました。断ることはもちろんできます、こんなところでは無理だと。そのときに私たちはやっぱり、勝ってほしいな、自分たちがそれにちょっと参画して、役に立てて、日本の人たちに役に立てばいいなというつもりで参加をさせてもらいました。そこが間違いだと。あそこでやるのが間違いだという人もいますけども、私たちはそれ以外の選択肢はなかったんです。

 で、そこでスタートしたもんですから、8万人とあの場所という中で、例えば景観の問題が出ました。交通の問題も出ました。周囲の環境の問題も出ました。これを、ここでやらないかんわけで、基本設計いうやつや調整を。もうちょっと低くしようかと。例えば、低くすると今度は、だんだん低くするとできないことはないけども、今度、土が多く出て、残土が処分できないとか、いろいろあってストップしてますが、そういうことも含めて材料の問題から工法の問題も。

 先ほど、アーチの話がありました。アーチ、ちょっと今、河野さんと話してたら、ちょっと話が、私の話とずれてたんですけど、アーチが700億要るというのをわれわれは新聞で見たわけですね。じゃないと。もっと、300億だという人もいるし。だけど、考えてみましたら、1,625億のときにもアーチあったんですよ。急にアーチが出てきたんかというわけにはいきません。あとで出てきたって分かるでしょう? あとで出てきた。なんであとで出てきた。初めからあったんですよ。

 そのことを考えると、やっぱりもう1回、調整が要るんじゃないかというふうに考えて、私がもし、お願いできる。ここまでですから、お願いできるということですよね。国民の1人として。都民の1人、皆さんと一緒の気持ちで調整できませんかという話はできると。調整してほしいなというふうな気がいたしますが。そういう面では、その日本の技術、日本人の総力を挙げて、ゼネコンも思い切って、もう金がもうからんでも日本の国のためだと言ってもらわないと。それがやっぱり日本の国のゼネコンのプライドなんではないかなと思ったりするんですね。だからゼネコンの人たちも、これはもうかるからどんどんいこう、というなしに、これはもうからなくっても日本の国のために、日本の誇りのために頑張ると言うていただくと私は結構値段、うまくいくんじゃないかと思ってますが。ただ、ここまでは落ちてこないでしょうね。

 そういうようなことを考えております。そしてもう1つ、今、報道の人たちの関心。私、大阪でやってきたんで、先ほど大阪の方がインタビュー、ありましたけれども、やっぱり日本中の人たちのオリンピックなんです。もちろん東京のオリンピックであるけれども、国のオリンピックなんです。そして、多くの人たちの関心はやっぱり今、お金ですよね。で、お金をどうするかということを含めて、今回、これからどういう案になるかということはやっぱり世界に、まあ協力してやっぱりザハ・ハディドさんを選んだわけですから、この方とのいわゆる協調の中でうまく下げていただくといいなといいふうなことを今、考えています。

 いいですか。今までのやつはだいたい話、したような気がしますが。あとありましたらどうぞ。選んであげて。どなたでも結構ですよ。

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