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知財本部、悩ましいコンテンツ論議

知財本部コンテンツ会議、取りまとめに向けた議論。アーカイブと海外展開の2大テーマの総括です。

 まず、アーカイブは、基盤ポータル構築、分野別アグリゲータ明確化、制度整備という3本柱。これでOKかという議論。

 久夛良木さん「ゲームのアーカイブ、目録作りは進んでいる。実機でゲームする環境をどうアーカイブ化するか、CESAを中心に進める。」

 →政府の支援なく、民間主導で構築が進んでいます。頭が下がります。これを政策がどう後押しできるか。ぼくも役立ちたいです。

 写真著作権協会 瀬尾さん「ポータルを作っても人は来ない。民間との協力を思い切って進めるべき。」

 →官製サイトなんて、誰も見ませんよね。民間が作るものを応援するアプローチに全部切り替えましょう。

 ニッポン放送 重村さん「放送番組センターを規定する放送法53条の「公衆に見せる」条件が番組提供を躊躇する原因。収集を増やすにはその見直しが必要。」

 →これは新しい論点。法見直し議論に発展しますか。

 もう1つの柱、海外展開。aRma、J-LOP、BEAJ、CJ機構など、施策は積み上がってきました。これを続けろ、そして成果を出せ、がテーマ。そのために、作る、広める、ヨコ連携、というのがとりまとめの方向です。

そこで議論が政策「目標」に集中しました。コンテンツ産業や海外輸出の拡大を目標に据えるかどうかです。座長として意見は控えますが、過去、コンテンツ市場拡大の数値目標が機能しなかったことは共有しておきたい。

コンテンツ市場や輸出の数値拡大策が失敗したため、産業のヨコ展開を主軸にして、外部効果を最大化しようとしたのが「クールジャパン」政策。その文脈を外すと、10年逆戻りしますよ。


 さて。東京大学 喜連川さんが、学術論文検索クラウドが日本製ではなく海外のものばかり利用していることについて、クラウドサービスを巡る著作権制度の議論を進める文化庁に対し、鋭い追求を浴びせました。それをよしとするのかどうか。

 ご指摘のとおりです。それは学術だけでなく、コンテンツ全般について、同様に強くて長い問題意識があります。

 同じクラウドサービスも、アメリカはフェアユースで立ち上がるが、日本は著作権法のせいで進まない、それを問うのが議論の出発点です。知財本部の場でも議論し、それを文化庁の審議会に投げたという経緯があります。

 が、文化庁の審議会では法律論がたたかわされ、産業政策の視点は薄い。ではどうする、が元に戻って知財本部の役割となります。

 喜連川さんが教育情報化の取組が遅いことにも苦言を呈しました。

 これはぼくからも補足しました。デジタル教科書の正規化は、3年前に知財計画で「検討」を明記したが、まだ検討が始まらないという状況です。その遅さは致命的です。不作為の典型だと考えます。

 Google 野口さん「著作権制度は利害関係者のコンセンサスを得るために時間がかかってしまっている。教育情報化もやるかどうかの入口で止まっている。」

 →そうなんです。著作権制度は、コンセンサスがなければ制度が動かないというたてつけになっていて、利害が対立する問題は決着しません。悩ましい。

 関係者のコンセンサスを越えて、政治判断で前に進めるのは、ある種の横暴が必要です。それを政治と言う。そのためには、それが政治的に重要事項でなければなりません。そうならないということは、あまり大事な問題ではない、ということじゃないかと。悩ましい。

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