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「安倍内閣は安保法案との"心中"を恐れている」〜田原総一朗インタビュー

野党が反対する中、今国会は9月27日まで95日間の延長が決まった。安倍政権が成立を目指す安全保障法制関連法案の審議をめぐる状況について、田原総一朗氏に話を聞いた。

ーきょう、今国会の延長をすることが決まりました。安全保障法制関連法案に対する逆風が強まる中、自民党内や公明党から、考えなおしたほうがいいのではないか、というような声は上がらないのでしょうか。

田原氏:それはありえない。ただ、6月4日に行われた衆院憲法審査会での長谷部恭男氏の"違憲"発言で潮目は大きく変わったと思う。

それまでは国民も安保法制関連法案にはほとんど興味を持っていなかったし、各社の世論調査結果を見ても、"よくわからない"という回答が圧倒的に多かったが、あれをきっかけに反対が強まってきた。

それまで野党の反対意見も、結局は二通りしか無かった。ひとつは、"こんなことをやったら自衛隊のリスクが高くなるんじゃないか"と。それに対して、自民党は"高くならない"と。もうひとつは、"日本が戦争に巻き込まれるんじゃないか"と。自民党は"そんなことはない"と。言わばこの二つの議論の繰り返しだった。だから自民党も、議論を進めていけば、割合簡単に決着が付くと思っていたと思う。

結果、安倍内閣としては8月前にはけりを付けたいと思っていたのが、9月下旬にまで延びてしまった。

また、改めて安保法制関連法案の議論から、日本の自立に関する議論が出てきた。"本当は自立していないんじゃないか"という議論だ。
今まで、左派は安保法制に反対で、右派は賛成だったけれど、右側の方が二つに割れ、"安倍内閣はアメリカに従属して、言われたことを言われた通りやろうとしているだけじゃないか、日本は自立すべきではないか"という意見が出てきた。このことで、安倍内閣は、左側と右側、両方から挟まれる形になってきている。

だから、衆議院でも自民党と公明党で圧倒的多数なのに、空気としては少数派になりつつある感じがする。

そして、14日には安倍首相が橋下徹大阪市長に会いたいと申し入れ、3時間の会談を行った。 これは単純に言えば、自民党、安倍内閣が維新の党の分裂を図っているんだと思う。強行採決を避けたい、そのためには維新の何人かでいいから、採決で賛成して欲しいという、安倍さんの弱気の現れが、この会談になったんじゃないかと思う。

衆議院で自民党と公明党が圧倒的多数で強行採決する。そして参議院で否決されても、「60日ルール」で通してしまえると簡単に考えていたのが、非常に弱気になってきたということだと思う。

これもやっぱり6月4日の"長谷部発言"が大きく響いているんだと思う。相当、安倍内閣としては慌てているというのが現状だと思う。

新聞も、朝日新聞や毎日新聞はここにきて非常に強気になってきた。テレビも取り上げ始めた。視聴率がやっと出てきたんだろう。

ー安倍政権に批判的な右派からは、解釈改憲ではなく、憲法改正をしようという意見もあります。"憲法解散"ということを言う人もいます。

田原氏:右の自立は、自立といいながら"観念的自立"で、リアリティがないという問題点がある。一方で、野党の言い方にも僕は不満がある。野党は反対というけれど、対案を全く持っていない。それはマスコミも同じだ。

ーしかし、最終的に法案は成立してしまうのではないでしょうか。

田原氏:通ってしまうとは思う。しかし、来年の参院選には響くかもしれない。安倍内閣は安保法制関連法案と"心中"する形になってしまうことを恐れていると思う。(22日談)

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