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「ASIMO」対「Pepper」の勝負

報道によると、ソフトバンクが20日に発売したヒト型ロボット「Pepper」は、販売開始からわずか1分で、1000台を完売したそうです。

ソフトバンクは、「Pepper」の開発にあたり、2012年に、仏アルデバランを買収しました。アルデバランは、06年、声や表情の認識ができる小型の人型ロボット「NAO」を開発しており、「Pepper」には、その技術が応用されています。

「Pepper」は、人の声や顔の表情から感情を理解したり、自ら感情を表現したりします。例えば、ソフトバンクの紹介映像では、泣いている女性に「いないいないばあ」をし、女性が笑うと「笑顔になりましたね」と明るい声をかける。
スマートフォンのようにアプリを追加して、用途を広げることができます。
本体価格は19万8000円で、当初は、ネット通信料やデータ保管料、保険料など諸経費がかかります。

人型ロボットといえば、長らくホンダ「ASIMO」の独壇場でした。
「ASIMO」は、1986年に開発が開始され、96年に公開されるや、世界最先端の自律二足歩行ロボットとして世界中から注目を集めました。
その後、毎年のように、追加された機能が発表されてきました。01年にはレンタル事業開始、02年に知能化技術搭載、04年に自立連続移動や人に近い走り、05年に移動時の環境認識能力の向上やトレイの運搬、07年に複数の「ASIMO」の共同作業機能などです。
しかし、11年、人の操作を介在せずに動き続けることが可能になったという発表を最後に、近年は、まったく音沙汰がありません。

「ASIMO」と同じ1986年に研究開発がスタートした「ホンダジェット」は、06年に事業化が発表され、いまや、顧客への引き渡しは目前です。一方、「ASIMO」の事業化は程遠い印象です。

17日に開催されたホンダの定期株主総会では、最近の「ASIMO」の動向に関する質問がありました。経営陣からは、「ドイツのメルケル首相をお出迎えしたり、科学未来館で子どもたちにデモンストレーションをしたりしている」という説明がありました。
現在は、人の会話を理解して行動したり、文法的でない会話を理解したりする「知能化」、また、瓦礫を歩いたり、はしごを上るなど、実作業を行う「災害対策」の研究開発が続けられているという話でした。

しかし、「ASIMO」事業化の具体的な話は、一切ありません。もともと、「目的を決めると可能性を狭めることになる」として、あえて用途を限定せず、自由に開発を進めてきた経緯があります。

「ASIMO」の技術は、自動運転技術や車両挙動安定化制御システム、パーソナルモビリティの分野での応用が進みつつあるという話も聞きますが、しかし、30年近く研究開発を続けてきて、いまだに事業化の道がまったく見えないとなると、それも「いいわけ」に聞こえますよね。
「ASIMO」はこの先、どこに向かうのか。事業化して“自律歩行”できる日は、いつになるのでしょうかね。

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