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カリフォルニアの水不足、その後の状況

前回の記事でカリフォルニアの水不足に対する企業の自主規制について紹介しましたが、記事が配信された当日、州知事が都市部の水使用量25%削減(2013年比)という厳しい節水規制を発表しました。

規制内容は、各自治体に対してこれまでの努力状況に応じて4~36%の削減目標を定め、今後9ヶ月で計120万エーカー・フィート(14億8千万㎥)の節水を実現するというものです。削減対象は主に、景観維持用の屋外利用の水です。


ゴルフ場や墓地、学校など屋外の水利用が多い事業にも25%の削減規制が課され、小規模の水事業者や、水道水を利用せず井戸水や天然水などを自給している企業や団体に対しても、25%削減か週2日屋外の灌漑停止のいずれかの規制が課されます。

違反した土地所有者は日に500ドルの罰金が課され、目標を達成できなかった水道局はサービス停止命令が下され、従わない場合は日に1万ドルの罰金が課されます。

目標達成方法は各自治体に委ねられていますが、家庭の生活用水の50~80%が屋外利用であることから、主に家庭用水が規制対象になると想定されます。

これを受け、住民だけが削減努力を強いられるのは不公平として、メディアや市民団体が水使用量の多い業界を批判し、企業が対応に追われています。

矢面に立たされているのは、ボトル水メーカーです。元々アメリカにはボトル水に対する根強い批判がありますが(詳細は著書「サスティナブルシティ・ニューヨーク」に記載しています)、歴史的な水不足の中、州内の貴重な水をボトルに詰めて販売し利益を得るのは如何なものかとメディアが非難。市民団体は署名を集めて州内ボトル水工場の操業停止を要請しています。

これに対し、いち早く対応したのはスターバックスです。同州にある米西部市場向けボトル水工場の業務を、半年以内にペンシルバニア州の東部市場向け工場に移管し、その間に西部市場向けの新たな業者を探すことを発表しました。同社が販売しているボトル水「エソス」は、途上国のコーヒー生産地に安全な飲料水を提供するため売上の一部を寄付するというソーシャルコンセプトのブランドであるため、イメージを守るために必要な措置でもあったのでしょう。

一方、同州に5つのボトル水工場を持つネスレは、批判に対して徹底的に反論。CEO自らがメディアのインタビューに応じ、同社工場の水使用量はごく僅かであり、工場を閉鎖しても他社が代わりにボトル水を販売するだけで水不足対策にはならないと強く主張しています。さらに、ウエブサイトに専用ページを設け、同州の工場における水使用量や節水方法などの情報を開示しています。

世論やメディアはスターバックスの対応に好意的、ネスレに批判的な意見が多いようですが、市民団体の反応は過剰とし、ネスレの言い分に納得する声もあるようです。
議論が加熱する中、ボトル水ブランドのクリスタルガイザーが、2010年に撤退したコカコーラのボトル水工場跡地を昨年買い取り、今年後半の開業に向けて準備を進めていることが発覚。メディアや反対する地元住民に対し、持続可能な事業を行うことや地域の雇用創出などメリットを説いていますが、あまりにもタイミングが悪く、快く受け取られていないようです。

ボトル水以外にも、1粒の栽培に1ガロン(3.8リットル)の水が必要と言われるアーモンド農家や、掘削時に大量の水が必要なうえ、坑井に投入する化学物質や作業後の廃水により周囲の地下水が汚染される可能性があるとして、石油・ガス事業者も批判の対象となっています(詳細は「サスティナブルシティ・ニューヨーク」参照)。後者に関しては、州が規制強化を始めていますが、対策が不十分として環境団体が州を相手に訴訟を起こしています。

また、未だ批判対象とはなっていませんが、通常のビール製造の4~7倍の水が必要とされるクラフトビール業界や、1つの工場で小さな都市1つ分の水を消費すると言われる半導体業界なども、今後の批判や自治体による規制の可能性に戦々恐々としているようです。

水問題は、今後世界各地で様々な形で深刻化することが予想されます。水は人間の生存に不可欠ですから、対策を講じない企業に対する抗議は激しいものになるでしょう。

しかしながら、どんな事業でも水を一切使わないわけにはいきませんし、多くの事業が移転すれば地域経済に悪影響を与えます。住民に正しい理解を促し、健全な経営を維持するためにも、企業は早期に水対策を開始し、透明性を高めて適切な情報開示を行う必要があるでしょう。

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