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日本橋学院大学「バカ田大学説」と、旧制高校落第率15% ――ノスタルジー抜き「昔は良かった」噺

日経の今月の「私の履歴書」は東レ名誉会長の前田勝之助氏。

これが例によって面白いんだけど、興味深かったのは旧制高校時代の話だ。

彼は1948年に旧制第五高等学校(五高)に入ったわけだが、クラス40人のうち「毎年」15%に当たる6人くらいが落第したそうだ。

――すごくないすか、これ。

いやつまり単なるバカ校なら「落ちこぼれ15%」ってことで、まあわかる。でも旧制高校は今でいう進学校+大学教養課程みたいなもんで、在校生はエリートだ。そこで15%も落としまくるとは。

当然だが彼は猛勉強で食らいついていったわけだが、ガリ勉でなく「バンカラ」を張って青春を謳歌していた。

それは旧制高校では一般的な話。

今の高校って、灘ラサールというエリート校だって、そうは落第を出さないだろう。そんなことしたら親からクレームの嵐だし、他の「落第させない」エリート校に入学生が大移動するはず。

「いったん入ったら、勉強ができようができなからろうがトコロテン式に極力押し出す」ってのは、今や小学校からバカ校・エリート校、さらには大学まで同じ。その節々に「入試」があるため、そこでかろうじて自然に学力で序列ができるわけで。

ところが今や大学全入時代。どんなに頭が悪くても、大学を「選ばなければ」理論的にはどんな高卒であろうと大学に入れる。そして入れば落第することもなく卒業に「押し出される」。

だから日本橋学院大学の学習内容が「アルファベットの書き方」とか「少数の計算」「送りがなの練習」、使用テキストは「中学参考書」などという恐ろしいことが起こる(もちろん現実です)

いやそりゃ「学力崩壊」を食い止める指導で、すごくいいとは思う。でもそれ税金から補助の出る「大学」であるべきだろうか。卒業資格に無関係な夜間塾ででもやるべきでは。バカで恥ずかしいなら自腹で夜通えばいい。

高校までは入試でかろうじて学力選抜があったわけだが、大学では学力が緩み切ったまま卒業できる。卒業時に「卒業試験」という選抜がないからだ(卒論なんてねえ)。

もちろん肩書きは「大卒」。こんなんと就職・給料・出世差別されたら、まじめな高卒の方がかわいそうというか。

さらにそうした「量産型大卒」でも、現状の就職活動はネットで申し込みなどというスタイルを取れるので面倒がない。このため「ものは試し」で著名企業にがんがん応募する。

企業のリクルート担当者は大量に応募があれば個別対応が難しくなるので、事実上大学名で足切りする事態にもなる。ひいては大卒新人の就職率低下にも。

これ、誰にとっても不幸だと思うんだけど。

よく言われることだが、戦後日本を占拠した米国が、安定的占領のため「これまでの制度は全部悪」として徹底的にシステムと価値観を破壊した。あの「クソミソ」破壊で壊れていったものは大きい。

私も取材の折など、「旧制高校は良かった」などと、いろいろな方からよくうかがう(文科省のエリートからも聞いた)。ノスタルジックな思い出補正を抜いてもそうだったんだと思うよ実際。今からでも遅くないから戻したらいい。

――って、肝心の先生が運動会でさえ「差別をなくすため」横一線ゴール教育してるようじゃ、夢のまた夢か。

もうテストも全員100点、オール5で戻したらどうすか。いやもうテストなんてなくしては。で問題児は「本人の自覚に任せる」って「無力な学級会ごっこ」して。全力で社会破壊して、みんな平等に貧乏になってどこぞの国に買われましょう。

世界でひとつだけの「お花畑」が脳にワイてるんじゃあ、そりゃ競争しなくてもいいやってなるよね。

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