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内閣不信任案の意味

 週末地元和歌山で活動して、自民党が内閣不信任案を提出したことに関して「こんな時に、なぜ挙国一致でやれないのか?」という厳しい批判も多数聞かせていただいた。想定されていた批判ではあるが、自民党がなぜ不信任案提出に至ったのか、まだまだ説明が足りないことを痛感させられた。
 
 自民党は、3月11日の震災発生以来、政権の震災対応には全面的に協力してきた。

 実は3月11日までにはわれわれ参議院自民党を中心に菅内閣を土俵際まで追い込んでいた。直前には前原外務大臣が外国人献金問題で辞任。細川厚生労働大臣も私を中心とする国民年金「運用3号問題」でへろへろで、もう引責辞任は不可避というところまできていた。さらに震災当日の3月11日の朝刊で菅首相本人も104万円の外国人献金をもらっていたことがスクープされ、前原外相が25万円の献金で辞任したことから考えると、首相の辞任もあり得るという状況になっていた。

 その審議の最中に震災が発生したのである。

 自民党はまず、政治休戦を実現することに尽力した。国会を数週間にわたって休戦状態とし、首相を始めとする閣僚が震災対応に集中できる環境を実現した。

 また、自民党が過去、阪神大震災や中越地震で得た貴重な経験をもとに、各種アドバイスも行ってきた。

 さらに震災関連の法律や補正予算についても、自民党としての対案は明確に示しつつも、いたずらに審議に時間を取ることなく、迅速な成立に協力してきた。

 その間、3次にわたる極めて内容の充実した復旧・復興へ向けた提言も行ってきた。

 しかし、それに対して政権の対応はどうだったか?
 まずわれわれのアドバイスや提言にはほとんど耳をかさず、放置したままであった。特にわれわれが力点を置いていた、子ども手当等をやめて復興財源に回せという提言に対しても梨の礫であった。

 また震災後2ヶ月たって復興基本法を出してきたが、その中身たるや「2ヶ月もたってこの程度のものか」というレベルであった。結局遙かにきめ細やかでレベルの高い自民党の対案を丸呑みするというていたらくであった。

 そして原発事故対応では説明が二転三転し、原子力災害対策本部長として首相は現場が掌握できておらず、危機管理能力が完全に欠如することも明らかになった。
 さらに震災、原発事故といった危機においては、霞ヶ関の官僚を総動員して、その知識、現場情報を活用して行かなくてはならないが、いたずらに政治主導を振り回した結果、官僚組織も萎縮し、機能不全となってしまっている。

 外交においても失点が続いている。特に韓国国会議員がロシア経由で国後島入りしたことに関して、日中間首脳会談で韓国の李明博大統領が目の前にいるのに、直接抗議をしなかった。またサミットにおいてもメドベージェフ大統領に対して、彼や閣僚の訪問について抗議することもなかった。こういう対応を続ければ、「日本は北方領土をあきらめている」との誤ったメッセージを世界に伝えることになる。

 こういう現状に照らし、自民党は「この政権が一日でも長く続けば、復興は遅れ、日本の国益が害される」と考えるに至った。そして、震災復旧・復興のさなかではあるが、逆にきちんとした復興を行うためにも、一日でも早く菅政権を退陣に追い込んだ方がよい、との判断を行い、憲法上野党に認められた行為である内閣不信任案を提出することにしたのである。

 「こんな時に政局をやっている場合か」とのご批判もいただいている。しかし政局をやっているのは不信任案を受けての与党民主党である。自民党は協力と我慢と熟慮の末に、正々堂々と不信任案を提出したのだということをご理解いただきたい。

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