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長らく破られないマラソン日本記録について

趣向を変えて、引き続き陸上、というかマラソンの話題。気になる報道が再度目に入ったので。関心ない方はスルーでお願いします。以下、NHK記事から抜粋。

マラソン 日本記録更新の選手に1億円

低迷が続く日本マラソン界に刺激を与えようと、実業団の競技団体が日本記録を更新した選手にボーナスとして1億円を支給することになりました。これは、陸上の実業団チームで作る日本実業団陸上競技連合の西川晃一郎会長が都内で記者会見して明らかにしました。 会見によりますと、開始はことし7月からで、実業団に所属しているどうかにかかわらず日本記録を更新した選手に1億円を支給し、選手が実業団に所属している場合は指導者やチームに5000万円を支給するということです。(記事)
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先日100メートルと10000メートル、並びにマラソンの話に触れていたところ、たまたまというか上記のような報道が入ってきた。

先日記事で述べたように 、10000の記録が強くない限りは(マラソンでは)3分ペースを割り込む事は難しいと(個人的に)考える。低迷が続く長距離界の気持ちは十二分に伝わってくるが、サッカーじゃないんだから賞金を掲げるだけで伸びる競技ではないように感じる。まずは(先日触れた)トラックでの記録を更新する事、ロード・駅伝に対する認識を改める環境作りの面で発想を変えない事にはマラソンでの結果は出てこない。(2時間)7分を割った選手には1000万円という事だが、それだけで良いのだろうか?ワールドレコードは2分台だ。

最近では、マラソン・ロードに特化した選手が8分台などコンスタントに出すケースもあるが(日本)、おそらくは、そこから記録が飛躍的に伸びるのは(現マラソン特化ランナーには)難しいように感じる。あくまでトラック(5000・10000)で世界で戦えない事にはマラソン、たとえば上記3分ペースを長丁場で割り込むのは簡単でないように思える。マラソン3分ペース(1キロ)というのは約2時間6分35秒。現日本記録保持者の高岡選手しか破っていない。

高岡選手は京都・洛南高校時代こそ全国高校駅伝に出場、しかし高校の陸上シーンでは特別目立った選手ではなかった。その後は関西の大学に進学し、「箱根駅伝症候群」とは無縁の選手だった。陸上に関心のない方はご存じないとは思うが、高校時に有望な選手が出てきても、関東の名門駅伝部に所属する事で、春から秋に掛けてはトラック、冬はロード(しかも距離が長くなる)と年間休みなく、走りっぱなしになる。 特にロードは足への負担がトラックとは比較にならないほど大きい。 長距離ランナーであるにも関わらず、疲労は抜けず蓄積される一方で、その後の故障など慢性的な要因となってしまうケースなど聞く事は多々知れず。

特に箱根駅伝は、元旦における大学PRの大イベントになっている事から、選手としても将来的な展望よりも目先のレースがゴールとなってしまい、そのような「箱根駅伝症候群」(箱根バーンアウト)が有望な日本選手の将来(マラソン)をダメにしているのでは、というメンタルの面での議論ですら未だに大きい。本年も青学が優勝してTVで持ち上げられており、練習風景を称える論調もチラホラ見かけた。ちょうどその時期、どこかの局で報道していたが、青学の練習場の中には、トラックの横にクロスカントリーコースのような凹凸が設けられ、箱根駅伝自体を目標にした練習風景があった。監督自身の意向だという。

トラックやマラソンの記録が活性化されない要因の一つとなっている駅伝(ロード)にここまでの比重を掛ける事は、大学自身としては当然の事なのかも知れないが、お金に群がるTV局や私立大学が、将来的な選手個人のポテンシャルをどう考えているのか、監督含む、彼ら自身に聞かない事にはそれは分からない。正月は、このような駅伝誉論(ほまれろん)で一色となるのだが、大学駅伝に対する浅はかで軽々しい記事 に辟易したものだ。

現日本記録保持者の高岡選手はそのような関東の大学とは一線を画し、20代はもっぱら5000・10000(トラック、競技場内)に専念した。初マラソンは30代になって。あくまで素人的意見だが、現状のマラソンランナーを見る限り賞金を手にする選手はいないだろうし(男子)、先日お話した大迫選手あたりが(トラック、10000メートルで)27分10秒に限りなく近づく事で、将来的な日本記録更新も目に入ってくるように思える。実業団の連合体にしてみれば、東京五輪が近付く中、焦りの色が見えている次第だが、賞金掲げて記録が伸びるような競技ではないように感じる。

先日、書店でたまたま目にした陸上記録集に目を通すと、高1の10000メートル記録が28分台だった。(ような気がする) 高校生の長距離タイムがここ10数年進化し続けている事が分かった。にも関わらず、なぜマラソンの記録は破られないのか?端的に言えば、関東の大学におけるマーケティングの場となっているロード・箱根駅伝への偏重を無くさない限り、このサイクルは続くように思えて仕方がない、という事。

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