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【詳報】「自分の回復のためにも、苦しんでいる仲間たちの手助けをしたい」田代まさし氏が会見

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「自分の強い意志」とか全く役に立たないのが薬物の怖さ

ー去年7月に出所されてからすぐにダルクに?

田代:はい、出所してその日にダルクに行って、寮に入って仲間と同じ生活をして、仮出所を終えた後から毎日通う生活です。

ーダルクではどんな生活をされているんですか

田代:さっきも言ったように、事務所の掃除したり、電話の応答したり、全国の刑務所からつながりたいっていう連絡が来るし、いっぱい来る手紙に返事を書いたりとか。週末なんかは全国の同じ施設の仲間たちや保護観察の人たち、家族会などに僕なりのメッセージを届ける活動をしています。

ー出所されて何ヶ月も経ったわけですけど、今あらためて考えてみて薬物の怖さというのははどんなところなでしょうか。

田代:本を読んでいただけたらすごくわかると思うんですけど、毎回捕まるたびに自分ひとりの力で今回でやめようと思うんですが、自分の強い意志とか全く役に立たないというのが薬物の怖さだなって。

僕は何回も事件を起こして、その度にいろんな人たち、家族も、親友も、お金も失って、それでもでもまた薬に走ってしまう。それが薬物の恐ろしさなんじゃないかなって。

ー接触してくる悪い人がいるからとか、自分の意思が弱いから、どっちなんでしょうか。

田代:それはケース・バイ・ケースで人によって違うと思うんですけど、最終的には接触した人に対して「僕は大丈夫です」って言える自分がいれば良いんですけど、その物を見ちゃったりすると、すごくやりたい気持ちが出てきて。

わかりやすくいうと、梅干し食べたことがある人が、梅干しを見たら唾が出ちゃうのと同じ感覚で、見せられちゃうとまた脳が動いてスイッチが入ってしまって。1回だけなら良いかもしれない、って考えてしまうのが怖さなんです。

近藤:一人で薬物依存になるという人はほとんどいないですね。誰か教えてくれる人がいるから。つまり薬物依存者が依存者を増やしていく。

もう一つ、やっぱりなんで再犯が多いのか皆さん不思議に思っています。あれだけ刑務所に入って、なぜ懲りないのかっていう言いますけども、日本の社会そのものが、ただ薬物は恐ろしい、「ダメ、ゼッタイ」だけの仕組みしか無いんですよ。薬物依存になった人たちのことを諦めちゃってる。

例えば学校で薬物の問題が起きた時に退学させる。公務員がやると懲戒免職。それから芸能人がやると解雇になりますね。そうやって全部放置して社会に戻しちゃうんですね。
つまり、これがうつ病だとか、その他の病気だとすぐ解雇しますか?しないでしょ?ちゃんと治療しなさい、その間待ってあげますよと。そして再雇用するか解雇するかってのはその後でしょう?

だけど日本にはそういうシステムが無いじゃないですか。学校も退学、会社からも放り出される。芸能界はもうすぐだめにしちゃう。だめだめだめばっかりじゃないですか。

犯罪だから当然解雇されてあたりまえですけど、しかし雇用者側もこの人たちをちゃんと治療して治す、回復させるという仕組みをなぜつくらないのか。そういう再犯のメカニズムが日本の社会に固定しちゃっているからなかなか変わっていかない。

そういう意味で、もう少しメディアの方が考えていただければ。病気だから再発するんだ。絶対もうしない、ということはないですよ。
僕は34年間やめてますが、明日はわかんないって言ってますから。だからマーシーも明日はわからないということです。

田代:(笑)

ーいろんなものを失ったと行ってましたけれども、もう二度と薬物に手を出さないと誓えますか?

田代:雑誌の取材なんかでも毎回、もう薬やらないと言ってましたけど、正面から向き合ってなかった自分がだめだったんです。 今までは心配してくれる家族のためにとか、妹とか、ファンのためにやめようと思ってたんですが、それが良くなかったみたいで、今回初めて自分のためにやめようと思えるようになったんで。

何回もみんなの気持ちを裏切ってる僕がもう二度とやりませんっていうのは全然信憑性もないし、ただ僕がみなさんの前で言えることは、一日一日辞めて続けていく姿を皆さんに見せていくことなんだなって考えています。

だから、はっきりと二度とやりません、ではなくて、一日一日、薬を使わない生活を重ねていきたいと思います。

芸能界に復帰したいという思いはなくなっている

ーご回復されたら芸能界に戻りたいという思いは。

田代:薬物依存は病気だってさっき言ってましたけど、特効薬っていうのはないんですよ。だから回復のためにプログラムを受けていても、ここで回復しましたってのはないから、一日一日積み重ねていくしか無いっていう。

だから回復したら芸能界戻りたいっていうのではなくて、さっきも言ったように、僕の本意じゃないというのは、芸能界に復帰したいという思いはなくなっていて、前のときは早く芸能界に戻ってみんなを安心させたい、自分を大きく見せたりよく見せようとしてたんですけで,今回は芸能界に戻りたいとかそういうことではなくて、やめ続ける姿を見せることが将来何かにつながればいいかなくらいにしか思っていないです。

ー今後、どんな人生設計のプランを考えているんですか。

田代:ちょっとイメージ的なことなんですけど、後々、芸能人専用のダルクを作れればいいなって思っています。まあ夢みたいなもんですけど。

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