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川崎の少年に鎮魂…まず子ども自身を見る行政・政治・地域へ

 2月20日に、川崎市の中学1年生の男子生徒の尊い生命が奪われてしまいました。ご家族、お友達皆々様に心よりお悔やみ申し上げますと同時に、亡くなられた少年の冥福をお祈り申し上げます。

 繰り返される、いとけない生命が犠牲になる暴力事件。加害者側も未成年であることに、彼らの育ちや心象はどうであったのか、子どもを取り巻く環境に思いを寄せないわけにはなりません。

 事件がおこるたびに学校等行政側の不手際が都度指摘されます。ことに川崎市の不登校の定義は文部科学省と同様病気や経済的理由を除いて年間三十日以上欠席することだったそうでそれに達してなかったので云々と教育委員会が言い訳している時点で何かが大きく違うと思いました。

制度を確認するよりもまず、子どもを見て欲しい

この頃元気がない
怪我をしている!
学校に来ていない…
お母さんが一人で五人の子どもを育てている

すべてSOSの大きな予兆です。 

 昨日発表された被害者少年のお母様のコメント(全文)の静謐な悲しみを嘆きを…一人の母親として政治家として、元子どもとして、自分のものとして生涯胸に刻まさせていただきます。ことにこの部分に釘付けになりました。
「(息子)が学校に行くよりも前に私が出勤しなければならず、また、遅い時間に帰宅するので、(息子)が日中、何をしているのか十分に把握することができていませんでした。」
「私自身、仕事や家事に疲れた時、何度も何度も(息子)の姿に励まされることがありました。」
私や家族に心配や迷惑をかけまいと、必死に平静を装っていたのだと思います。」
「あの時、もっともっと強く止めていれば、こんなことにはならなかったとずっと考えています。」
※カッコ内は報道発表は実名

 忙しすぎて心身が疲弊疲労、あとちょっとの目配り気配りができないほど追い詰められているお母さんの疲れた背中をそこに見えるようでした。私も母親(小学校時代に離婚、ひとり親家庭へ)が、居酒屋を営み朝もしんどそうで、夜は遅いのものですから、週末しか会うことがない生活でした。疲れ果てた背中を見れば、とても親に文句をいったり、相談なぞできる状況ではありませんでした。

 子どもは実はとても親に気を使って生きているものなのです…。周りの大人も学校の先生も信頼も信用もできようはずがなく、孤独や他の家庭との様ざなま違いに苦しみ、いつかそういう子どもたちが集まり夜の街を徘徊するようにもなりました。少年たちの寒い河原の夜の風景が甦るようです。

 私の中に、まだ、その時の子どもは生き続け、今も叫び続けています。

「誰か、あたしの話を聞いてよ!助けてよ!!」

そして、その子どもは今を生きる子どもを助けたいと、ずっと考え続けてきました。
 
 今回の私の一般質問で、もっとも重きをおいた項目は「子どもの声を反映する都政運営」。その底流に流れるものは深淵に広がる闇…「子どもの貧困」でした。

 日本は法治国家で児童福祉も制度としては揃っているようには見えます。しかし、当事者不在でできていたり、運用が徹底されて居らず「子どもの利益」のために運用されていないことが散見されます。

 「子ども」という当事者が訴えたり糾弾することもできないわけですから、現場がどうなっているかは想像にかたくないわけです。相談しようにもできない、勇気を持って一歩踏み出してもハズレの大人にあたって踏みにじられたりすることが多いのは、我が身の経験からも骨身にしみて知っていることから、血の通った制度運用をしているかをどうしても質して正したかった。

 そこで、27日の一般質問にて児童福祉が優先されていない具体的な事例を区議会議員時代からの綿密な検証・調査・事実確認を元に以下の質問を投げかけたのです。

 対象は要保護児童(保護者不存在か保護者に監護させることが不適当であると認められ社会的養護が必要とされる児童。社会的養護には、養護施設等の「施設養護」と里親委託等の「家庭養護」に大別される。)の子どもとなってますが、過酷な環境下にあって社会的養護が必要となった子どもに光を当てることで、子ども全体を照らしたいとの、お姐の中の子どもの叫びの質問となっております。そんな矢先の悲しい事件であり、魂込めて読み上げた次第です。

【子どもの相談体制について】

(平成27年第一回定例会上田令子一般質問)

(お姐)
子ども自身が受けている社会的擁護サービスへの拒否権や選択権があってしかるべきと考えます。要保護児童の声は、つねに施設や、児相の担当者など大人を経由しなければならず、行政と福祉を受ける弱者として圧倒的に子どもは不利な状況にあります。対応する大人の胸先三寸で子どもの願いや要望や悩み相談をもみ消すことがないか、子どもの人権を最優先にした救済の道が途絶えてしまうのではないかということを強く懸念しています。そこで以下についてお尋ねいたします。

1 要保護児童と施設や児相の担当者の関係性は対等で開かれているのか、緊急な悩みに直接児相に子どもが連絡してきたときにもれなくすべて真摯に対応しているか、一人の担当者に高圧的な態度をとられても子どもはあきらめないで他の相談者に連絡できる体制になっているか、子どものSOSから対応までの流れも含め時系列でご回答ください。
(お姐直訳:まさか、子どもが児相や施設の担当者の高圧的な態度によって言いたいことも言えない状況になってないはいないですよね?施設で思いもよらぬこともあって、必死の思いで児相担当者に電話しても担当者が出ない、なんてことはよもやないですよね?)

(福祉保健局長)(答弁骨子←議事録がまだなので…)
・児童からの相談があった場合、相談受付、受理会議、各種診断、総合診断、援助方針会議の実施、援助の決定

・相談を受ける際は、常に真摯に相談を受け、相談内容から問題点を整理し、主訴を的確に把握

・相談対応にあたる職員に対して、研修により職員の接遇力の強化

・施設入所児童に対しては、相談先を記載した子どもの権利ノートを配布することや、第三者委員に相談できる仕組みを用意
(お姐直訳:制度は整っています。把握もしてます。権利ノートも配っています!)

(お姐)
2 保護者や里親などの養育者と子どもの面談や、やりとりにあたり、児相の言うことを聞かないと子どもを奪われてしまうという恐怖感を与えたり、養育者や子どもへ事前に何か言い含めるようなことなどがよもやないかと危惧しております。それぞれの人権、特に意見表明権を保障した対等な関係は構築できているかお尋ねいたします。
(お姐直訳:事前に、養育者や子どもにあれを言うな、これを言うな、子どもに触るな(暴力をふるうわけでもないのに)、余計なことしたら大変なことになるぞ!みたいなこと言ってないですよね?!)

(福祉保健局長)
・保護者や養育者と子どもの面会や、保護者や養育者との面接において、児童福祉司は、児童の安心感や安全に配慮
(お姐注:安心感や安全に配慮すると言質はとれますが、意見表明権の担保についてまでは明言せず)

(お姐)
3 要保護児童が自らの権利を自覚し、生活に反映できるようにするための「子どもの権利ノート」の活用について、子どもたちの生活に即して、どのように児童の権利意識を高めていくのか、お答えください。
(お姐直訳:権利ノートを入所時に配っておしまいなんてないですよね?子どもは常に喚起してないとこうした存在は忘れてしまうものですよ!常に日常で活用して職員の意識を高めてますか?)

(福祉保健局長)
・都では、児童養護施設等に入所する小学4年生以上の児童に対し、「子どもの権利ノート」を作成、説明の上、配布

・平成24年度からは、権利ノートの配布対象を小学1年生にまで拡充

・児童相談所や施設職員等に対しては、児童に説明するためのハンドブックを作成

・これらを活用し、児童福祉司は、施設等訪問時に生活状況を確認

・施設職員等は、子供会での説明等、日々の生活で児童の権利意識を高めるための取組を実施

(お姐注:以前文書質問もしてかなりこのノートの存在意義をついていたので、かなり意識をしているようです。現場でのさらなる活用を強く望みます。)

(お姐)
平成25年度に教え子らへのわいせつ行為により懲戒や訓告などの処分を受けた全国の公立学校の教員は調査開始以降最多、体罰による処分も倍増傾向です。「いじめ問題に関する研究報告書」によれば、「学校のいじめをなくす努力が足りない」と子どもは31.3%思っているのに対し教員は四分の一程度の8.1%という意識の格差もあります。つきましては、児童・生徒がいじめのみならず教師や学校生活への不満や悩みについて、警察など学校以外の相談機関にも相談できるよう、周知する必要があると考えますが、都教育委員会の取組について伺います。
(お姐直訳:児童生徒へのわいせつも体罰も暴行という犯罪行為。イジメによる暴力も傷害事件ともなります。学校の中で解決せずちゃんと警視庁スクールサポーター制度を子どもへも周知して、学校がアカンと思ったらすぐに110番していいと子どもに教えてますか??←川崎の事件を念頭に入れたのは言うまでもない。)

(教育長)(回答骨子)
・各学校では、担任やスクールカウンセラーが連携して相談体制を充実

・学校以外の相談機関への相談は、都教育相談センターや区市町村の教育相談室等において、電話や来所などにより実施

・都教育委員会は、警視庁少年相談室など相談機関の連絡先を記したカード等を都内公立学校の全児童・生徒に定期的に配布し周知
(お姐注:制度としても、子どもは相談先のひとつとして110番して良いと認めました。警察権力が入って来るのがどうのこうのというご意見があるようですが、子どもへの暴力をだからといって放置していいわけがありません。さまざまな行政が関わることでちょっとはマシな担当者に子どもが出逢える可能性をひろめるべし)

****

【お姐総括】

東京都はこの事件を受けて、早急に対策を講じております。
児童・生徒による凶悪犯罪防止のための緊急対策の実施について(2月27日付)

素晴らしい!!…とよく読んでみますると…
「これまでの児童・生徒の犯罪防止のための指導を見直し、緊急対策を確実に実施」
とあります。

「指導」されるべきは子どもではなく、大人では?

子どものSOSを受け止める教員ならびに学校の体制をつくる「緊急対策を確実に実施」されたし。

 先の質問のように、今後も更に警察と強固な連携をはかってもらい「絵に書いた餅をとりあえず書きました!」となることがないよう、しつこくあの手この手で定点観測していきます。

住民定点観測で制度より子どもを見る、あなたの街の教育委員会へ

 …いろいろやっているつもりなんだけど、オバチャンまた間に合わなかった。

本当に、申し訳なくて無力感が一杯で情けなくて、謝ることしかできません。

大人代表として心からお詫び申し上げます。ごめんなさい。天国でせめて安らかに…。

オバチャンは、引き続き、子どもの声を拾い続けていきます。そして、行政を当てにするだけではなく、子どもがあきらめないで元子どもの心を持った大人の友達とつながれる地域社会を作る努力も続けていきます。

【お姐追伸】
西東京市障がい者施設「たんぽぽ」での虐待事件について13年の時を経て当該西東京市議会でようやく大きく取り上げたようですね。(質問項目一覧はこちら)最終段階になって、「確かな野党」も含めこの件について代表・一般質問で通告されるようになったのは、大きな進展です。最初に斬りこんだ、お姐の仲間森田いさお元市議が落選したことが本当に悔やまれます。国会から地方まで議員は政党ではなく本人です。彼のバトンを引き継いで、こちらもシッカリ見守ってまいります!

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