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ネットと新聞・テレビのユーザに"大きな乖離"、報道の現場に自粛の空気も…古賀茂明氏らが訴え

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25日、外国特派員協会で、「翼賛体制の構築に抗する言論人、報道人、表現者の声明・宣言」に賛同している今井一氏、マッド・アマノ氏、平田オリザ氏、古賀茂明氏、中沢けい氏が会見、報道や表現の場における政権批判の自粛の流れに抗うべく、連帯を呼びかけた。

この活動には、多数の学者、ジャーナリスト、芸術家らが名を連ねており、連名者には、最近では雁屋哲氏、津田大介氏、故菅原文太夫人の文子氏らの名前も加わった。(前回の会見の模様:「「政権批判を自粛する空気が社会やマスメディアに広がるのを危惧する」 作家や映画監督、ジャーナリストら言論人が「声明」を発表

"社会運動に「お決まり」の人以外も賛同"

冒頭、出席した各氏が現状について発言。

今井一氏は「日本の報道言論表現の場に自粛と萎縮が大変なスピードではびこりつつある。それをせき止めようということ。」と、今回の運動の意図を説明。

「原発問題、基地問題といった社会運動に名を連ねるひとは大抵お決まりだが、今回そうでない方も大勢賛同してくれている。是枝裕和さんや、坂本龍一さん、そういった著名な方だけでなく、ありとあらゆる職業の方が賛同してくれている。嬉しいのは、NHKや大手新聞社の方々も勇気をもって、堂々と本名で署名している。こういった動きを応援しようと、一般の方も2,500人が署名してくれている」と、多くの人が賛同していることを強調した。

古賀氏をモチーフにした新作

マッド・アマノ氏は「はっきり言って安倍政権は風刺が大嫌いな政権。皮肉なことに、シャルリー・エブド事件に対し、安倍さんは哀悼の意を表した。風刺を認めていなければ、哀悼の意を表することは出来ないはずだ。今日はどこにも発表していない新作を持ってきた。」と、古賀茂明氏をモチーフにした作品を発表した。

"大政翼賛になる前に声を上げないといけない"

平田オリザ氏は、「演劇には、"リア王"に象徴されるように、道化が出てくる。道化というのは、王様の傍にいて、普段はアホな事や他の人が言えないような皮肉や批評をするのが役割だが、それが過ぎると首を刎ねられることもある。私も首を刎ねられるくらいの覚悟はありますが、タダで刎ねられたくはない」。また、「何よりも演劇はお客さんあってのことですから、表現の場を奪われるのが脅威なわけです。」「日本の劇作家たちには、戦前、大政翼賛に協力したという不幸な歴史や反省がある。表現の場を人質に取られて、多くの演劇人が戦争協力を行った。そのようなことなる前に声を上げないといけないと思った。」と賛同した理由を説明した。

"日本の報道は機能を失いつつある"

古賀氏は、「日本の報道は機能を失いつつあります。これが進むと、民主主義の大前提である知る権利が失われれ、国民が正しい判断ができなくなるということにつながります。その結果、最終的には選挙という最も民主的であるはずの手続きを経て、独裁政権が誕生してしまう。来年の参議院選挙で、与党が3分の2を取るかどうかがひとつのポイントになるかもしれないが、最後のステップの段階はそんなに遠くない」との認識を示した。

"ネットと新聞・テレビ、ユーザに大きな乖離"

中沢けい氏は、現状について「二つ危惧することがある」と説明。

「一つ目の危惧」に、「日本社会では、ネットで情報を得ている人々と、テレビや新聞といったメディアから情報を得ている人々の間で非常に大きな乖離が起こっている」と指摘、「この外国特派員協会で、山谷えり子国家公安委員長の会見が行われ、在特会との関わりについての質問も出た。今国会ではヘイトスピーチ規制法が議論されることになっており、関係省庁のトップの一人である山谷氏が在特会の支持を受けているのは大変まずい状況であるにも関わらず、日本の新聞もテレビも全くこれを報道しなかった。一体どういうことだと、疑問をもたざるを得ません」と述べた。

また、「二つ目の危惧」として、「"ネット右翼"とか、自民党のサポーターを自称する"ネットサポ"と呼ばれる人たちが情報を取ろうとするひとたちの邪魔をしたり、場合によっては勤務先に大量のFAXや電話したりして業務の妨害を行っています。日本のメディアの萎縮あるいは自粛と呼ばれるものは、政権からのプレッシャーだけでなくこういうネットユーザーからの極めて犯罪的なプレッシャーも関わっているものと考えています」と指摘、「ネットの中に広がっている現状に対する危機感について、ネットを使わない人たちにも気づいていただきたいと願っている」と述べた。

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