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名脇役たちそれぞれの演技論

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2月13日に発売された洋泉社のムック『バイプレーヤー読本』。
そのタイトルのとおり、ドラマや映画、舞台で活躍する名脇役、渋くて味のある個性派俳優たちに焦点をあてた本です。

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第1章の「バイプレイヤーファイル」では、戸次重幸、手塚とおる、佐藤二朗、小市慢太郎、川原和久、眞島秀和×山中崇、大倉孝二、緋田康人、津田寛治という、僕を含めたある種の趣向の人たちにとっては垂涎の、錚々たる名脇役たちのロングインタビューが収録されています。
その中から、演技論を語っている部分の一部を抜粋してみました。

戸次重幸

宇宙犬作戦 DVD-BOX1
戸次重幸は、大泉洋や安田顕が所属する「TEAM NACS」のメンバー。ドラマでは『1リットルの涙』でのヒロインの担任教師役を皮切りに、朝ドラ『瞳』や『ザ・クイズショウ』、『裁判長っ!おなか空きました!』、『すべてがFになる』など数多くの作品に出演。『宇宙犬作戦』ではドラマ初主演を果たしています。

芝居って、ほんと面白いと思います。みんなで素敵なウソをついていきましょうっていう、ひとりではできない総合芸術ですもんね。
           (略)
僕は自分を「憑依型」ではなく、「操作型」と呼んでいるんですけど、頭の中に“小っちゃい戸次”がいて、ハードである僕を動かしている、というイメージなんですね。もちろん、気持ちがないと素敵なウソにならないので気持ちも大事なんですけど、その気持ちをどう外にあらわすかという訓練も必要で。

手塚とおる

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手塚とおるは、「劇団健康」を経て、様々な舞台に出演。『救命病棟24時』からテレビドラマに本格的に出演し始め、『半沢直樹』の悪役・古里役で大ブレイク。その後『ルーズヴェルト・ゲーム』の野球部監督役を経て、現在放送中の『太鼓持ちの達人~正しい××のほめ方~』で主演に抜擢されました。

僕の芝居の過剰さがリアルじゃない、と言う人もいる。でも、僕にはその“リアル”の意味がわからない。実はみんなが思ってるほど、人って淡々としてないんですよ。過剰に生きようとしているし、過剰に食べようとしているし、過剰に愛そうとしている。過剰なものが人間なんだと僕は思っていて。だから僕はそこをできるだけ過剰に演じたい。それが僕にとっての“リアル”なんです。(略)人はいつだって過剰に生きている。その過剰さをどう表現できるかが、僕にとって今いちばん大きなテーマですね。

佐藤二朗

裁判長っ!  おなか空きました! DVD-BOX 上巻 豪華版【初回限定生産】佐藤二朗は、自ら劇団「ちからわざ」を旗揚げ。「自転車キンクリート」などに参加し、舞台経験を積んだ後、堤幸彦に見出され『ブラックジャックⅡ』の医者役でドラマデビュー。その後、『勇者ヨシヒコ』シリーズなど福田雄一作品をはじめ数多く作品に出演。『拝啓トリュフォー様』で地上波ドラマ初主演。

佐藤二朗だからこうなる、“©佐藤二朗”みたいな芝居がもしかしたらあったのかなとは思います。
           (略)
その作品の質をあげる芝居がしたいってことですね。それにはやっぱり、その役が本物に見えるということが大事で、たとえば、『人間の証明』(04年)で刑事役をやったときも目指したのは、「こいつ誰? 本物の刑事?」と思ってもらえるような芝居。だから、わざと下手な芝居をしたんです。それからもうひとつ、「こんな人いるかも」とか「こんなこと言うかも」っていう、“かも”の感覚を大事にしています。(略)「こんなヤツいるわけない」と思ったら一瞬で観てる人は引いちゃうけど、その手前の微妙なところに面白さがあると思うんですよね。

小市慢太郎

救命病棟24時 第3シリーズ DVD-BOX小市慢太郎は、「劇団M.O.P」に参加。映画『張り込み』に主演し、本格的に映像作品に進出。
『救命病棟24時』の第3シリーズに医者役で出演し広く知られるようになりました。他にドラマでは朝ドラ『まんてん』『てっぱん』、大河ドラマ『龍馬伝』『八重の桜』や『クロコーチ』『信長協奏曲』などに出演。

「やるぞ!」という能動的な感じじゃなく、メイクして衣装着て、その場に行くと、なんかくるんですよ。昔は、自分のなかで考えて作りあげてやってみたこともあるけど、「なんかちゃうなあ」と。まず監督のお話を聞いて、役をイメージして「この人は、どういう服を着るんやろ」と思って現場行くと、衣装が用意されていえ、それを着ると、そこからインスパイアされて「ああ、なるほど」となる。ヘアメイクさんも小道具さんも同じで、それぞれのプロが、それぞれの思いやイメージを持ち寄ってくれて初めて「自分」が出来上がるんです。

川原和久

相棒シリーズ X DAY [DVD]川原和久は「劇団ショーマ」の立ち上げに参加。「演劇集団キャラメルボックス」などの客演を経てドラマ『秋の一族』に出演。
その後、『相棒』シリーズの伊丹刑事役でブレイク。伊丹を主人公にしたスピンオフ映画『相棒シリーズ X DAY』で映画初主演を果たしています。

小手先の芝居、思いつきの芝居はなるべくやらないで、キャラクターを肉づけしていきたいと。
           (略)
なぜそう演じたのかと聞かれて、「理由なんてないよ」って答えるのもカッコいいと思うんですけど。でも、僕はやっぱり芝居に“理屈”をつけたいんです。

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