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PC(パソコン)遠隔操作事件実刑判決 4人も誤認逮捕した警察による自白調書でっち上げも忘れてはならない

PC(パソコン)遠隔操作事件

2012年6~9月、無差別殺人や爆破の予告が自治体や幼稚園にメールで送信されるなどし、警察が4人を誤認逮捕した。同年10月、「真犯人」を名乗る犯行声明メールが報道機関などに送られ、誤認逮捕が判明。警察庁長官が謝罪した。警察は2013年2月、片山祐輔被告を威力業務妨害容疑で逮捕した。

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足利事件がえん罪であることを証明した辣腕の佐藤博史弁護士さえ騙されてしまった。

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PC遠隔操作なりすましウィルス事件は自白強要による冤罪が問題だ

 他人のパソコン(PC)を遠隔操作し、インターネット上で無差別殺人などの犯罪を予告したとして、威力業務妨害などの罪に問われた片山祐輔被告人に対する判決が2015年2月4日、東京地裁でありました。

 片山被告人の起訴内容は、2012年6月から9月、遠隔操作ウイルスを他人のPCに感染させるなどの方法で、旅客機の爆破や幼稚園の襲撃など計9回の犯罪予告をインターネットの掲示板やサイトなどに書き込んだというものでした。そのため、片山被告人は威力業務妨害のほか、ハイジャック防止法違反などの罪でも起訴されたのです。

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 片山被告人の脅迫内容も被害者に対するインパクトが強く違法性が高いのですが、なにより他人のパソコンをウィルスに感染させて、その他人のパソコンから脅迫メールを送るので、赤の他人を犯罪容疑者にでっちあげてしまう点で極めて悪質な、許されない犯罪です。

 いわば、電車の中で痴漢をしておいて、他の乗客のせいにして逮捕させてしまう犯罪のスケールを大きくしたと言いますか。

 この片山被告人の犯行によって、東京、神奈川、三重、大阪の4都府県の警察が全く無実の方々を計4人も誤認逮捕しました。

 逆に、片山被告人は2013年に逮捕されてから一貫して無罪を主張していましたが、保釈中の2014年5月に真犯人を装った自作自演のメールを送信したことが発覚し、一転してすべての罪を認めるという劇的な展開になったのは記憶に新しいところです。

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  検察側は論告求刑の中で

「サイバー犯罪史上まれに見る卑劣な犯行。第三者を身代わりとして犯人に仕立て上げ、あらゆる手段で罪を免れようとした」

と非難しました。

 これを受けて、大野勝則裁判長は判決の中で

「見ず知らずの第三者を犯人に仕立て上げるなど、サイバー犯罪の中でも悪質な犯行だ」

「腕試しをしたいと考え、国家権力に対する個人的な恨みから犯行に及んだ」

と指摘しました。

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 そのうえで、裁判所は、片山被告人が犯行後に犯行声明メールを送ったことについて

「捜査機関に対する優越感を得るために世間を騒がせようとした」

と厳しく批判し、自作自演メールの送信については、

「保釈中に行われたものとしては類を見ない悪質な証拠隠滅行為だ」

「進退窮まり、もはや言い逃れできないと観念して罪を認めた」

として、懲役8年(求刑懲役10年)の実刑判決を言い渡しました。

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 この事件は他人のパソコンをウィルスに感染させて、そこから遠隔操作で自由自在に脅迫メールを送るという点で前代未聞ですが、その結果、被害者を恐怖に陥れ、さらに他人を犯罪の「犯人」に仕立て上げる最低最悪の犯罪と言えるでしょう。

 正直言って、求刑10年や懲役8年の判決では軽いと言わざるを得ません。

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人に迷惑かけて愉快がって、こいつ、最低やな!

 しかし、この事件で忘れてならないのは、全く無実の人が4人も次々と誤認逮捕され、しかも、この人たちがまるで何もやっていないし知らないのに、自白させられた!ということなのです。

 まさに、警察・検察と言う捜査機関が全く関係ない人でも自白させることができるという、冤罪事件の温床をさらけ出したのです。

 もともと、刑事司法では建前上は推定無罪が大原則ですが、今の日本では逮捕時点から実名報道され、世間的には「犯人」扱いです。まして、一般人にとっては無実の人が自分がやりましたと自白するとは思いませんから、自白すれば犯人確定でしょう。

 いや、玄人のはずの法律家だって自白した人の子とはどうしても疑ってかかります。裁判官も捜査機関に騙されるからこそ冤罪事件が絶えないのです。いや、裁判官が「捜査機関に誤りはない。被告人として法廷に連れてこられている被告人は有罪に違いない」と一番偏見を持っているのかもしれません。

 だからこそ、日本では99.9%の有罪率と言う、先進国から見たら信じられないような事態になっているのです。

 しかし、現実にこの事件を振り返ると、警察にとって見れば、全く身に覚えのない人でも自白させることが自由自在ということがわかります。

 下の表のように、今回の事件で送られ犯罪予告メール13件のうち、

(1)神奈川県警が少年を逮捕した横浜市の小学校襲撃予告事件

(2)大阪府警がアニメ演出家男性を逮捕した大量殺人予告事件

(3)警視庁が福岡県の無職男性を逮捕した幼稚園襲撃予告事件

(4)警視庁が同じ男性を 再逮捕した有名子役タレント事務所への脅迫メール送付事件

(5)三重県警が無職男性を逮捕した伊勢神宮爆破予告事件

の計5件で、計4人が逮捕されています。まず、警察の強引な捜査と無能さは全国共通だということがわかります。

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 たとえば、幼稚園に襲撃予告メールを送り付けたとして威力業務妨害罪で逮捕された福岡市の男性は、逮捕直前は当然容疑を否認していましたが、自宅のパソコンに脅迫メールが残っていることを指摘されて、なんと

「私がやりました」

と自白させられています。その後、この男性は

「同居の女性がやったと思い、かばっただけ」

と否認に転じましたが、取り調べが進むと再び自白させられています。

 さらに、都内の芸能プロダクションへの脅迫事件で再逮捕された際も、警視庁の調べにまた自白させられているのです。

 その後、男性のパソコンが遠隔操作のウイルスに感染した疑いが浮上し、2012年9月27日にやっと処分保留で釈放されました。その身柄拘束期間、なんと4週間です。

 警察は、その間に徹底的に無実の人を取調べて、全く関係ない人に自分がやったと言わせているんですよ!

 逮捕されて警察の留置場に何日も入れられ、取調室と言う名の密室で連日何時間も警察官たちに取り調べられることの恐怖は、全く知らないこと、ありもしないことでも「自白」させられるほどの恐怖なのです。

 また、市民の恐怖を利用して自白を強要するのが捜査機関の「捜査」なのです。

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 他方、大阪市のホームページに無差別殺人予告したとされ逮捕されたアニメ演出家の方の場合は、なんとか自白しないで踏みこたえることができましたが、密室である取調室の中で屈強な警察官に囲まれ、毎日毎日長時間行われる取り調べに、誰もが耐えられるわけではありません。 

 この方も、8月26日の逮捕まで10回前後、大阪府警に任意で事情聴取され、

「第三者がメールしたに違いない」「脅迫文の書き込み自体知らない」

などと無実を訴えたのですが、全く取り合ってもらえず逮捕され、府警 や大阪地検に

「IPアドレスという確証がある」

「認めたら罪が軽くなる」

と持ちかけられたというのです。

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 そして、上の表の、横浜市のホームページに小学校を襲撃すると書き込んだとして逮捕された少年の場合、

「何もやっていない。不当逮捕だ」

と否認していたのに信じてもらえず、その後に自白を強要され、

「楽しそうな小学生を見て、困らせてやろうと思った」

などと、やっていないのに動機まででっち上げられて自白を取られています。

 この少年の場合には、警察の自白でっち上げがあっただけでなく、検察もそれを鵜呑みにして家庭裁判所に送致し、家裁も少年が無実であることに気づかず、すでに審判が終わり、決定が言い渡され、保護観察処分になってしまっています。

 つまり、他の大人の3人の方と違って、裁判は終わってしまっており、完全な冤罪完成です。

 捜査機関のみならず、裁判所もいかにチェック機能を果たせていないかがわかります。

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 いま、このような度重なる誤認逮捕とえん罪事件の反省から、今まで見えなかった密室での警察・検察の取調を「可視化」する、ということで、取り調べの状況を全面録音録画せよという大運動が起きています。

 なぜなら、取り調べの状況が後で裁判で明らかになるとわかっていれば、捜査機関も強引な取り調べはできなくなるからです。

 しかし、警察・検察はなんとか録音・録画の範囲を狭めようとあの手この手で駆け引きをしています。

 このPC遠隔操作事件で無実なのに捜査の対象とされた方々、まして誤認逮捕された方々の恐怖や屈辱などありとあらゆる不利益はもうう取り返しが尽きません。

 せめて同じことが繰り返されないように、反省しようとしない警察・検察を国民が追いつめて、全件全面録画を進めていかなければならないのです。

 いつ、あなたやわたし、そして私たちの家族や友人など大切な人が誤認逮捕され、えん罪で投獄されるかもしれないのですから。

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