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日本のネットユーザーたちはISISを打ち負かしている?

今日の横浜北部はよく晴れましたが、夕方から曇り始めました。寒さは少し柔いだような。

さて、遅ればせながら、いわゆる「ISISクソコラグランプリ」案件について、海外で最初にネット上で評価した英文記事を要約してみたいと思います。

掲載されているのはアメリカのマイナーなニュースサイトなのですが、日本のネットユーザーたちの勇気ある行動(?)を絶賛しております。

すでにネット上ではこの記事の一部が訳されているようですが、ここではちょっと長めにご紹介します。

===

ISISのプロパガンダにたいする日本のくだらない反応は、アメリカ政府が達成できなかったことを達成してしまった。

by E.A. ウェイス

●ISISは日本から人質解放の身代金として2億ドルを要求している。賢明なことに、日本政府はその要求を拒んでいる。

●ところがそれよりも素晴らしい反応――米政府が何度もやろうとして失敗したこと――を示したのは日本国民のほうであった

●今週のことだが、日本のネットのユーザーたちは、くだらなくて軽蔑的な画像をテロリストたちに見せつけるという、いわゆる「フォトショップ・バトル」を仕掛けることによって、一斉にISISを馬鹿にするような行動をとった

●もちろんこのような試みは捕虜を助けることにはつながらないだろう。しかしこれは(少なくとも小さな貢献だが)将来のテロを防ぐことにはつながる可能性をもっている。

●多くの人々が指摘しているように、ISISのというのは戦闘員を募集するのが(アルカイダよりも)非常にうまい。

●ISISには世界中の国々、つまりアメリカ、チリ、オーストラリア、そしてイギリスなどから多くの戦闘員が参加しており、自分たちの伝えたいメッセージをネットで対外発信するのが巧妙なのだ。

●たとえば英語でつくられた動画では、改宗を迫るようなポジティブな声明と、暴力を含んだ圧倒的なイメージが入り混じったものであり、まるでナチスの悪名高い「意志の勝利」というプロパガンダ映画の中で見られるような、権力を欲する人間の本質に訴えかけるようなものだ。

●ISISはソーシャルメディアを駆使しており、容易に過激化してしまう孤独を感じている若者たちにたいして自分たちを「ブランド化」するのに長けている。彼らのプロパガンダは明快で強力であり、いかなる政府によっても打倒されていない。

●もちろんアメリカ政府もネット上でISISにたいして「カウンター・プロパガンダ」のテクニックを使用したが、いずれも失敗している。彼らのやり方は、ISISにたいして批判的なジャーナリストたちの言葉を引用したり質の低い動画を作ることなどであり、古く臭くて冴えないものばかりであった。

●ガーディアン紙にたいして米国務省のアドバイザーを務めたことのある人物が語ったところによると、アメリカのやり方はISISをさらに強化することにしかつながらなかったという。

●「彼らは集まってきた戦闘員たちにたいして、ホラ見てみろ、俺たちは強力なんだ、その証拠がアメリカ政府の動きにあらわれているじゃないか!と言ったわけなんですよ」とはこの人物の言葉。

ではなぜそれほどまでに日本の反応の仕方は価値の高いものなのだろうか?その理由は、アメリカがやろうとしてもできなかったことを効果的に行ったという点にある。

●「カウンタープロパガンダ」で狙われるのは、相手側が行おうとしていることを邪魔することだ。ISISのそもそもの狙いは、自分たちを正義でありながら凶暴に見せるというところにある

●ところが日本のネットユーザーたちはISISのプロパガンダにたいして、間抜けなアニメのキャラクターを混ぜ込むことによってISISを恥ずかしい存在であるかのように描き出してしまったのだ。

●世界中のほぼすべての国のリーダーたちに警告されているISISに参加しようとしている若者たちは、ISISが非難されているがゆえに正しい存在であるとして、逆に「参加したい!」と考えてしまう。

●ところがこのようにテロリストたちを骨抜きにして徹底的に馬鹿にしてしまえば、彼らの伝えようとするメッセージを軽くできるのだ。

●これはほんの小さな勝利にしか聞こえないかもしれないが、ISISの強みはネットのメッセージで新しい戦闘員を集めることができるところにあるという観点からみれば、日本のネットユーザーたちは、世界がISISと戦うための完璧な武器を提供したと言えよう

●ISISに参加しようとする者を説得して諦めさせることができれば勝ちである。とりわけ3万のイラク兵をたった800人のISISの戦闘員が打ち負かしたことを考えればなおさらだ。

●ISISは、南北戦争でシャーマン将軍が南部攻略の際に使った焦土作戦が、まるでローズ・パレード(下の動画)のように見えるくらい過激なやり方で、町から町へと侵攻しているのだ。



●その合間に彼らは数千人の戦闘員を集めており、ISISが自分たちのことをさも英雄であるかのように描き出すブランド化戦略を止めることができない限り、新入りの流入の勢いを止めることはできない。

●もちろん「生まれながらのテロリスト」というのはいるはずもなく、過激化は改宗的な経験を通じて起こるものだ。これを逆にいえば、正しい教育を使用すれば非過激化も可能であるということになる。

●さらに重要なのは(そして現実的なのは)、いままで動員に成功していたイメージを悪化させることができれば若者たちの過激化を阻止することができるということだ。

●このような考え方は、たしかにナイーブなものと聞こえるかも(もしくはカウンター・プロパガンダなどという言葉で興味を失う人もいるかも)しれない。だがここでちょっと低俗な例を使いながら、クソコラがどのような働きをもっているのかを説明させていただきたい。

●2012年にアメリカの歌手テイラー・スウィフトが“I Knew You Were Trouble”というシングルを発表して大ヒットしたことはみなさんもご存知だろう。



●ところがそのすぐ後に、この歌の「ヤギ・バージョン」がYoutubeにアップされたのだ。



●この「ヤギ・バージョン」を聞いたほとんどの人は、今までのような感覚でオリジナル版の歌を聞くことはできなくなったはずである。

●この働きを「対テロ戦」に活かすとすれば、このようなことになる。つまり、ISISが戦闘員を募集する動画にオナラの音を挿入するのだ。こうなると、誰もオリジナルの動画を深刻で真面目なものとして見ることができなくなってしまう。

●これは冗談に聞こえるかもしれない。ところがこのようなどちらかといえば「わかりやすい邪魔」によって、それを見た人々の記憶の中に一定のイメージを永遠に根付かせてしまい、ISISのプロパガンダの熱意や真剣さを失わせることができるかもしれないのだ。

●もちろんこのような戦術はいつも効くとは限らないし、戦闘員たちが参加する理由のすべてがISISのプロパガンダにあるわけでもない。

●ところがアメリカ政府が最近になって単にカウンタープロパガンダを作成し、若者がISISに参加するのを防ぐためだけの「海外対反乱作戦」に78億ドル(8000億円)の予算をかけることを決定したことを考えれば、日本のツイッターのユーザーたちが世界の誰よりもうまくやっているように見えるこのような手段は、明らかに重要なものと言えるだろう。
===

まあ人質の生命を危険にさらしたという点からはあまり褒められるものではありませんが、それでもこの著者は日本のユーモアを交えた対処法を絶賛しておりますね。

ちなみに私のある知人は、今回のこの一連の動きについて、

クソコラの連中は、自分達が不謹慎で悪ふざけで不快で歪んだ狂った連中であることを自覚しているために「糞」と名乗っている。

その反対に風刺画の連中は、自分達が「ジャーナリズム」であり「表現の自由の旗手」であり「正義」であると錯覚している。

ゆえにクソコラの連中は「正常」であり、風刺画の連中は「狂人」である


というパラドックスを指摘しておりました。

もしかしたら、これは一つの真理を言い当てているのかもしれません。

とりあえずご参考まで。

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