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【全文】「私は捏造記者ではありません。不当なバッシングに屈するわけには行かないのです。」〜慰安婦問題で元朝日新聞記者の植村隆氏が会見

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9日、元朝日新聞記者で北星学園大学非常勤講師の植村隆氏が外国特派員協会で記者会見を行った。

これに先立ち、植村氏は「週刊文春」誌上での記述で名誉毀損されたとして、同日、発行元の文藝春秋と記事内で発言を行った西岡力・東京基督教大教授に対し、計1650万円の損害賠償と謝罪広告などを求める訴えを東京地裁に起こしている。

同氏をめぐっては、昨年の朝日新聞による慰安婦報道検証以後、勤務先の北星学園大学に脅迫状が送りつけられるなどしたことから、同大の学長が4月からの契約を更新しない意向を示していたが、大学教授や弁護士らが支援の動きを見せるなどした結果、昨年12月、契約の継続が発表された。

植村氏の取材の窓口は朝日新聞が担っており、これまで東京新聞のほか朝鮮日報やニューヨーク・タイムズなどの海外紙のインタビューを受けてきたほか、産経新聞が繰り返し取材を申し入れるなど、慰安婦問題の記事を執筆した本人による発言に注目が集まっていた。

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皆さまお忙しいところ、私の会見に来ていただき、ありがとうございます。

パリの新聞社の襲撃で、多数の記者たちが亡くなったことに本当にショックを受けています。1987年5月に、私と同期の朝日新聞記者の小尻知博記者が襲撃されて殺された事件がありました。改めてそのことを思い出して、衝撃を持って受け止めています。同じジャーナリストとして、こうした暴力には絶対に屈してはいけないと、改めて思いました。

私が非常勤講師として務めております北星学園大学にも、昨日、また脅迫状が送られてきました。匿名の名に隠れた、こうした卑劣な強迫行為は絶対に許すことができないと思います。なぜ脅迫状がくるかと言いますと、私が勤務してるからであります。

去年、日本の週刊誌「週刊文春」の記事で、私は"捏造記者"というレッテル貼りをされました。それで私の記事とは全く関係ない大学にまでこうした強迫行為が及んでいるわけです。私は訴訟準備のため東京におり、大学には行ってなかったんですが、私のために大学が脅迫にさらされていることに怒りを覚えます。

本日、私は「週刊文春」を発行する文藝春秋社およびその週刊誌にコメントを発表した東京基督教大学の西岡力氏を、名誉毀損の被告として裁判を起こしました。私は、私の人権、家族の人権、友人の安全、北星学園を守るために、訴訟を起こしました。

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私は24年前の91年、朝日新聞大阪社会部時代に、韓国で名乗り出た朝鮮人慰安婦のおばあさんの辛い体験の記事を、署名入りで2本書きました。この記事が原因で、23年間ずっとバッシングを受けています。この記事で私が存在を報じた方は金学順さんと言う方で、韓国でカミングアウトした第一号の慰安婦でした。

彼女の勇気ある証言によって、慰安婦の生の証言が世界に伝わって、たくさんの被害者が名乗り出るようになりました。そういう意味では、慰安婦問題が世界に知られるようになった第一号のおばあさんでした。

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1年前、「週刊文春」2月6日号の記事に、その91年の8月の記事が批判的に紹介されました。「“慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」とあります。
西岡氏は私の記事に対して、「強制連行があったかのように記事を書いており、捏造記事と言っても過言ではない」とコメントされています。
女性の話によると、中国東北部で生まれ、17歳で騙されて慰安婦されたと書いてあります。しかし西岡は私の記述には触れないで、強制連行があったかのように記事を書いており、"捏造"と言っております。これはフェアではないと思います。

私の記事は、リードで「女子挺身隊」という言葉を使いました。当時、韓国では慰安婦のことを「女子挺身隊」あるいは「挺身隊」という言葉で表現しておりました。しかし西岡氏は92年4月の「文藝春秋」で、これについて"重大な事実誤認"と批判しておりました。

その当時、西岡氏は記事では「朝日に限らず、日本のどの新聞も金さんが連行されたプロセスを詳しく報ぜず、大多数の日本人は当時の日本当局が権力を使って、金さんを暴力的に慰安婦にしてしまったと受けとめてしまった」と書いておりますが、しかし、その後は私だけを狙い撃ちにしております。98年ごろから"捏造"という言葉に変わりました。同じ91年の記事に対して、評価を変えてしまっているんです。フレーム・アップだと思います。

そして結局、その流れで2月6日号の「週間文春」は、私を"捏造記者"だとレッテル貼りをしました。これはフレーム・アップの延長線上だと思います。

この記事が原因で、私の転職先の神戸松蔭女子学院大学にいやがらせ、抗議の電話が殺到しました。そして私が勤務している北星学園大学には、更に多くの抗議のメールや電話がかかってきます。そうした抗議の電話の一部はインターネット上に公開されて、さらに憎悪を煽り立てています。

標的は大学だけではありません。私の家族、娘にまで及びました。娘の写真がインターネット上に晒され、誹謗中傷が書き連ねられています。
たとえばこんなのがあります。"こいつの父親のせいでどれだけの日本人が苦労したことか。親爺が超絶反日活動で…稼いだ金で、という意味でしょうか…贅沢三昧に育ったのだろう。自殺するまで追い込むしか無い"と書いてあります。

私のパートナーは韓国人です。私の娘は父親は日本人で、母親は韓国人です。ヘイトスピーチのような、コリアンを差別するような言葉まで出てきます。

私は「週刊文春」の捏造というレッテル貼り、そして西岡氏の言説がこうした状況を引き起こしたのではないかと考えています。私は言論の場でも意見を発表しています。法廷の場でも捏造記者でないことを認めてもらおうと思っています。

私は捏造記者ではありません、不当なバッシングに屈するわけには行かないのです。

神原元弁護士「次々と裁判を起こし、名誉回復を図っていく」

弁護団の方より若干補足させていただきます。

植村さんの訴状は、本日東京地方裁判所に提出されました。被告は株式会社文藝春秋および東京基督教大学の西岡力さん、ということになります。

裁判で植村さんは3つのことを求めていきます。インターネットからの西岡さんの論文の削除です。ふたつめは謝罪広告の掲載です、そして、損害賠償として1650万円の請求です。根拠は、捏造という記載が不法行為に該当します。現在170人の弁護士が代理人として植村さんを支援しております。

他方、植村さんを攻撃している歴史修正主義者は他にもたくさんおります。私たち弁護士はこれからも次々と裁判を起こし、植村さんの名誉回復を図っていきたいと思います。

上智大・中野教授「人権は守らなければいけない」

上智大学教授の中野晃一です。私は何百人かの学者、ジャーナリストの代表として、植村さんと一緒にこの攻撃に立ち向かいたいと思っています。やはり人権は守らなければいけないと考えている、多くの学者や報道関係者がいます。

皆さんのご記憶にも新しいと思いますが、私はこちらで3ヶ月前に山口二郎先生と会見をしました。(編集部注:「言論と学問の自由を守るため立ち上がるべき」元朝日記者脅迫問題で山口二郎・中野晃一両教授が会見

当時、植村さんの雇用契約が更新されるかどうか微妙でしたが、北星学園大学が英断をされ、とりあえず1年の契約更新になりました。皆さんの記事や発信力が、多くの人の考えを変えることに役立ったと思います。ここでお礼を申し上げたいと思います。

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